水稲冷害研究チーム
2000年岩手県「発生予察情報」
なお,詳しい内容に関する問い合わせは岩手県病害虫防除所(TEL.0196-88-4477)にお願いいたします.
発生予報第1号
平成12年3月14日
岩手県病害虫防除所
1.細菌病(もみ枯細菌病・苗立枯病):発生量・感染量は並み
<予報の根拠>
・昨年の出穂・開花期は曇雨天の日がほとんどなく、感染が少なかったと考えられる。
・4月の気温は平年並みの見込みであるが、天気は周期的に変わる見込み。
2.苗立ち枯れ(ムレ菌含む):発生量・感染量は並み
<予報の根拠>
・近年、温度管理の不十分なところなどで発生しているものの、効果の高い薬剤の使用により少発傾向にある。
・4月の気温は平年並みの見込みであるが、天気は周期的に変わる見込み。
3.ばか苗病:発生量・感染量は少ない
<予報の根拠>
・種子更新率の向上およびEBI剤の普及などにより、近年少発傾向にある。
・前年度の本田での発生は少なかった。
4.いもち病:発生量・感染量はやや少ない
<予報の根拠>
・前年の穂いもちの発生が少なかったことから、罹病わら・籾殻等の伝染源は少ないと考えられる。
・4月の気温は平年並みの見込みである。
【防除対策】
1.防除のポイント
@育苗に使用する機械が正常に作動するかどうか確認する。特に温度計のチェックは必ず行う。
A育苗器具・資材をよく洗い、作業場を清潔に保つ。
B育苗期病害の共通対策として育苗基本技術に従う。特に、細菌病対策を重点に以下の耕種的防除に努める。
・育苗用土のpHは5.0〜5.5とする。
・塩水選は必ず行う。
・浸種・催芽・出芽は品種毎に行う。
・浸種は一般に10〜15度、10〜7日とし、積算温度100〜120度日を目途に十分水漬けをする。また、浸種の際は種籾1に対して水1.2〜2とする。ただし、必要以上の温度・時間をかけない。
・シャワー循環式催芽器は細菌の増殖・二次感染を助長するので催芽のみの使用とし、浸種は別の容器で行う。
・催芽・出芽温度は30度とする。
・播種量は稚苗150〜180g/箱・乾燥籾、中苗100〜120g/箱・乾燥籾とし、厚まきはしない。
・緑化期以降、育苗ハウス等の開閉をこまめに行い、5度以下の低温、25度以上の高温にしない。
・過度の灌水にならないように注意する。
C必要な薬剤防除は必ず実施し、発生を予防する。
D育苗施設周辺の環境を整備し、稲わら・籾殻をハウス内や周辺に置かない。特に常発地や前年穂いもちが多発した地域においては、特に注意する。
○細菌病類
例年、催芽・出芽温度が高いなど不適切な管理が原因で多発させているところが多いので、薬剤防除に加え耕種的防除につとめる。
・細菌病は適切な育苗管理が防除手段として最も重要なので、温度・水管理等、育苗基本技術を厳守する。
・薬剤防除を行う(防除体系は省略)
○苗立ち枯れ
・苗立ち枯れは発生後の防除が困難なので、必ず予報対策をとる。
・適切な育苗管理が重要な防除対策となるので、特に低温になった場合の保温資材の確保等、万全の対策を講じる。
○ばか苗病
・種子消毒は正しい処理方法で行う。
・ベノミル耐性ばか苗病菌が全県的に認められるので、種子消毒はEBI剤を使用する。
・発病苗は見つけしだい抜き取り、土中に埋めるか焼却処分する。
○いもち病
例年、苗いもちや育苗期に感染したと思われる苗が原因となって、早期から葉いもちが発生する圃場がみられるので、このようなところや前年多発したところでは育苗期の感染防止対策として育苗期防除を実施する。
(苗いもち)
・塩水選後、種子消毒を必ず行う。
・播種の際、籾が露出していると苗いもちの発生が助長されるので、覆土は適正に行う。
(育苗期・葉いもち)
・育苗施設やその付近に、籾殻・稲わらなどの伝染源を放置しない。
・過度の被覆などで過湿に管理すると、発病を助長するので注意する。
・例年早期発生するところでは、育苗期防除を実施する。
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