水稲冷害研究チーム

98年岩手県技術情報


 なお,詳しい内容に関する問い合わせは岩手県にお願いいたします.

農作物技術情報(水稲)第5号

平成10年6月20日

岩手県、同農作物気象災害防止対策本部

1. 水稲の生育概況
1) 6月15日現在の生育は、6月2日以降の連続的な低温・少照により停滞してきているものの、ほぼ平年並。
2) 草丈は県全体ではほぼ平年並。東南部ではやや短いものの、北部ではやや長くなっている。品種別では、ゆめさんさ・かけはしは平年より1cm前後長く、逆にあきたこまち・ひとめぼれ・ササニシキでは0.5cm前後短い。また、低温・日照不足により県下全般に葉色がやや淡く、軟弱な生育を示している。
3) 茎数は県全体で平年より14%多い。北上川上流・下閉伊では平年並程度だが、その他の地域では1割以上上回っている。また、すべての品種で平年を上回っており、特にひとめぼれで平年比131%となっている。
4) 葉数は県全体で平年より0.1葉多く、生育はほぼ平年並。下閉伊・北部ではやや平年を上回り、2日程度早くなっている。品種別でもほぼ平年並。

2. 生育状況等からみた今後の対策
6月15日現在の水稲の生育は平年並ですが、日照不足により、稲体が軟弱な生育を示しています。そのため、今後の気温の上昇に伴いいもち病の多発が懸念されますので、防除対策等に十分留意してください。
1) いもち病の防除
防除ミニ情報(平成10年6月10日付け、病害虫防除所発行)によると、本年は、取り置き苗内部で感染が繰り返されて、病斑が多数形成され、既にずり込み状態になっていうものもみられ、胞子も多数形成されています。また、本田では、育苗期感染苗の持ち込みによる葉いもちの発生もみられます。
特に県南部では取り置き苗のいもち病の発生割合が高くなっています。
2) 葉いもち防除対策
葉いもちは、最低気温の5日間の平均が16.5度を超えるとまもなく発生がみられ、日照不足により発生が助長されます。その対策としては、次のようになります。
・ 早急に取り置き苗を処分してください。
・ 葉いもち予防粒剤(水面、投げ込み施用剤)の施用時期は、本年は6月20日〜25日が適期です。曜日の関係で、次の土・日曜日(6月27日〜28日)まで遅らせてしまうことのないよう、適期内に施用してください。
・ 早期発見・早期防除に努めてください。取り置き苗でいもち病が確認された場合、いもち病の発生状況をよく観察し、もち発生がみられた場合、直ちに茎葉散布を行ってください。
・ また、移植時の箱施用剤(ウイン箱粒剤、DR.オリゼ箱粒剤)を施用した場合は、一般に葉いもち防除は不要です。本田をよく観察し、発生がみられた場合は、茎葉散布を実施してください。
3) 中干し、間断灌漑の実施
・ 中干しは、無効分げつの発生や下位節間の伸長を抑え、草姿を整えるとともに、透水性を与え、稲の根を健全にし、登熟を良好にする効果があります。
・ 中干し作業は有効茎(最終的な穂数と同じ)の確保後、幼穂形成期までの期間に行います。また、秋の収穫作業を計画的に進めるために、特に排水不良田などでは表面排水を進めるために溝切りをします。
・ 中干し終了後、幼穂形成期までは間断灌漑を行います。

次回の情報は7月5日に発行する予定です。


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