水稲冷害研究チーム
98年福島県稲作指導情報<会津版>
なお,詳しい内容に関する問い合わせは福島県農業試験場にお願いいたします.
稲作情報(会津版) 第4号
平成10年7月9日
福島の米稲作情報編集会議
1. 移植栽培の当面する技術対策のポイント
1) 生育状況
(1)作況試験の生育は、草丈は高冷地の初星を除きやや短く、茎数も平坦部でやや少ない。高冷地では品種により異るが、平年並〜多い。主稈出葉からみた生育は平坦部、高冷地ともほぼ平年並である。現在の生育及び1ヶ月予報から、予想される幼穂形成始期及び減数分裂期は、ほぼ平年並みになると思われる。
(2)7月上旬の土壌中のアンモニア態窒素は、ほぼ平年並みまで低下している。
(3)現地の生育は概ね順調で、草丈は平年並みで、茎数も確保されている。葉色はさめ始めてきている。
2) 当面の技術対策
(1) 水管理
・中干し終了後は間断かんがいとし、根の健全化と作土の固化維持を図る。
・掛け流しをすると、生育が遅れたり、貴重な水が無駄になるので、行わない。
(2) 穂 肥
・穂肥は、生育量や葉色等の診断を行ったうえで施用する。稲が伸びすぎていたり、葉色が 濃すぎる場合には、時期を遅らせたり、量を減らしたりし、慎重に行う。
・穂肥を行う場合には、併せて葉いもち、穂いもちの防除を徹底する。
(3) いもち病防除
・葉いもちの多発注意報が発令されている。会津平坦部や山沿いでも本田での発生 防除が確認され、一部にズリ込み症状を呈した圃場も散見された。
・圃場をよく見回り早期発見に努め、発生を確認したら直ちに散布剤(液剤、粉剤)による防除を実施する。さらに、発生状況に応じて 7〜10日おきに防除を行う。
・上位葉での葉いもち発生は、穂いもちの伝染源となるので、葉いもち防除を徹底する。
・葉いもち予防に粒剤を施用した圃場でも過信せず、発生が認められたら、散布剤による追加防除を実施する。
・穂いもち防除に粒剤を用いる場合は、出穂10〜20日前までに湛水状態で施用する。
(4) 紋枯病防除
・常発地では穂ばらみ期に薬剤散布を行う。
2. 直播栽培の当面する技術対策のポイント
1) 生育状況
(1) 会津支場内5月8日播きの生育は、草丈が平年よりやや長く、茎数も多い。葉数も前3ヶ年より進んでいる。
(2) 現地の生育も順調であるが、苗立ちが多かった圃場では生育過剰である。
2) 当面の技術対策
(1) 水管理
・目標生育量を確保した圃場は、倒伏と過剰生育防止のため幼穂形成期まで中干しを継続する。
(2) 肥培管理
・窒素の追肥は、幼穂形成期後の生育を見て、必要な場合には穂肥の時期に行う。
・穂肥の時期と量は、移植栽培よりも控えめに行い、倒伏防止に努める。
(3) いもち病防除
・稲の生育が過繁茂であったり、葉色が濃い場合が多いので、防除には万全を期す。
・ 移植栽培と同様に、圃場をよく見回り、早期発見、早期防除に努める。
3. 大豆・ソバ栽培の技術対策のポイント
(1)大豆
@ 排水対策
大豆は生育初〜中期の湿害により大きく減収する。特に、転換畑では明渠による排水対策を万全に行う。
A 中耕培土
標準播種では5葉期に達したので、早急に2回目の中耕培土を第1本葉が隠れる程度まで行う。中耕培土時に、コーティング尿素(LPコート70)を窒素成分で6kg/10a施用する。
B 病害虫防除
病害虫の発生は大きな減収要因となることから、アブラムシ類、ハダニ類を中心に防除を徹底する。
(2)ソバ
@ 排水対策
ソバは干ばつには強いが湿害には弱いので、排水対策が重要である。転換畑では明渠による排水対策を万全に行う。
torigoe@tnaes.affrc.go.jp