水稲冷害研究チーム

98年山形県「発生予察情報」


 なお,詳しい内容に関する問い合わせは山形県病害虫防除所(TEL.0236-44-4241)にお願いいたします.

発生予報 第2号

平成10年4月23日

山形県病害虫防除所

本文:
1. 苗立枯病(フザリウム、ピシウム、リゾプス、トリコデルマ):発生量はやや少ない
1) 予報の根拠
・ 床土の消毒及び播種時の防除が徹底してきており近年少発生傾向にある。
・ 5月中旬までの気温は平年並の可能性が大きいと見込まれている。
2) 防除上注意すべき事項
・ 育苗中の極端な高温や低温は発病を助長するので適正な温度管理に努める。また、床土が乾燥したり、過湿になったり水管理が適切でないと発生が多くなるので適正な水管理に努める。
・ 育苗初期に低温が続くとフザリウム、ピシウムの発生を助長するので、播種10日後頃にタチガレン液剤500倍液を1箱当たり500ml潅注して予防する。なお、播種前から播種時にタチガレエース液を使用していない場合、タチガレエース液剤を使用してもよい。

2. 苗立枯細菌病、もみ枯細菌病
育苗期間中の高温、多湿条件下で発生が助長されるので、温度管理、水管理に注意する。なお、発病苗は直ちに処分する。

3. ばか苗病
育苗箱、本田ともに発病をみた場合は見つけしだい抜き取り、土中埋没などの処分をする。

4. 葉いもち
早期の葉いもち発生を防止するため、下記の事項に注意する。
・ 籾殻、稲わら等は、苗の葉いもちの伝染源になるので、置床や育苗資材に使わないとともに、苗代周辺に放置しない。
・ 育苗期に葉いもちが発生した場合、本田での発生につながるので見つけしだい防除する。
・ 薬剤の箱施用を行う場合は、下記のいずれかの薬剤を移植前に使用する。








葉いもちの防除
使用薬剤 施用量 使用方法及び注意事項
オリゼメート粒剤 箱当たり30g オリゼメート粒剤は移植3日前に、他は移植当日に均一に散布し、茎葉に付着した薬剤が落下する程度に潅水する。
Dr.オリゼ箱粒剤
ウイン箱粒剤
箱当たり50g オリゼメート粒剤は移植3日前に、他は移植当日に均一に散布し、茎葉に付着した薬剤が落下する程度に潅水する。
オリゼメートオンコル粒剤
ビームガゼット粒剤55
ビームアドマイヤー粒剤
オリゼメートプリンス粒剤
ビームプリンス粒剤
ウインアドマイヤー箱粒剤
箱当たり50g 移植当日に均一に散布し、茎葉に付着した薬剤が落下する程度に潅水する。なお、左記の剤は殺虫剤との混合剤で、対象害虫の種類がそれぞれ異なるので必要に応じて剤を選択する。








5. イネミズゾウムシ:発生時期は早い、発生量は平年並
1) 予報の根拠
・ 前年の発生は各地で広くみられたが、全般に発生密度は低かった。
・ イネミズゾウムシの水田飛来時期予測(アメダス資料)によると、成虫の飛来盛期は早いとされている。
2) 防除上注意すべき事項
・ 本田での防除は、内陸では5月25日〜6月5日、庄内では5月下旬頃に行う。
・ 防除の目安は上記の時期に水田中央部までよく観察し、成虫が稚苗移植では50株当たり25頭以上、中苗移植では35頭以上の場合に行う。

6. イネドロオイムシ(イネクビホソハムシ):発生時期は早い、発生量は内陸では平年並、庄内ではやや多い
1) 予報の根拠
・ 前年の発生は内陸では平年並、庄内ではやや多かった。
・ 3月以降平年より気温の高い日が続いている。
2) 防除上注意すべき事項
・ 前年多発したところでは移植当日に粒剤の育苗箱施用を行う。なお、サンサイド粒剤3,オンコル粒剤5,ガゼット粒剤の薬剤の効果が低下している圃場では他の薬剤に替えて防除する。

7. イネヒメハモグリバエ
前年の発生量は平年並であった。本田初期に低温が続くと発生が多くなるので、今後の気象経過に注意する。なお、深水で発生が多くなるので水管理に注意する。

8. ツマグロヨコバイ
前年の発生量は少なく、発生地域も限られていた。越冬後の幼虫は内陸では確認されたが密度は全般に低く、庄内では確認されていない。
なお、前年の多発生地点での越冬後密度はやや高かったので、前年の発生の多かったところでは今後の発生動向に注意する。


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