水稲冷害研究チーム

1998年福島県稲作指導情報<会津版>


 なお,詳しい内容に関する問い合わせは福島県農業試験場にお願いいたします.

稲作情報第6号

平成10年8月28日

福島の米稲作情報編集会議

1. 移植栽培
1) 生育状況
(1) 作況試験:出穂期は平坦部、高冷地ともほぼ平年並だが、穂揃い期間が長かった。平坦部の稈長はほぼ平年並である。平方メートル当たり籾数は平坦部では平年よりかなり少ないが、高冷地では平年より多い見込みである。登熟はやや緩慢で、粗玄米千粒重は平坦部、高冷地とも平年より小さい。
(2) 現地:出穂期は圃場間、地域間の変動が大きいが、概ね平年並から3〜4日早い。穂揃い期間が長い。穂数は平年並からやや少ない見込み。
(3) いもち病の発生状況:平坦部、高冷地とも広範囲で穂いもちが発生している。いもち病の感染に好適な天候が続いていることから、今後穂いもちの発生が拡大する危険性が高い。
2) 今後の生育予測
作況試験圃場の成熟期は平坦部では「ひとめぼれ」が9月19日頃、「コシヒカリ」が9月28日頃、高冷地では、「まいひめ」が9月25日頃、「初星」が10月2日頃と予想される。
3) 当面の技術対策
(1) 穂いもち防除:
上位葉で葉いもちの発生が見られる圃場では、農薬の使用基準に従い、穂いもちの追加防除を行い、穂いもちの発生拡大を防止する。
(2) 水管理:
雨天が続き、田面が軟らかい圃場が多いが、間断灌漑により徐々に土壌の固化を図る。早期落水による品質低下を防止するため、完全落水は出穂後30日以降に行う。
(3) 適期刈り取り:
・ 刈り始めは積算気温で「ひとめぼれ」が900度、「ササニシキ」「コシヒカリ」が950度を目安とするが、本年は出穂のバラツキが大きいため、圃場内での籾の黄化程度(85−90%が目安)をよく観察し、決定する。
・ 早期に倒伏した部分や、登熟が遅れた部分は刈分けを行い、未熟粒、被害粒の混入を避ける。
・ クサネム等の雑草種子は混入すると等級低下の要因になるので、収穫前に除去する。
(4) 乾燥・調整:
・ 着色粒の発生を防止するため、生籾は長期間放置せず、速やかに乾燥機に搬入する。
・ 収穫した籾は水分のバラツキが大きいので、夜間に乾燥機を停止して水分のバラツキを少なくし、翌朝乾燥を再開する二段乾燥を行う。
・ 玄米水分は15.5%を目標とする。
・ 籾すりは肌ずれや籾混入を防止するため、穀温が常温に低下するまで放冷してから行う。
・ 調整は、網目が1.9mmの米選機を用いる。米選機の流量は処理能力の範囲内に調整し、選別能力を落とさないように注意して作業を行い、整粒歩合と食味の向上を図る。

2. 直播栽培の当面する技術対策ポイント
1) 生育状況
 会津支場内の「ひとめぼれ(5月8日播種)」の出穂期は、昨年より4日早い8月11日で、移植栽培同様穂揃い期間が長い。現地の出穂期は、播種日によりバラツキが大きく、平坦部の「ひとめぼれ」で4月末から5月始め播種が8月1〜3日頃、5月中旬播種が8月14〜15日頃である。
2) 当面の技術対策
技術対策は基本的に移植栽培と同様である。しかし、直播栽培は移植栽培より登熟のバラツキが大きいので、圃場の平均的なところの籾の黄化状況をよく観察し、刈り取り時期を決定する。また、登熟が大幅に遅れている部分は刈分けする。
3) 次年度の対策
・ 穂いもちに罹病した圃場からは採種しない。
・ 生藁の鋤込みに当たっては、気温が低下すると藁の分解が遅れることから、早めに鋤込む。その時に土壌改良資材を施用し、土作りに努める。


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