水稲冷害研究チーム

98年宮城県技術情報


 なお,詳しい内容に関する問い合わせは宮城県にお願いいたします.

稲作情報 第2号

平成10年6月11日

宮城県農業センター

1. 生育の経過
1) 農業センター・古川農試の生育状況
・ 農業センターではササニシキ、ひとめぼれとも生育はかなり進み、平年に比べ草丈130〜140%、茎数220〜275%、葉数0.8〜0.9多くなっている。
・ 古川農試の5月1日植えも同様に生育が進んだ。しかし、5月11日植えのササニシキの生育はやや緩慢である。
2) 地帯区分別生育状況
・ 県内水稲地帯区分別の生育状況をみると、すべての地帯で草丈、茎数、葉数とも前年・平年を上回っており、特に茎数の増加が著しい。
3) 分げつと茎数増加
田植え後は高温で経過したため活着も良く、1・2号分げつの発生は前5か年平均に比べ約1週間早まった。節位別では、1号分げつの発生率は50%、2号分げつは90%とそれほど高くないが、発生時期が早く、すでに3号分げつも60%発生し、茎数は大幅に増加している。
4) 稲体乾物重・窒素濃度
・ 農業センターおよび古川農試の乾物重、窒素吸収量とも前、平均値を大きく上回ったが、稲体窒素濃度は農業センターでは平年並、古川農試では平年を下回った。これは田植え以降の気象が順調で、活着・分げつが早まったためである。
・ 県内の生育調査結果も同様であり、県全体として窒素栄養も前・平年を大きく上回っている。

2. これからの栽培管理の要点
1) 中耕で根の活力維持
・ 稲わらを施用した水田では、気温の上昇とともにガスの発生が多くなり、根の活力を低下させるので時々落水したり、ガス抜きのための中耕を実施する。なお、中耕は抑草期間の長い初期除草剤を使用した水田では処理後20日以降に実施する。
2) 後期除草剤の散布は適正に
・ 雑草の発生が多く後期除草剤の使用を計画している水田では、適期を逸しないように散布する。
・ 後期除草剤は種類により落水処理など使用方法が異なる場合が多いので、使用基準を厳守する。
・ 使用時期が低温で、その後も低温が予想される時は散布を中止する。
3) 中干しは適期に
・ 有効茎確保時期は平年より早まる見込みであるが、必要な茎数が確保されたら速やかに中干しを行い、根の健全化に努める。中干しは7〜10日を目安とし、土の表面に軽く亀裂が入る程度まで行う。
・ 被覆肥料を使用した水田では溶出が抑えられるので、強い中干しはしない。
・ 水はけの悪い水田では溝切りを行い、中干し効果を高める。
4) 葉いもち
・ 補植用残り苗は直ちに処分し、葉いもち予防に努める。
・ 葉いもちの予防粒剤散布は、発病してからでは効果が劣るので6月13日〜20日の間に散布する。
・ 粉剤や液剤を使用する場合は、水田を良く見回り、葉いもちの発生が認められたら直ちに散布する。
5) イネドロオイムシ
・ 老齢幼虫密度が株当たり3頭(被害許容水準)以上の圃場では粉剤や水和剤を散布する。
・ 今後、低温等により発生期間が長引く場合は、追加散布が必要になることもある。
・ 一部の地域ではカーバメート系薬剤に対する抵抗性が確認されており、これらの薬剤を使用している場合は防除効果に十分注意する。
6) つなぎ肥は早めに
・ 本年は乾土効果は平年並からやや少ないと推定されているが、好天で地温の上昇が早く、生育も著しく旺盛であり、基肥窒素の消失時期も早まると予想される。
・ 普通化成やペースト肥料の側条施肥を行った圃場および基肥窒素の少ない水田では、葉色の低下が早まり、低下量も大きくなるので、天候の経過を見ながら窒素1kg/10a程度のつなぎ肥を早めに行う。

次回の発行予定:7月2日


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