水稲冷害研究チーム

1996年岩手県技術情報

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 農作物技術情報 第2号(平成8年4月25日)

 本年の暖候期予報では6〜8月の平均気温は平年並みの予報ですが,寒暖の変動が大きい天候が現れやすい見込みです。
 このため,安定稲作の推進を最重点とし,当面は健苗育成に努めるとともに,畦畔のかさ上げ・補修を必ず行う。また,生育状況と気象変動に対応できるように基肥窒素は基準以内にし,適期移植を行い活着・初期生育の確保に努める。

1.気象変動に対応した育苗管理
1)本年は細菌病の発生が懸念されることから,育苗は乾燥気味に管理し,育苗温度を25度以上にしないなど,きめ細かな灌水・温度管理をする。
 また,昨年は葉いもちが早期に発生し,穂いもちが多発したことから,本年はいもち病の育苗期防除も必ず行う。
2)夜間の温度は5度以下の低温にしないように保温に努める。田植え1週間位前からは,遅霜に注意しながら,徐々に昼夜とも外気に馴らす。気温の急激な変化や低温は,ムレ苗の発生を助長するので,油断しないよう基本管理を徹底する。
3)灌水は曇雨天や低温時を除き,朝の内に行い,育苗後半は灌水の量や回数を増やすが,あくまでも朝の灌水を重点に,夕方には育苗箱の表面が乾燥するように天候に合わせて調節する。
4)追肥は苗の葉色に合わせて行う。稚苗では2葉期に,中・成苗では2〜2.5葉期および必要に応じて3葉期に追肥をし,出葉を促進する。追肥後は灌水して葉やけを防ぐ。

2.安定生産のための本田準備
1)本年の夏は寒暖の変動が大きい予報から,深水管理ができるように,畦畔のかさ上げや補修を十分吟味して行う。また,生育状況と気象変動に対応した追肥ができるように,基肥窒素は施肥基準以内とする。
2)耕起はロータリー耕の場合は速度を遅くしたり2回掛けをし,深耕(目標15cm以上)に努める。代かきはていねいに行い,田面はできるだけ均平にする。
3)田植えは品種の早晩や育苗法に合わせて適期内に行う。適期内であっても,できるだけ暖かい日を選び,寒い日や風雨の日は避ける。また,栽植密度は地域や品種に合わせて十分確保する。

3.初期除草剤の使い方
1)田植え前の除草剤使用は,周辺環境や公共用水域を汚染する恐れがあるので,原則として行わない。そこで,代かきから田植えまでの期間が長くならないように作業計画をたて,一発処理剤を有効に活用して,雑草防除の徹底に努める。
2)ノビエが発生してからでも除草効果がある一発処理剤が多いことから,発生してくるノビエの大きさ(葉齢)に合わせて適期に散布する。
3)1キロ粒剤の使用時には,散布機具の調整を十分に行い,散布量が多くならないようにする。

4.初期害虫の防除
1)イネミズゾウムシは昨年発生が目だったところで,周辺に山林・土手の多い圃場では,粒剤の育苗箱使用による防除を実施する。
2)イネミズゾウムシは畦畔際から侵入・加害するので,オンコル粒剤やガゼット粒剤を使用する場合は,畦畔から4〜5m幅に移植する箱に限って処理する。ただし,その他の剤を使用する場合やイネドロオイムシとの同時防除を目的とした場合は,移植するすべての箱に処理する必要がある。
 
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