水稲冷害研究チーム
98年宮城県「発生予察情報」
なお,詳しい内容に関する問い合わせは宮城県病害虫防除所企画指導課(TEL.022-275-8960, FAX.022-276-0429)にお願いいたします.
発生予報第10号
平成10年3月19日
宮城県病害虫防除所
1. ばか苗病(育苗期):発生量少ない
1) 予報の根拠
(1) 前年の本田における発生は少なかった。
(2) ベノミル耐性菌の発生割合は依然として高いが、ベノミル耐性菌にも効果のある薬剤が県内のほとんどの地域で使用されている。
2) 防除上の注意事項
(1) 塩水選は、適正な比重で確実に実施する。
(2) 高濃度短時間消毒法及び低濃度長時間消毒法は、種籾と薬液の容量比を1:1以上(種籾が薬液に十分に浸る量)とする。
(3) 高濃度短時間消毒法において反復使用する場合は、毎回種籾を浸漬する前に薬液をよく攪拌し、種籾に薬液が十分ゆきわたるようによく振とうする。また、低濃度長時間消毒法では、同一薬液の使用回数は1回とする。
(4) 発病苗は抜き取り、処分する。
(5) ベンレートT水和剤は、生育抑制を生ずる場合があるので、薬量を厳守する。
(6) ベンレートT水和剤20で種子消毒を行う場合、10度以下にならないようにする。
2. いもち病(育苗期):発生量並(平年並に少ない)
1) 予報の根拠
(1) 前年の穂いもちの発生は少なく、種子の保菌率は低いと考えられる。
(2) 3か月予報では、4月の気温は平年並と予報されている。
2) 防除上の注意事項
(1) 塩水選は、適正な比重で確実に実施する。
(2) 箱育苗では、播種時の覆土を十分行い、種籾が露出しないようにする。
(3) 育苗施設の周辺及び施設内には、伝染源となる稲わらや籾殻などを置かない。
(4) 発生した場合は、発病苗は処分するとともに育苗施設内部の苗に薬剤散布を行う。
(5) 育苗期間が長引くと葉いもちが発生しやすくなるので、移植適期の葉齢に達した苗は早めに移植する。
3. 細菌性苗腐敗症(もみ枯細菌病、苗立枯細菌病):発生量並
1) 予報の根拠
(1) 出穂期後の天候は、気温がやや低く、降水量が少なく経過した。
(2) 3か月予報では、4月の気温は平年並と予報されている。
(3) シャワー循環式催芽器の普及率が高い。
2) 防除上の注意事項
(1) 塩水選は、適正な比重で確実に実施する。
(2) スターナ水和剤を使用する場合は、ばか苗病、いもち病、ごま葉枯病用の種子消毒剤と併用する。
(3) テクリードCフロアブルを使用する場合は、高濃度短時間消毒法とする。また、生育抑制を生ずる場合があるので、薬量を厳守する。
(4) 催芽にシャワー循環式催芽器を使用する場合は、催芽温度、催芽時間を厳守する。ただし、シャワー循環式催芽器の使用は発生を助長するので、箱施用剤(フタバロン粉剤、カスミン粉剤等)による防除を必ず実施する。また、種子消毒剤(スターナ水和剤、テクリードCフロアブル)による防除を実施しても、シャワー循環式催芽器を使用すると、効果が低下する場合があるので、箱施用剤による防除を併用する。
(5) 薬剤による予防防除を実施したところでも、出芽時の高温(30度以上)や多湿は発病を助長するので適正に管理する。
(6) 緑化期以降の高温多湿(保温資材のかけすぎ、床土水分過多など)は、感染・発病を助長するので避ける。
(7) 床土は適正な酸度(pH4.5〜5.5)のものを使用する。
(8) プール育苗では、発生が抑制される傾向にある。
(9) フタバロン粉剤は、生育遅延、根上がりを生ずる場合があるので、薬量を厳守するとともに覆土、潅水を十分に行う。
(10) カスミン液剤は、播種プラント用散布装置を使用する。
4. 苗立枯病:発生量並
1) 予報の根拠
(1) 無加温出芽育苗法が多い。
(2) 3か月予報では、4月の気温は平年並と予報されている。
2) 防除上の注意事項
(1) 発生してからの防除では効果が低いので、予防防除に努める。
(2) 床土のpHが高い場合はピシウム属菌及びフザリウム属菌が、低い場合はトリコデルマ属菌が発生しやすくなるので、適正なpH(4.5〜5.0)のものを使用する。
(3) 出芽時の高温はリゾプス属菌の発生を助長するので、適正な温度管理に努める。
(4) 育苗期間中に極端な低温に遭うと、フザリウム属菌及びピシウム属菌が発生しやすくなるので、適正な温度管理に努めるとともに、低温に遭遇した場合は予防的にタチガレン液剤を潅注する。
(5) ダコニール水和剤とタチガレン液剤との混用または近接潅注(3日以内)は、薬害を生ずる場合があるので避ける。
(6) 被覆資材については、適正なものを使用する。特に、無加温出芽を行う場合は、出芽に適した資材を用いる。
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