水稲冷害研究チーム
98年福島県稲作指導情報<会津版>
なお,詳しい内容に関する問い合わせは福島県農業試験場にお願いいたします.
稲作情報 第5号
平成10年7月24日
福島の米稲作情報編集会議
1. 移植栽培の当面する技術対策のポイント
1)生育状況
作況試験の生育は、草丈は平坦部では平年並からやや短く、高冷地ではやや長い。茎数は平坦地でやや少なく、高冷地では多い。葉色は急激に低下し、平年よりかなり淡い。幼穂形成始期はほぼ平年並であった。
2)今後の生育予想
減数分裂期は平坦部のササニシキ、ひとめぼれが7月22日〜27日頃、コシヒカリが7月29日〜8月3日頃、高冷地のまいひめが7月21日〜26日頃、初星が7月28日〜8月2日頃で、出穂期はほぼ平年並と推定される。平坦部では平年並の気温であれば、稈長は平年並からやや短いと予測される。
現地の出穂期は平年並から2〜3日早まると推定されるが、田植え時期や苗の素質により、出穂期の変動が大きいとみられる。
3)当面の技術対策
(1)いもち病防除:葉いもちは全域で確認され、一部にズリ込み症状を呈した圃場も散見される。穂ばらみ期から出穂期にあたる8月上旬に、不順天候が予想されていることか ら、穂いもちへの移行が懸念される。
@既に葉いもちの発生が見られる圃場では防除を徹底し、上位葉での発病を防ぐ。
A散布剤で穂いもちを防除する場合には、穂ばらみ末期と穂揃期の防除を基本とし、多発が予想される場合には傾穂期の防除を追加する。
B穂いもち防除に粒剤を用いる場合は、出穂10〜20日前までに湛水状態で施用する。
C穂いもち防除に粒剤を施用した場合や、航空防除を実施した場合でも、上位葉に葉いもちの病斑が見られる場合には、散布剤で追加防除を実施する。
(2)追 肥:
@コシヒカリの穂肥は生育量と葉色の診断により行う。出穂前15日までカラースケール値で3.0を維持できないと予想される場合には、早めの穂肥で対応する。
A穂肥を行う場合には、併せて葉いもち、穂いもちの防除を徹底する。
B出穂後の追肥は穂いもちの増加や食味の低下を招くので施用しない。
(3)水管理:
@根の健全化と作土の固化維持のため間断灌がいを継続する。
A用水量が不足している地域では、組織的、計画的な灌水で水の有効利用を図る。
B減数分裂期に最低気温が17℃以下になると予想される場合には、15p以上の深水管理により幼穂を保護する。特に、高冷地の水稲は、幼穂形成期間中冷温に遭遇し、障害 不稔が発生しやすい体質になっているので、今後の気象予報に注意する。
(4)カメムシ防除:
@畦畔の雑草を出穂10日前までに刈取り、カメムシの生息場所を少なくする。
A常発地や前年多発した地域では、防除基準に従い適期に防除する。
(5)その他の病害防除 紋枯病や稲こうじ病の常発地では防除基準に従い防除する。
2. 直播栽培の当面する技術対策のポイント
1) 生育状況
4月24日播き直播水稲の出穂期は、ほぼ作況試験と同じ頃とみられる。5月8日播きの出穂期は昨年より3〜4日早いと予想される。
2)当面の技術対策
(1)穂 肥:穂肥施用は移植栽培に準じた診断基準で行うが、移植栽培より倒伏しやすいので慎重に時期と量を判断する。
(2)いもち病防除:いもち病防除は移植栽培と同様の体系で行うが、穂いもち防除を行う場合には生育ステージをよく確認し、適期に防除する。
(3)害虫防除:イネツトムシが前年多発した圃場や生育の遅れている圃場では、発生に注意し、発生を確認したら防除に努める。
3. 大豆・ソバ栽培の技術対策のポイント
(1)大豆
@追 肥:尿素、硫安を用いた追肥は、開花期から開花後10日頃までに行い、窒素成分で10a当り6sを株元に施用する。葉上から散布すると葉やけをおこす。
A排水対策:大豆では生育初〜中期の湿害が減収の大きな要因となる。特に転換畑では明きょ等により、十分な排水対策を講じる。
B病害虫:紫斑病は多湿条件で多発するので圃場の排水対策を十分に行う。薬剤による防除は開花後20日〜40日頃に防除基準に従い行う。
(2)ソバ
@排水対策:ソバは干ばつには強いが湿害には弱いので、排水対策が重要である。転換畑では明渠による排水対策を万全に行う。
A施 肥:ソバの10a当りの標準施肥量は窒素1.0〜2.0s、りん酸2.5〜5.0s、カリ2.5sである。あわせて、開発畑や火山灰土壌では石灰資材や燐酸資材を投入する。
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