水稲冷害研究チーム
1997年宮城県「発生予察情報」
情報提供は宮城県病害虫防除所.詳細に関する問い合わせは企画指導課(TEL直通:022-275-8960, FAX:022-276-0429)にお願いいたします.
病害虫発生予報第5号(7月10日)
宮城県病害虫防除所
<概 要>
葉いもちの発生は平年並みと予想されますので、発生の推移に注意して下さい。イナゴはやや多い発生と予想されますので、発生が多いところでは畦畔際を防除して下さい。
- いもち病(葉いもち):発生時期は並み、発生量は並み。
- 予報の根拠
- 6月第6半旬から7月第1半旬の巡回調査の結果、県平均の発生地点率は平年より低かった。
- 県予察ほ(名取市高舘)における胞子飛散は、平年より4日早い7月4日に初捕捉が確認されているが、飛散数は少ない。
- アメダス資料による感染好適日の推定では、6月25日から28日及び7月5日から6日にかけて各地点で感染好適条件が出現した。
- 向こう1か月の平均気温、降水量は共に平年並みと予報されている。
- 防除上の注意事項
- 粒剤による葉いもち防除を実施した地域では、7月中旬以降は薬剤効果が低下する時期なので、発生が認められる場合は茎葉散布剤(粉剤、水和剤等)による防除を実施する。
- 航空防除等の共同防除地域では、発生状況に注意し、散布間隔が長くなる場合は補完防除を実施する。
- 日間の低温に遭遇した後や追肥後の稲体は、いもち病抵抗力が低下するので発生推移に注意する。
- いもちの上位葉(止葉、次葉)発病は穂いもちの伝染源になるので、出穂前の防除を徹底する。
- いもち防除に粒剤を施用する場合は、適期防除に努める。
- 紋 枯 病:発生時期はやや遅い、発生量は少ない
- 予報の根拠
- 6月第6半旬から7月第1半旬の巡回調査の結果、発生は確認されなかった。
- 月1日現在、水稲の茎数は平年並みである。
- 年の発生量から、伝染源量は少ないと推測される。
- 病は、高温・多湿(多雨)条件で発病が助長されるが、向こう1か月の平均気温、降水量は共に平年並みと予報されている。
- 防除上の注意事項
- 月中の発生が少なくとも、気象条件(高温、多湿)によっては出穂期以降急激に病勢進展することがあるので発生推移に注意する。
- 除適期は、紋枯病の病斑が第4葉鞘に進展してきたころ(通常の場合、穂ばらみ期から出穂期)である。
- 防除要否の目安は、穂ばらみ期の発病株率が早生・中生種15%程度以上、晩生種20%程度以上とする。
- 前年多発したほ場や多発が予想される気象の場合(登熟期に降雨が多い)、穂揃期に2回目の防除を行う。
- 稲こうじ病:発生量はやや少ない。
- 予報の根拠
- 年の発生から、伝染源量はやや少ないと推察される。
- こうじ病は、出穂20日前から出穂期の間に降雨日数が多いと多発する傾向にあるが、向こう1か月の降水量、日照時間は共に平年並みと予報されている。
- 防除上の注意事項
- 含有剤(Zボルドー、撒粉ボルドー等)の防除適期は出穂前20日から10日なので、遅れないように実施する。
- スミンボルドー、カッパーシン水和剤の防除適期は出穂前20日から10日であるが、その際、使用濃度が高いと薬害が発生するので、希釈倍数(2000倍)を厳守する。
- フラン含有剤(ラブサイドベフランなど)は、出穂前10日前後が防除適期であり、適期幅が比較的狭いので散布時期に注意する。
- 発すると品質のほかに収量にも影響するので、前年発生したところやその周辺の水田では防除を実施する。
- 年晩生種(みやこがねもち等)や多肥田で発生が目立つ傾向があるので、これらの水田では確実に防除を実施する。
- ツマグロヨコバイ:発生時期はやや早い、発生量は並み。
- 予報の根拠
- 育零点を13.0度とした有効積算温量はやや多めに経過している。
- 月第6半旬から7月第1半旬のすくい取り調査の結果、成虫が中心であり、全般的に密度はやや低かったが、一部の地域でやや高い発生が見られた。
- こう1か月の平均気温は平年並みと予報されている。
- 防除上の注意事項
- 生の多いところでは、防除効果を高めるために広域的防除に努める。
- 使用薬剤は薬剤抵抗性の発生を防ぐため、有機りん剤やカーバメート剤の単剤はなるべく避け、有機りん剤とカーバメート剤の混合剤またはアプロード剤とカーバメート剤の混合剤を使用する。
- ヒメトビウンカ:発生量は並み
- 予報の根拠
- 月第6半旬から7月第1半旬のすくい取りの結果、全般的に密度は平年と同様に低かった。
- こう1か月の平均気温は平年並みと予報されている。
- 防除上の注意事項
吸汁害が発生するまでには至らず、ツマグロヨコバイとの同時防除が可能であり、本種のみを対象とした防除は必要ない見込みである。
- カメムシ類:発生量はやや少ない。
- 予報の根拠
6月第6半旬から7月第1半旬のすくい取り調査の結果、畦畔及び水田周辺の雑草地におけるカメムシ類の発生密度は平年よりやや低かった。
- 防除上の注意事項
カメムシ類は水田周辺の牧草地や、水路、道路法面、河川堤防の出穂している雑草、飼料作物(イタリアンライグラス等)で増殖するので、これらの雑草、牧草を早めに刈り取る。
- イナゴ(コバネイナゴ):発生量はやや多い。
- 予報の根拠
- 近年多発傾向が続いており、前年の発生量は多かった。
- 6月第6半旬から7月第1半旬の本田及び畦畔のすくい取り調査の結果、本田での密度はやや低いが、畦畔での密度はやや高かった。
- 防除上の注意事項
- 発生の多いところでは早めに畦畔際に薬剤を散布するとともに、防除効果を高めるため広域的防除に努める。
- フナックバッサ粉剤DLの使用期間は、収穫45日前まで(ただし出穂前まで)、オフナック乳剤は、収穫60日前までなので、散布時期に注意する。
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