水稲冷害研究チーム

1999年福島県稲作指導情報<中通り版>


 なお,詳しい内容に関する問い合わせは福島県農業試験場にお願いいたします.

稲作情報 第1号

平成11年4月15日

福島の米稲作情報編集会議

1. 移植栽培の技術ポイント
(1)基肥は、気象変動に対応できるように、品種に合わせた量を施用し、極端な多肥は行わない。
(2)育苗管理は温度と潅水管理に注意を払い、徒長を防止して健苗を育成する。
(3)適期移植と適正な栽植密度および水管理で初期茎数の早期確保に努める。
@低温、強風条件下での移植は、活着不良や初期生育障害を引き起こすので避ける。
 A分げつの発生を促すため、活着後は2〜3cmの浅水管理とするが、低温や強風の日は深水にして稲体を保 護する。
(4)葉いもちの伝染源となる取り置き苗は、活着後直ちに処分する。
(5)雑草防除は、発生する雑草の種類に合った除草剤を選択して行う。また、使用量、使用時期を厳守する。
@除草剤散布後4〜5日間は湛水状態を維持し、散布直後の落水やかけ流しは絶対に行わない。
A前年アゼナ類が多発したほ場では、プレチラクロール、ビフェノックス、ナプロアニリド、カフェンスト ロールを含む剤の施用が有効である(防除基準参照)。 
(6)河川氾濫により土砂が堆積した水田の管理
@水路故障のため水の確保が心配されるほ場については、播種期を遅らせる。
A土砂が5〜6cm堆積した水田では、基肥窒素量を1.5〜2kg/10a程度減肥する。
B土砂堆積深の深い水田では、生育中後期の窒素供給量が増加するので、追肥は葉色の推移を見てから行う。

2. 直播栽培の技術ポイント

直播栽培実施ほ場は、鳥害を回避するためにできるだけ団地化をはかる。均一な出芽・苗立ちを確保する ために、ほ場の均平化に努める。

 A湛水直播
 (1)ほ場の準備
  @代かきは、練りすぎないようにする。このため、ほ場を耕起前に均平化する。播種時の表土の硬さは、播種方法によって異なるので、代かきから播種までの日数や落水の時期によって調節する。
Aほ場内の土壌硬度を均一にするために、排水路を形成して滞水部分ができないようにする。
 (2)播種
 出芽、生育促進のためにカルパー粉衣後播種前に加温処理を実施する。加温方法は、25℃2昼夜 または32℃1昼夜であるが、この間粉衣種子を乾燥させないように注意する。
(3)播種後の水管理
  @散播や土壌中条播方式のように覆土をした場合は、土壌の還元を防止するために出芽始めまで落水状態を保つ。
A播種前に排水路などを設置しなかった場合は、潅・排水管理を容易にするために、ほ場内に10m間隔程度に作溝を実施する。
B覆土をしない播種機を用いた場合は、播種後浅水管理を継続する。
(4)除草剤散布
落水や浅水期間の後、湛水して除草剤を散布する。散布時期が遅れるとノビエに対する効果が劣るので、ノビエの生育を観察して遅れないように注意する。表層剥離が発生した場合は、イネ3葉期以降にACN粒 剤を散布する。
 B乾田直播
 (1)ほ場の準備
@事前に圃場の均平化を図るとともに、湛水時の漏水を防止するために畦畔を整備しておく。
A耕起から播種・土壌処理剤散布までが1日で完結できるように作業体系を組み、耕起は砕土率70%以上を得るためにほ場が十分乾燥した時に行う。
B播種後の湿害を防止すると同時に、乾燥時の潅水を容易にするため、ほ場内に10m間隔で深さ10〜15cm程度の明きょを掘る。
(2)播種
事前に播種量に合わせて機械の繰り出し量を確認するとともに、播種深さを2〜3cmに調節する。
(3)除草剤散布
茎葉処理剤は、ノビエの葉齢が大きくなると効果が劣るので、遅れないように散布する。また、ノビエの 葉齢は播種後の積算気温で推定が可能である。

3. 麦・大豆栽培の技術ポイン
 (1)麦類
@生育は順調で、出穂期は平年より4〜5日程度早まる見込みである。
A降雨が断続的に続いているので、排水路の整備やうどんこ病および赤かび病等の防除を徹底する。
(2)大豆の作付準備
  大豆は種子の良否が収量・品質を大きく左右するため、必ず種子の更新を行う。
 播種適期は5月下旬から6月下旬となるが、栽植本数が少ないと収量が上がらないので、十分な播種量を確保する。また適正な基肥窒素量を施用する。
 大豆では生育初〜中期の湿害が減収の大きな要因となるため、特に転換畑では明きょ等による十分な 排水対策が必要である。





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