水稲冷害研究チーム

青森県稲作指導情報

 なお,詳しい内容に関する問い合わせは青森県にお願いいたします.

稲作指導情報 第1号(3月14日)

青森県農業生産対策推進本部

−作業のポイント−
○ 苗代予定地に残雪がある場合は、作業に支障をきたさないように融雪資材の散布や除雪に努める。
○ 床土のpHが4.5〜5.5の適正範囲を超えると生育障害が発生しやすくなるので、事前に必ずpH測定を行う。
○ 種籾の塩水選・消毒・浸種・催芽は、基本通り行い健苗育成に努める。

1. これからの農作業と管理
 1)育苗計画:播種日は、地帯別の田植え適期(5月10日〜25日ころ)に合わせ、育苗日数から逆算して決める。また、苗代資材の準備や種子の予措も併せて行う。
 2)苗代地の準備:苗代予定地に残雪や停滞水がみられる場合は早めに除雪と排水作業を行い置床を乾燥させる。
 3)塩水選
  (1)種子量は精選した乾籾を10アール当たり4kg程度準備する。
  (2)塩水選の比重は次の通りとする。
   うるち:比重1.13(水10リットル当たり食塩2−2.1kg)
   も ち:比重1.08(水10リットル当たり食塩1.2kg)
  (3)塩水の比重はときどき比重計等で確認しながら行う。
  (4)塩水選後は種籾を直ちに水洗いする。
 4)種子消毒
  (1)消毒法
   ●種子消毒法とその対象病害は次の通り。
    ○ ヘルシード水和剤・乳剤・T水和剤・Tフロアブル:ばか苗病、いもち病、ごま葉枯病
    ○ ケス水和剤:ばか苗病、いもち病、ごま葉枯病
    ○ テクリード水和剤:ばか苗病、いもち病、ごま葉枯病
    ○ テクリードCフロアブル:ばか苗病、いもち病、ごま葉枯病、もみ枯細菌病、苗立枯病
    ○ トリフミン水和剤・乳剤:ばか苗病、いもち病、ごま葉枯病
    ○ スポルタック乳剤:ばか苗病、いもち病、ごま葉枯病
    ○ スターナ水和剤:もみ枯細菌病、苗立枯病
   ● 種子消毒には、粉衣法、高濃度短時間浸漬法、低濃度長時間浸漬法等がある。消毒効果を高めるために、粉衣法あるいは高濃度短時間浸漬法で行う。
  (2) 消毒の留意点
   ● 高濃度短時間浸漬法・低濃度長時間浸漬法の場合は、種籾量と薬液量の容積比を1:1以上にして種籾が十分浸漬できる液量で実施する。
   ● 高濃度短時間浸漬法の薬液使用回数は、5回程度とする。
   ● ケス水和剤・トリフミン水和剤・テクリードCフロアブル・スターナ水和剤を使用する場合は、消毒後2日間風乾する。
   ● 低濃度長時間浸漬法の場合、薬液を浸漬中に2〜3回攪拌し、消毒効果を高めるための薬液温度が10度以下にならないように保温対策を行う。
   ● もみ枯細菌病や苗立枯細菌病の発生がみられる場合は、テクリードCフロアブルを使用するか、スターナ水和剤を他の種子消毒剤と混用して消毒する。
   ● 消毒液の残りや使用器具の洗浄液は、河川や涸沼等に流入しないようにする。
 5) 浸種
  (1) 浸種は催芽を均一にし、出芽ムラが発生しないようにするため、10〜15日間程度(積算水温で100度が目安)行う。
  (2) 浸種は河川等の流水を避け、最初の2日間は水を取り換えず、その後は3日に1回程度の割合で水を取り替える。
 6) 催芽
  (1) 種籾をハト胸程度に仕上げるためには、30〜32度で16〜20時間加温する。
  (2) 催芽の温度は40度以上になると発芽能力が低下するので、風呂を利用する場合には、温度を十分確認しながら行う。また、育苗器を利用する場合は、籾が乾燥しないように水管理に十分注意する。
 7) 床土等の準備
  (1) 床土量は1箱当たり稚苗・中苗散播で4.5リットル(内覆土0.5リットル)準備する。
  (2) 床土は、pH4.5〜5.5の土を使用する。
  (3) 肥料や農薬は次の通り。
   ○ 育苗法:稚苗・散播・基肥方式
     1箱当たり施肥量(肥料成分):窒素、カリは2.5g、リン酸は1.0g(リン酸欠乏が予想される土壌は窒素、リン酸、カリとも2.5g)
     播種量(催芽籾)は箱当たり250g
     使用箱数は10アール当たり約20箱
   ○ 中苗・散播・基肥方式
     窒素、リン酸、カリとも2.5g
     播種量(催芽籾)は箱当たり125g
     使用箱数は10アール当たり約35箱
   ○ 中苗・散播肥・追肥方式
     窒素1.0g、リン酸、カリとも2.5g
     播種量(催芽籾)は箱当たり125g
     使用箱数は10アール当たり約35箱
   ○ 成苗・成型ポット(みのる)
     窒素、リン酸、カリ各0.5g
   ○ 中苗・散播・基肥方式
     窒素、リン酸、カリとも2.5g
     播種量(催芽籾)は箱当たり55g
     使用箱数は10アール当たり約55箱
  (4) 苗立枯病の予防
   ○ 粉剤を使用する場合:タチガレエース粉剤は1箱当たり8gを床土と均一に混和する。リゾープス属菌の発生が懸念される場合は、ダコニール粒剤を1箱当たり15〜20g添加する。
   ○ 液剤を使用する場合:灌水後、播種直前にタチガレエース液剤の500〜1000倍液を1箱当たり500cc灌注する。また、リゾープス属菌との同時防除を行う場合にはタチガレエース液剤とダコニール1000を所定の倍率で混合し、1箱当たり500cc灌注する。
 8) 置床
  (1) 置床への施肥は、単位平方メートル当たり窒素、カリが15g、リン酸が23gとなるように施用する。
  (2) 置床は、育苗箱の底と密着するように均平にし、砕土の不十分や足跡等のくぼみがあると生育ムラができるので十分注意する。
  (3) 置床のpHが6.1以上の場合は、ムレ苗や立ち枯れ病の発生原因となるので置床被覆方式に切り替える。
 9)畦畔のかさあげと補強
畦畔は、気象の急激な変化や除草剤等の使用効果を高めるための水管理ができるようにかさ上げや補強を行う。

次回の稲作指導情報の発行予定日は4月3日です。

 
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