水稲冷害研究チーム
稲作の安全作期の利用にあたって
稲作の安全作期の利用にあたって
1.はじめに
本情報は、監視各地点における冷害回避の基本技術と応急技術を提供するものです。
この情報は気象の準平年値と発育予測モデルなどを用いて安全作期、登熟条件ならびにいもち防除に関するものを総合的にとりまとめたものです。実際の栽培場面では、このほかに早期警戒情報と気象経過、発育ステージ、葉いもち予察、図説東北の稲作と冷害、各県の技術と病害虫予察に関する情報などを考慮して総合的な判断が求められます。
本情報は71アメダス監視地点とモニター所在地に近いアメダス観測地について順次作成する予定です。
2.情報の作成手法
1)基本情報
アメダス地域気象情報の気温、降水量、日照時間の準平年値を用いています。
2)安全作期の策定手法
- 安全作期策定に利用された気温指標を利用しています。
- 障害型冷害と遅延型冷害の危険度を少なくする最も重要な指標は、穂ばらみ期(減数分裂期)の安全早限日と成熟期の晩限日です。この2つの指標で幼穂形成期(幼穂の長さが約2ミリ時期で穎花分化が最も盛んな時期を示す)以降成熟期までの好適な作期が決まります。
- 水稲の発育ステージはホームページで利用されている葉齢予測モデルと幼穂・玄米の発育予測モデルで推定したものです。
- 登熟条件は内島(1983)「北海道、東北地方における水稲の安全作季に関する農業気象学的研究」農業技術研究所報告A第31号、p.23-113にある気候登熟量示数で評価しています。同示数は次のような式で示されます。
Y=S{4.14−0.13(21.4−T)^2}
ここで、Yは同示数、Sは出穂後40日間の積算日照時間、Tは同平均気温です。
上の手法では登熟期間が40日ですが、ここでは玄米の発育予測モデルによる出穂期から成熟期の積算日照時間と平均気温を用いて推定しています。この示数は登熟期間中の日照時間と気温を考慮したもので、日照時間は多いほど良く影響し、平均気温は21.4度を最適条件としてそれから離れるほど不利に影響することを示します。
- 品種の早晩性と苗質別の好適な移植期間については、移植の安全早限日(活着に要する日数7日と仮定し)に基づいて葉齢と最終葉数を変えて発育予測モデルで予測し、好適な幼穂形成期の期間内に入るように設定されています。
3)いもち病に関する指標
ホームページで提供されている葉いもち予察情報(BLASTAM)を利用するための指標を取り上げています。
3.利用上の注意
これら情報は準平年値を用いて作成されたものです。最近は平年並みの気象経過がほとんど見られません。気象経過と水稲の生育は栽培期間中に刻々と変化します。早期警戒システムで提供されるリアルタイムの情報に注意してご利用下さい。
reigai@ml.affrc.go.jp