水稲冷害研究チーム
1999年福島県稲作指導情報<会津版>
なお,詳しい内容に関する問い合わせは福島県農業試験場にお願いいたします.
稲作情報第5号
平成11年7月23日
福島の米稲作情報編集会議
<移植栽培の当面する対策技術のポイント>
1 生育状況
(1)試験場内の生育:草丈は平坦部、高冷地とも平年よりやや短い。茎数は平坦部のコシヒカリはやや少ないが、他品種は平坦部、高冷地とも平年より多目である。葉色は、ほぼ平年並である。幼穂形成始期は平坦部は2〜3日遅れ、高冷地はほぼ平年並である。
(2)現地の生育:草丈は並〜やや短く、茎数は並〜やや多い。コシヒカリはつなぎ肥の施用田も多い。
2 今後の生育予想
減数分裂期、出穂期は表3(省略)の様に予想される。平坦部の稈長は今後の気温が平年並であれば、平年並からやや短いと予測される。現地の出穂期は、ほぼ平年並と予想される。
3 当面の技術対策
(1)いもち病防除
葉いもちは全域で確認されている。7月3〜4半旬に好適感染日が多いので上位葉での発病が心配される。
@穂いもち防除に粒剤を用いる場合は、出穂10〜20日前までに湛水状態で施用する。
A散布剤での穂いもち防除は、穂ばらみ末期と穂揃期の防除を基本とし、多発が予想される場合は傾穂期の防除を追加する。
B既に葉いもちの発生が見られるほ場では散布剤での防除を徹底し、上位葉の発病を防ぐ。
C穂いもち予防粒剤を施用したほ場や、航空防除を実施した場合でも、上位葉に葉いもちの病斑が見られる場合は、散布剤での防除を追加する。
(2)追 肥 @コシヒカリの穂肥は生育量と葉色の診断により行う(第4号参照)。出穂前15日までカラースケール値で3.0を維持できないと予想される時は、早めの穂肥で対応する。また穂肥を施用する場合は、併せて葉いもち、穂いもちの防除を行う。
A出穂期以降の追肥は、穂いもちの増加や食味の低下を招くので施用しない。
(3)水管理 @根の健全化と作土の固さを保つため、出穂後30日間は間断灌漑を継続する。
A減数分裂期の最低気温が17℃以下になると予想される時は、15p以上の深水管理により幼穂を保護する。
(4)その他の病害虫防除
@カメムシ類の常発地や前年多発した地域では、畦畔の雑草を出穂10日前までに刈取り、防除基準に従い適期に防除する。
A紋枯病や稲こうじ病の常発地では防除基準に従い防除する。
<移植栽培の当面する対策技術のポイント>
1 生育状況
株間やほ場による出穂のバラツキは大きいと予想されるが、4月下旬〜5月上旬播きの直播水稲の出穂期は、作況試験(中苗・5月20日植)より3〜4日程度の遅れと予想される。
2 当面の技術対策
(1)いもち病防除 いもち病防除は移植栽培と同様の体系で行うが、穂いもち防除を行う場合には生育ステージを確認し、適期に防除する。
(2)穂 肥 穂肥施用は移植栽培に準じた診断基準で行う。移植栽培より倒伏し易いので時期と量を慎重に判断する。ほ場が軟弱な場合は特に注意する。
(3)水管理 直播ほ場は、移植ほ場よりも中干し時期が遅く雨が多かったため、中干しが不十分なほ場が多い。幼穂形成期以降は間断灌漑とするが、入水から入水までの間隔を移植ほ場よりも長目にして作土を固める。
(4)害虫防除 生育の遅れているほ場や葉色が濃いほ場では、イネツトムシの発生に注意し、発生を確認した場合は早急に防除する。
reigai@tnaes.affrc.go.jp