水稲冷害研究チーム
98年青森県稲作指導情報
なお,詳しい内容に関する問い合わせは青森県にお願いいたします.
稲作指導情報 第6号
平成10年6月25日
青森県農業生産対策推進本部
1. 生育状況
1) 黒石(本場)の「むつほまれ」は草丈が平年より長いが、茎数、葉数はやや少ない。
2) 藤坂(支場)の「むつほまれ」は草丈、茎数、葉数ともほぼ平年並である。
3) 葉数からみた生育は、平年に比べて黒石では1〜2日程度の遅れ、田植えの早い藤坂では1日遅れ〜平年並となっている。
4) 県内の生育状況(6月19日現在)
・ 内陸平坦部や西汗顔などやませの影響の少ない地域で、草丈がやや長く、茎数、葉数も多いが、太平洋沿岸などやませの影響の大きな地域や田植えの遅れた圃場で、草丈が短く、茎数と葉数が少ないなど、地域差や個人差が大きくなっている。
・ 葉数からみた生育は、6月19日現在では津軽地域で平年より1日遅れ〜3日早く、県南地域で平年より1日遅れ〜平年並となっている。
・ なお、田植えが5月末頃にずれ込んだ太平洋沿岸地域や下北地域の一部で生育遅れが目立っている圃場がみられる。
2. これからの農作業と管理
1) 水管理
・ 昼間止水・夜間灌漑を基本とし、低温の場合は5〜6cmのやや深水にして保温に努め、温暖な場合は3cm前後の浅水にして水温、地温の上昇を図り、積極的に分げつの発生を促進させる。
・ 用水の利用は計画的に行い、掛け流しは行わない。
・ 株当たり茎数20本程度を確保した水田では、週間天気予報等を参考にして天候の良好な日を選び、中干しを行う。また、生育が遅れ、茎数が不足している場合や低温が続く場合には中干しは行わない。
・ つがるロマンは倒伏性が劣るので、窒素の過剰発現や下位節間伸長の抑制等のため積極的に中干しを行う。
・ 湿田や大区画圃場など排水のよくない圃場では、中干しの効果を高めるため、5m間隔程度に溝きりを実施する。
・ 中干しは、田面に軽くひび割れが入る程度とし、幼穂形成期前には必ず終了する。実施中に低温がつづくことが予想される場合は、直ちに中止して入水する。
・ 低温時に15〜20cmの深水管理ができるように、日頃から水田をよく見回り、畦畔を補強する。
2) 肥培管理
・ 幼穂形成期前のつなぎ肥は生育を遅らせるとともに、過繁茂となり倒伏や病害虫等の発生原因となるので行わない。
・ 深層追肥は食味の低下を招くので絶対に行わない。
3) 病害虫防除
(1) イネドロオイムシ
・ イネドロオイムシの発生時期は早く、食害もみられている。この食害は稲の生育遅延を助長するので、発生状況に応じ適期に防除する。
(2) イネカラバエ
・ イネカラバエの今年の発生時期はやや早まると予想される。食害は減収だけでなく、著しい偏形粒、くびれ粒、茶米粒等が発生し、品質低下を招くので適期に防除する。
・ 茎葉散布は産卵最盛期に、水面施用剤は産卵最盛期から10日後までに実施する。
・ 平年の地帯別産卵最盛期は、平野地帯:6月末〜7月始め、山間・沿岸地帯:7月上旬後半、下北地帯:7月上旬後半から中旬前半。
(3) いもち病
・ 放置された補植用苗で、既に葉いもちが確認されていることから、放置苗は速やかに処分するとともに、圃場をよく見回り早期発見早期防除に努める。
・ 例年葉いもちの発生する水田や、「ユメコガネ」「かけはし」等のいもち病に比較的弱い品種を作付けしている水田では、6月末から7月初旬にオリゼメート粒剤による予防防除を実施する。
4) 雑草防除
・ 多年生雑草のミズガヤツリ、オモダカ、シズイなどが多く残っている水田では、ベンタゾン及びその混合剤を散布する。
・ 例年藻類や表土剥離が多発生し、生育に支障がある場合は、発生初期に効果の高い除草剤を散布する。
・ ヒエが多く残った場合、ヒエが4葉期までであれば、クリンチャーEWによる除草が可能である。
・ 多年生雑草やヒエ等の発生が少ない場合は拾い草をする。
5) 調整水田の管理
・ 調整水田に多年生雑草が多く残っている場合は翌年の発生源にならないように中・後期除草剤で除草する。
次回の発行予定は7月6日です。
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