水稲冷害研究チーム
98年岩手県技術情報
なお,詳しい内容に関する問い合わせは岩手県にお願いいたします.
技術情報(水稲) 第6号
平成10年7月5日
岩手県、岩手県農作物気象災害防止対策本部
1. 概 況
1) 6月25日現在の水稲の生育は1日程度の遅れ、草丈はやや短く、多けつ(茎数が多い)で、やや軟弱な生育を示している。
2) 6月15日(前回調査日)以降、6月第4半旬は気温・日照時間とも平年をやや上回ったが、その後もまた低温・日照不足で経過している。
3) 草丈は県全体では平年よりやや短い(−0.7cm)。北上川上流・下流、東南部ではやや短いものの、下閉伊・北部ではやや長くなっている。品種別では、いずれの品種でも短いものの、かけはし、ゆめさんさは平年に近い草丈である。また、前回の調査と同様に、低温・日照不足により県下全般に軟弱な生育を示している。
4) 茎数は県全体で平年より13%多い(前回14%)。北上川上流・下流では5%程度上回っている。その他の地域では25%程度上回っている。また、いずれの品種でも平年を大きく上回っている。
5) 葉数は県全体で平年より0.1葉少なく、1日程度の遅れ。下閉伊・北部では、前回と同様に2日程度早くなっている。その他の地域では1日程度遅れている。品種別では、早生品種のかけはし・たかねみのりではほぼ平年並、ひとめぼれを含めたその他の品種ではやや遅れている。
2. 今後の対策
1) いもち病
発生予報第4号によると、いもち病の全般発生開始期は平年並(平年7月9日)とみられるが、県内全般にいもち病の発生量が多いと予想されていることから、今後の情報に注意するとともに、圃場における発生状況を良く観察し、見つけ次第防除を行う。箱施用の予防粒剤(ウイン箱粒剤、DRオリゼ箱粒剤)を使用した場合でも、発生がみられる場合は、直ちに茎葉散布を実施する。
2) 穂肥の適正化(追肥)
現在、水稲の葉色低下(稲体窒素濃度の低下)が、平年より遅い(1週間程度)ことから、追肥の重点を減数分裂期とし、減数分裂期前に葉色が低下した場合に基準量を上限として施用する。
その際、画一的な穂肥は避け、地域毎の生育・栄養診断結果と、圃場毎の観察に基づいて施用する。
3) 冷害回避のための深水管理
葉齢からみた現在の生育ステージはほぼ平年並とみられる。
深水管理で低温から幼穂を保護し、障害不稔を防止する。
特に、減数分裂期間に低温に関する予報(気温17度)がでた場合、常時湛水(水深10cm前後)で要水量を確保しながら低温時に速やかに足し水により15cm以上の深水を確保するよう努める。
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