水稲冷害研究チーム

98年福島県稲作指導情報<中通り版>


 なお,詳しい内容に関する問い合わせは福島県農業試験場にお願いいたします.

稲作情報(中通り版) 第4号

平成10年7月16日

福島の米稲作情報編集会議

1. 生育状況
1) 作況試験:草丈が平年並で、茎数は平年並からやや少ない。幼穂形成期は平年より2日程度早い。
2) 現地:草丈は平年並からやや長い。茎数は伊達、須賀川および白河地方で平年並から少ないが、他の地域では平年並からやや多い。生育の深度は概ね2〜4日程度進んでいる。全域で葉いもちの発生が認められるほか、一部山間地を除き葉色が低下している。

2. 移植栽培のポイント
1) アメダス資料による葉いもち感染好適条件の推定によると、周期的に感染好適条件および準感染好適条件が出現している。7月20日以降葉いもちが急増すると予想されているので防除に努める。
・ 葉いもちが発生している圃場では、7月25日までに散布剤(液剤、粉剤)による防除を実施する。さらに、その後の発生状況に応じて、7〜10日おきに防除を行う。
・ 降雨が続く場合には、雨間散布を励行する。
・ 予防粒剤(箱処理剤または水面施用剤)を施用した圃場や、航空防除の実施地域でも発生が認められたら、散布剤による追加防除を行う。
・ まだ発生が確認されていない地域でも、発生が認められたらすぐに防除できる体制を整える。
2) 穂いもち対象に粒剤を使用する場合は、剤に応じた所定の時期に湛水状態で施用し、4〜5日止水する。
3) 日平均気温が20度を下回る時は水深20cmを目標に深水管理を実施し、障害不稔の発生を防止する。
4) 土壌中のアンモニア態窒素の残存量が6月末以降1mg/100g乾燥土壌を下回っており、葉色も急激に低下している。そのため、コシヒカリについては、出穂前25日に上乗せする追肥体系も必要である。追肥を実施した場合、併せて穂いもちの防除を行う。

3. 直播栽培の技術ポイント
 草丈が長く、茎数も多い。倒伏防止のための生育制御、圃場の固化と葉いもちの防除に努めよう。
1) 湛水直播
(生育状況)
・ 場内の生育:茎数が多く、草丈が長い。幼穂形成始期はほぼ前年並みとみられる。
・ 現地の生育:一部に倒伏の懸念される圃場があるが、生育は概ね良好である。既にひとめぼれで幼穂形成が確認された圃場もあり、移植との生育差は3〜5日程度の遅れである。
(当面の技術対策)
・ 幼穂形成期前まで強い中干しを継続する。特に、播種深度が浅く根が土壌表面に露出している場合、草丈が長い場合、苗立ち数が多い場合は、圃場全面に亀裂が入る強い中干しを行うと共に、その後も圃場の固さを保ちながら間断灌漑を実施する。
・ 移植稲と同様に葉いもち防除を徹底する。穂いもちの防除にあたっては、生育ステージの遅れに注意して薬剤の散布を行う。
・ 幼穂形成期を確認した後、移植の生育診断に準じて追肥を施用する。ただし、圃場が軟弱な場合や播種深度が浅くて株元が安定しない圃場では、追肥を控える。
・ 前年多発した圃場や生育の遅れている圃場ではイネツトムシの防除を実施する。
2) 乾田直播
(生育状況)
・ 場内の生育:茎数がやや少ないが有効茎は確保される見込みである。
・ 現地の生育:一部に雑草の多い圃場があるが、生育は概ね良好である。移植との生育差は5日程度。
(当面の技術対策)
・ 間断灌漑を継続し、中干しは行わない。
・ 幼穂形成期を確認したら、葉いもち防除と併せて10a当たり2kgの窒素を追肥する。
・ いもち病、イネツトムシ防除については、湛水直播と同様である。

4. 大豆栽培のポイント
1) 大豆の追肥:5〜7葉期の最終培土前にLPコート70号による追肥を行う。施用量は窒素成分で0.6kg/aとし、施肥後は直ちに中耕培土を行う。最終培土時の追肥ができなかった場合は、開花期〜開花後10日頃までに硫安または尿素で窒素成分0.6kg/aの追肥を行う。この場合全面施用すると葉焼けを起こすため、株元施肥する。
2) 中耕培土:雑草防除・倒伏防止、湿害軽減のために中耕培土を行う。開花期以降の培土は根を傷めて収量を低下させるので、行わない。
3) 除草剤の施用:晩播無培土栽培では雑草防止のため、必ず茎葉処理剤を施用する。ただし広葉雑草には効果がないので注意する。


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