水稲冷害研究チーム

98年岩手県技術情報


 なお,詳しい内容に関する問い合わせは岩手県にお願いいたします.

「水稲の低温対策について」普及資料

平成10年7月14日

岩手県農業研究センター専門技術員室

岩手県「水稲の低温対策について」普及資料

オホーツク海高気圧の影響で7月14日は沿岸北部を中心に気温の低い朝となりました。明日以降、この低温傾向は弱まる見込みですが、今後とも水稲の管理には十分な注意が必要です。
1. 7月14日深夜から明け方にかけて、沿岸北部を中心に冷え込み、最低気温が10度を下回るところがありました。
2. 沿岸北部においては、「かけはし」など早生品種で幼穂形成期を迎えていますが、この低温による影響は少ないものと思われます。
1) 沿岸北部での幼穂形成期は「たかねみのり」で7月17日前後、「かけはし」ではこれより数日早いものと予想されます。
2) 幼穂形成期を迎えた水稲の幼穂の高さは田面から2cm程度です。基本的な水管理を行っている圃場では、幼穂が灌漑水に保護されているため、低温による影響はほとんどないものと思われます。
3. 今後は、この低温傾向は弱まるものと予想されますが、引き続き気象経過に十分注意し、水管理及び施肥管理の徹底を図ってください。
1) 幼穂形成期からの水管理
幼穂形成期を迎えていますので、灌漑水の深さを4〜6cmとしてください。その後の7〜10日間、徐々に水深を深くし、減数分裂期までには10cm程度としてください。
2) 減数分裂期の水管理
減数分裂期中(出穂期の16〜7日前まで)は、天気予報に注意し、低温の恐れがある場合は水深を10cm程度、17度以下の低温が予想される場合は15cm以上としてください。
3) 追肥
地帯別・品種別追肥対応方針(別紙)により、施肥管理の徹底を図り安全稲作、良質米生産にこころがけてください。

(別紙)
1. 幼穂形成期追肥、減数分裂期追肥の対応方針
1) 北上川下流地帯(西和賀地域を除く)
・ ひとめぼれ、あきたこまち、ゆめさんさ:幼穂形成期追肥を基本とし、施肥量は慣行より減らし、10アール当たり1.5kgを上限とする。
・ ササニシキ:減数分裂期に同2kgの追肥を基本とする。
・ いずれの品種でも幼穂形成期のステージ確認と栄養診断を徹底し、いもち病の発生状況や減数分裂期の気象情報に注意し、幼穂形成期追肥の中止や減肥を検討する。
2) 北上川上流・東南部・西和賀地域
・ ひとめぼれ、あきたこまち、ゆめさんさ:幼穂形成期の追肥は中止し、葉色の低下を確認した上、減数分裂期に同2kgを上限とした追肥とする。
・ かけはし:幼穂形成期の追肥は中止し、葉色の低下を確認の上、減数分裂期に同1.5kgを上限とした追肥とする。
・ いずれの品種でも幼穂形成期のステージ確認と栄養診断を徹底し、いもち病の発生状況や減数分裂期の気象情報に注意し、幼穂形成期追肥の中止や減肥を検討する。高標高地では無追肥とする。
3) 下閉伊・北部地帯
・ いずれの品種でも葉色の低下を確認の上、減数分裂期に同1.5kgを上限とした追肥とする。ただし、北部地帯の沿岸地域や高標高地では無追肥とする。
・ 追肥にあたっては幼穂形成期のステージ確認と栄養診断を徹底し、いもち病の発生状況や減数分裂期の気象情報に注意し、幼穂形成期追肥の中止や減肥を検討する。

2. 幼穂形成期から減数分裂期にかけての水管理
幼穂形成期(出穂前23日頃)から幼穂がかくれる程度の深水で管理することによって、障害不稔を軽減することができます。この効果が現れる水温は圃場内水温(田面水温)で25度程度です。
1) 幼穂形成期前後
 幼穂形成期(出穂前23日頃)は常時、灌漑水の水深を4〜6cmとしてください。その後徐々に足し水を行い、減数分裂期初期(出穂前16日頃)までに水深を10cm以上としてください。
2) 減数分裂期間中
 同期間中(出穂16日前頃から7日前頃まで)は、天気予報に注意し、その後に少しでも低温の恐れがある場合は水深を10cm程度としてください。17度以下の低温が予想されるときは、15cm以上の深水としてください。ただし、水温が気温より低い場合は深水を避けてください。
なお、低温の恐れのない場合は、間断灌漑としてください。


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