水稲冷害研究チーム

1999年福島県稲作指導情報<中通り版>


 なお,詳しい内容に関する問い合わせは福島県農業試験場にお願いいたします.

平成11年度   稲作情報

平成11年6月29日

福島の米稲作情報編集会議

1.移植栽培の技術ポイント
1) 直ちに中干しを開始して無効茎の抑制と根の健全化、地耐力の向上を図る。降雨のためにほ場の固化が不 十分な場合は作溝を実施する。中干しは幼穂形成期前までに終了し、その後の水管理は間断灌漑に移行する。
2) 葉いもちは、6月中旬以降感染に適した気象条件が出現していることから、7月上旬から発生が多くなると予想される。
@ 本田に放置してある補植用置き苗は、早急に土中に埋没処分する。
A 散布剤による体系防除を計画しているほ場では、7月上旬が防除適期と予想されていることから、ほ場をよく見回り、病斑が認められたら直ちに防除を実施する。
B 粒剤による葉いもち防除を実施したほ場でも、病斑が認められた場合は散布剤による防除を追加する。
3) 幼穂形成期は、平坦部、高冷地とも1〜2日程度早まると予想される。この時期に平均気温が20 ℃を下回ることが予想される場合には、前歴深水管理により障害不稔の発生を防止する。
4) 土壌中のアンモニア態窒素の残存量はやや少なめであるが、葉色は平年並である。穂肥は、生育診断に基 づいて施用する。窒素肥料の多用は、いもち病の多発や耐冷性の低下および玄米品質、食味の低下を 招くので避ける。
5)出穂前35〜40日を目安に10aあたり4kgのカリ成分を追肥し、稈質の改善、登熟の向上をはかる。

2.直播栽培の技術ポイント
A湛水直播
1) 生育の状況
場内の生育:草丈はやや長く、茎数発生が概ね順調であり、生育は昨年より2日程度早い。幼穂形成始期はひとめぼれで7月21日頃の見込みである。
  現地の生育:草丈はやや長く、茎数発生が概ね順調であり、 有効茎数は概ね確保された。         
2) 当面の技術対策
(1) 目標生育量が確保されたら強めの中干しを実施し、無効茎の抑制と土壌の固化によって倒伏の防止を図る。特に、播種深度が浅い場合や苗立ち数が多い場合には、幼穂形成期直前までほ場全面に亀裂が入る程度の強い中干しを行うとともに、その後もほ場の固化を進める水管理を継続する。
(2) 直播稲の生育量は、今後、出穂期にかけて著しく増大する。このため、窒素追肥は、幼穂形成期頃まで行わない。
(3) 幼穂形成期前後の水管理やカリの追肥は、移植栽培に準じて実施する。
(4) 移植稲に比べて葉齢の小さい直播稲は葉いもちに対する感受性が高いので、粒剤の予防散布を実施するとともにほ場を見回り、病斑の早期発見に努める。

B乾田直播
1) 生育の状況
場内の生育:草丈はやや長く、茎数発生が概ね順調であり、有効茎数は確保できる見込みである。
  現地の生育:昨年より出芽が遅れたが、その後の生育は順調であり、有効茎数は確保できる見込みである。

2) 当面の技術対策
(1) 間断潅漑を継続し、中干しは実施しない。
(2) 雑草の後発生が認められるほ場は、中、後期剤で対応する。
(3) 幼穂形成期前後の水管理や葉いもち防除、カリの追肥については、湛水直播栽培に準じて行う。



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