水稲冷害研究チーム
98年岩手県技術情報
なお,詳しい内容に関する問い合わせは岩手県にお願いいたします.
農作物技術情報(水稲)第8号
平成10年8月5日
岩手県、岩手県農作物気象災害防止対策本文
1. 生育状況
1) 県全体の幼穂形成期は平年より3日程早かったものの、幼穂形成期間の低温とそれ以降の日照不足で、県全体での減数分裂期は平年並程度となり、7月第6半旬から8月第1半旬がピークと見込まれます。(減数分裂期については現在調査中)
2) かけはしについては、沿岸部を除き7月20日〜25日頃に減数分裂期を迎え、一部の圃場では7月末に出穂を始めた圃場もあります。また、かけはし、あきたこまちの一部で「白ふ」(籾の一部が退化して白化)が発生している圃場もあります。
3) 現時点での県全体の出穂期は平年並と見込まれますが、今後の日照不足・低温の程度によっては、平年より遅れることが予想されます。
2. いもちの発生状況と防除
1)「葉いもちが広く発生しています。穂いもちの防除は出穂直前、穂揃い期の薬剤散布に加えて、現在発生の目立つ圃場では、穂揃い1週間後の防除も実施する。穂いもちは直接被害に結びつくので、防除対策に万全を期す。
2)7月下旬から続いている曇雨天により、水稲の上位葉へのいもち病の感染が多いことが懸念されます。また、天気予報によると、今後もしばらく日照不足と低温が続き、降水量も多いことから、出穂期間が長引き、いもち病の感染に好適な条件が続く可能性があります。このことから、次の場合、出穂直前・穂揃い期の2回散布に加えて、穂揃い1週間後の追加防除を実施し、防除の徹底を図る。
・ 低温等で出穂が長引く場合
・ 出穂期に降雨が続く場合
・ 上位葉で葉いもちの発生が見られる場合
・ 籾いもちの発生が見られる場合
3. 登熟前半(出穂前後から落水期)の水管理
1) 8月前半は同化養分の蓄積とともに幼穂の伸長、出穂、開花受精の養分の転流等重要な時期で、水分を最も多く必要とする時期です。このため、減数分裂期から出穂・開花期までは湛水状態を基本とし、過度の間断灌漑はしない。
2) 開花受精終了後から落水期までは、一度に2〜5cm潅水(圃場条件で調整)して水を止め、作土が2日間程度空気にふれる程度のローテーションで間断灌漑を行い、作土を酸化状態に保ち根の活力維持に努める。
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