水稲冷害研究チーム

98年福島県稲作指導情報<会津版>


 なお,詳しい内容に関する問い合わせは福島県農業試験場にお願いいたします.

稲作情報 第2号

平成10年6月3日

福島の米稲作情報編集会議

1. 移植栽培の当面する技術対策のポイント
<生育状況>
1) 苗の生育
作況試験の苗の生育は平坦地、山間地とも平年より草丈が長く、徒長気味の生育であった。
葉数は平坦地では平年よりやや多く、山間地で平年並からやや少なかった。
2) 活着と生育
移植後の発根数は平年より多く、その後の生育も順調である。主稈出葉からみた本田での生育は平坦地で1日早く、山間地で平年並〜1日早い。
<当面の技術対策>
1) 水管理
・ 低温や強風時以外は浅水管理で生育の促進を図る。潅水は夕刻に行い、昼間は止水にする。
・ 掛け流しは穂数の減少と出穂遅延につながるので絶対にしない。
・ 用水温の低い山間地では、温水チューブ等を利用して水温の上昇に努める。
・ 目標茎数を確保したら中干しを実施する。
2) 施肥管理
・ 分げつ期の窒素追肥は、基肥量を計画的に減肥したところを除き行わない。
3) 害虫防除
・ イネミズゾウムシやイネドロオイムシの本田侵入時期が早い。食害が目立つ圃場では早急に防除する。
・ イナゴの発生が早いので、常発地では6月中旬頃に畦畔周辺に薬剤を散布する。
4) 葉いもち防除
・ 本田での葉いもちの発生が早まると予想されている。
・ 水田放置苗は葉いもちの感染源になるので直ちに除去する。
・ 葉いもち予防に粒剤を使用する場合には6月20日までに散布する。
5) 雑草防除
・ ノビエの残草がみられる場合には、シハロホップブチル剤を使用して防除する。
・ クログワイやオモダカ等の多年生雑草が目立つ圃場では、ペンタゾン剤を使用して防除する。

2. 湛水直播栽培の当面する技術対策のポイント
(生育状況)
会津支場管内の5月8日播種の出芽始期は5月13日で、出芽までの日数は昨年より2日早まり、その後の生育も良好である。現在の葉数は3〜4葉である。冷害試験地内の5月8日播種の出芽始期は5月16日で、1葉以上の苗立ち率が昨年より高く、順調な生育である。現在の葉数は3葉前後である。
現地では、一部に鳥害や還元による出芽不良がみられるものの、出芽・苗立ちは概ね良好で、その後の生育も順調であるが、全般にイネミズゾウムシの食害が多い。
(当面の技術対策)
1) 水管理
・ 低温や強風時以外は浅水管理で生育の促進を図る。
・ 強還元田や湿田では4〜5葉期頃に3日程度落水し、発根を促進させる。
2) 肥培管理
・ 基盤整備直後田等の基肥窒素無施用田では、葉色が淡い場合には窒素成分で10アール当たり2kg程度施用する。
・ 直播水稲は、移植水稲に比べ7月以降の生育量増加が大きい特徴がある。基肥窒素施用田では分げつ期の窒素追肥を行わない。
3) 雑草防除
・ ノビエが残草した場合には、ノビエ3葉期までにシハロホップブチル粒剤をやや深水状態で散布する。
・ 表土剥離や藻類の発生が目立つ圃場では、ACN剤を散布する。
4) 害虫防除
・ イネミズゾウムシの食害が多い場合には直ちに防除する。
・ イネドロオイムシやイネヒメハモグリバエの発生に注意し、発生をみたら防除に努める。

3. 麦・大豆栽培の技術対策のポイント
1) 麦類
・ 大麦の成熟期は平年より1週間程度早まる見込みである。適期刈り取りを行い、刈り遅れによる品質の低下を防止する。
・ 調整はグレーダの網目が2.2mm以上を用いて、未熟粒の混入を防止する。
2) 大豆
・ 優良な種子を準備する。
・ 大豆は生育初〜中期に湿害により大きく減収する。特に、転換畑では明渠による排水対策を万全に行う。
・ 土壌分析に基づいた適切な肥培管理を行う。


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