水稲冷害研究チーム

98年青森県稲作指導情報


 なお,詳しい内容に関する問い合わせは青森県にお願いいたします.

稲作指導情報 第8号

平成10年7月21日

青森県農業生産対策推進本部

1. 生育状況
1) 農試作況圃場
・ むつほまれの生育は、草丈が黒石・藤坂とも平年より長く、茎数は最高分げつ期が平年よりも早く、すでに過ぎたことから、平年より少なくなっている。
・ 幼穂形成期の到達日は、むつほまれが黒石で平年より3日早く、藤坂で平年より4日早かった。
2) 県内
・ 県内の生育は全般的に、草丈が平年より長く、平方メートル当たり茎数は中弘南地域でやや多いものの、その他の地域では最高分げつ期を過ぎたこともあり、平年より少なくなっている。
・ 幼穂形成期からみた生育は、津軽地域で平年より1〜4日早く、県南地域では平年より2〜4日早くなっている。

2. これからの農作業と管理
1) 水管理
・ 中干しを幼穂形成期以降も継続すると、障害不稔や出穂遅延の原因となるので、幼穂形成期の前には必ず終了する。
・ 幼穂形成期に達した水田は、天候の良否にかかわらず水深10cmの「幼穂形成期深水灌漑」を10日間実施し、花粉数の増加と花粉の充実を図り、障害不稔の発生防止に努める。
・ 穂ばらみ期は生育期間中で最も低温に弱い時期に当たるので、平均気温で20度(アメダス値19.2度)以下、最低気温で17度(同16.2)以下になると予想される場合には、15cm以上の深水管理で幼穂を保護する。
・ 低温時に深水管理ができるように畦畔を点検・補強すると共に、入排水を容易にするため、用排水路の清掃や草刈りを行う。
・ 穂ばらみ期に高温が続く場合は、4cm程度の浅水に管理し、時々水を入れ換えたり掛け流し灌漑を行い、根の老化防止に努める。
2) 追肥
・ 水稲の生育が早まっているが、草丈が長く、稲体の窒素濃度が高い傾向にあるので、追肥は幼穂形成期に達したことを確認し、葉色が淡くなり、追肥可能と判断されたら適正量を追肥する。
・ 特に、つがるロマンは多肥条件で倒伏しやすいので慎重に行う。
・ 葉色が濃い場合は、幼穂形成期の10日後(減数分裂期)まで追肥を遅らせる。
・ 減数分裂期に達しても、葉色が淡くならない場合や低温が続くと予想される場合には、追肥を中止する。
3) 病害虫防除
(1) 葉いもち
・ 初発生は6月22日で平年より20日早く、その後も各地で発生が確認されており、特に津軽地域で多発生が予想されているので、早期発見、早期防除を徹底する。
・ 圃場に放置されている補植用苗は、伝染源となるので直ちに処分する。
・ 水田をよく見回り、発生を確認したら直ちに薬剤を散布し、蔓延しないように努める。
・ 発生が多く、防除剤散布後も病斑が増えるようであれば、4〜5日間隔で追加防除する。降雨が続くような場合であっても、雨の合間をみて防除剤を散布する。なお、粉剤では多少雨があっても効果が期待できるので積極的に防除する。
・ 同一薬剤の連続使用は、耐性菌出現の恐れがあるので避ける。
・ 予防粒剤を散布していても病斑が容易に確認できる場合は、直ちに防除する。
・ かけはし、ムツホナミ、むつかおりなどで予防粒剤を散布していない場合は、発生が確認されなくても防除する。なお、つがるロマンにも発生しているので十分に注意する。
・ 施肥窒素量を多くすると、いもち病に対する抵抗力が弱まるので追肥は適正量を守る。
(2) 稲こうじ病
・ 前年発生が認められた地域では、天候に関係なく防除する。
・ 防除適期は、出穂10〜20日前であり、出穂15日前ころを目安に、遅れないように防除する。
・ 銅剤を使用する場合には、出穂期に近いほど薬害の発生する恐れがあるので、散布時期、散布量に注意して使用する。
・ 窒素施肥量が多いと多発する傾向があるので、適正な追肥量を守る。
(3) 穂いもちなど出穂期直前防除
出穂直前(走り穂の出た頃)には、穂いもち、紋枯病、ニカメイガの防除を行うほか、発生状況に応じてコバネイナゴ、ウンカ類、ごま葉枯病等の防除も行う。


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