水稲冷害研究チーム
98年岩手県「発生予察情報」
なお,詳しい内容に関する問い合わせは岩手県病害虫防除所(TEL.0196-88-4477)にお願いいたします.
発生予報 第4号
平成10年6月29日
岩手県病害虫防除所
1. いもち病:全般発生開始期は平年並(平年7月9日)、発生量はやや多い。
1) 予報の根拠
・ 6月26日現在、いもち病の感染好適条件は現れていない。
・ 取り置き苗での発生率は平年並であった。しかし、平年より病斑が多数形成されており、取り置き苗や本田持ち込みから2次感染したと思われる本田発病が、平年より8日早い6月12日に確認された。
・ 水稲の生育はやや遅れており軟弱である。
・ 葉いもちの予防粒剤の施用率は平年並。
・ 7月の気温、降水量は平年並の予報。
2) 防除のポイント
・ 葉いもちの予防粒剤(箱施用、水面・投げ込み施用剤)を施用しなかった場合、全般発生開始期に関する情報により、一斉防除を開始する。また全般発生開始期前でも圃場をよく観察し、発生を確認したら直ちに茎葉散布を行う。
・ 葉いもちの予防粒剤を施用した場合、特に7月下旬以降の発生に注意し、圃場をよく観察し、発生を確認したら直ちに茎葉散布を行う。
・ 水面・投げ込み施用剤の施用時期が遅かった圃場、ビームガゼット粒剤を施用した圃場、取り置き苗で発生が確認された圃場では、7月上旬以降の発生に注意し、発生を確認したら直ちに茎葉散布を実施する。
・ 穂いもち対象に粒剤を施用する場合、生育状況に注し、防除時期を失しないようにする。なお、葉いもちの発病がみられたところでは、粒剤施用の前に茎葉散布剤で防除を行う。
・ 防除時期:出穂20〜10日前 フジワン粒剤4kg/10a、キタジンP粒剤 5kg/10a
・ 防除時期:出穂20〜5日前 コラトップ粒剤5・フジトップ粒剤 4kg/10a、コラトップパック 50g x 13個/10a
2. 紋枯病:発生時期は平年並、発生量は平年並。
1) 予報の根拠
・ 前年の発生量はやや少なかった。
・ 7月の気温、降水量は平年並の予報。
2) 防除のポイント
・ 茎葉散布の場合:防除適期は出穂7日前〜直前。穂ばらみ期〜出穂期の発病株率が早生種で15%、晩生種20%以上を防除の目安とする。
・ 粒剤施用の場合:防除適期は出穂25〜15日前(モンカット粒剤 4kg/10a)、出穂30〜5日前(リンバー粒剤 4kg/10a)
3. ばか苗病:発生量はやや少ない
1) 予報の根拠
・ 育苗期の発生は全般に少なかった。
2) 防除のポイント
・ 次年度の伝染源となるので、発病茎(徒長茎、枯死茎)はすぐに抜き取って土中に埋める。放置すると、そこから胞子が飛散するので必ず土中に埋める。
4. 稲こうじ病:発生量は平年並
1) 予報の根拠
・ 前年の発生量は平年並であった。
・ 7月の気温、降水量は平年並の予報。
2) 防除のポイント
・ 前年、多発した圃場では銅粉剤またはその混合剤(いもち病との同時防除)を使用し茎葉散布を行う。防除適期は出穂20〜10日前。
5. カメムシ類:発生時期はやや早い、発生量はやや少ない
1) 予報の根拠
・ 予察灯における越冬世代成虫の誘殺時期はやや早い。
・ 6月第3半旬のすくい取り調査では発生量はやや少ない。
・ 7月の気温、降水量は平年並の予報。
2) 防除のポイント
・ 出穂2週間前までに畦畔や土手などの雑草を地域で一斉に刈り取る。
・ 水田周辺の転作牧草(イタリアンライグラス等)は7月下旬(開花期)までに刈り取る。
6. イナゴ類:発生時期はやや早い、発生量はやや少ない
1) 予報の根拠
・ 6月第3半旬のすくい取り調査では、ふ化時期はやや早い。
・ 前年の発生量はやや少なかった。
・ 7月の気温、降水量は平年並の予報。
2) 防除のポイント
・ 幼虫が多発している場合には、ふ化盛期から水田内部に侵入する前、遅くとも7月中旬までに畦畔を中心に畦畔際2〜3mの水田に薬剤を散布する。また、移動性が高いため、個々で防除すると移入する場合があるので、地域で一斉に防除するようにする。
・ 防除薬剤:オフナック乳剤・粉剤DL、スミバッサ粉剤20、エルサンバッサ粉剤20DLを使用し、粉剤では3kg/10a、乳剤では1000倍液 120-150リットル/10a。
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