水稲生育情報


平成8年産水稲の作付け面積及び予想収穫量(東北) (10月15日現在)

要 旨
1.東北における平成8年産水稲の10月15日現在の予想収穫量は、280万7,000tと見込まれる。

2.東北における平成8年産水稲の子実用作付面積は、50万2,900haとなり、前年に比べて3万5,100ha(6.5%)減少した。 

3.東北における10月15日現在の作柄は、9月中旬以降日照時間が平年より多く、適度な気温の日較差と降雨に恵まれ、登熟が良好であったことから10a当たり収量は558kgが見込まれ作況指数103の「やや良」となった。


表1 平成8年度水稲予想収穫量(10月15日現在)
区 分 作付面積 10a当たり収量 予想収穫量 作況指数 10a当たり平年収量
  ha kg t   kg
東 北 502900 558 2807000 103 543
           
  青 森 64700 589 381100 102 576
  岩 手 70500 519 365900 101 512
  宮 城 94200 521 490800 103 508
  秋 田 105500 581 613000 102 570
  山 形 80500 596 479800 102 583
  福 島 87500 544 476000 106 512


解 説
1.作付面積
作付面積は、50万2,900haで、前年に比べて3万5,100ha(6.5%)減少した。
これは、新生産調整推進対策における転作面積の増加により水稲から不作付地、飼肥料作物、豆類・野菜等へ転換されたためである。

2.作柄状況
(1)生育状況
生育は、5月の低温の影響により田植えの遅れや活着不良から遅れていたが、その後天候が回復したためやや回復を見せた。6月中旬以降は、低気圧や梅雨前線の影響により低温・寡照で経過したため生育は緩慢となり、7月15日現在の生育は「やや不良」となった。
その後周期的な気温の低下はあったもののおおむね順調に経過したが、初期生育の後れや8月上旬の低温・寡照の影響を受けた県もあったことから出穂最盛期は、東北平均で平年に比べて1日遅い8月12日となった。

(2)1u当たり有効穂数
1u当たり有効穂数は、初期生育の遅れや日照不足により茎数がやや少なかったことと、稲体が軟弱で弱小茎の枯れ上がりがやや多く見られたことから、宮城県では少なく、秋田県、山形県及び福島県ではやや少なく、青森県及び岩手県では平年並みとなった。この結果、東北平均では平年に比べてやや少なくなった。

(3)1穂当たりもみ数
1穂当たりもみ数は、幼穂形成期の日照不足や稲体の充実不足等の影響から、青森県、岩手県及び福島県ではやや少なく、宮城県及び秋田県では平年並み、山形県では少なくなった。この結果、東北平均では平年に比べてやや少なくなった。

(4)1u当たり全もみ数
1u当たり全もみ数は、有効穂数及び1穂当たりもみ数がやや少なかったことから、東北平均ではやや少なくなった。

(5)登熟状況
稔実が、出穂・開花期の8月上旬後半から中旬にかけて天候に恵まれたことから平年に比べてやや良かったものの、8月下旬から9月中旬前半まで低温傾向に経過したため登熟は緩慢となり、刈取りの遅い地域では登熟不良が懸念された。しかし、9月中旬以降は気温が平年並みからやや高めに推移し、日照時間及び気温の日較差も平年を上回った。
このような気象経過から、登熟期前半の低温時の登熟停滞はむしろ稲体の活力を十分蓄える結果となり、登熟期後半の気象経過から登熟は徐々に進み、粒の肥大・充実は良好となった。さらに、穂いもちや倒状の被害も少なく順調に推移した。
この結果、登熟は各県とも平年をかなり上回り、東北平均では良が見込まれる。

(6)被害
葉いもちの発生が6月中旬以降に確認されたが、防除の徹底と天候の回復により穂いもちへの移行が少なかったことや、台風等による被害が少なかったことから、東北平均では平年に比べてやや少なくなっている。

(7)刈取り状況
刈取り最盛期は、生育の後れや登熟期間が平年より長かったことなどから稲体の枯れ上がりが遅く、平年に比べて2日、前年に比べて4日遅い10月8日となった。

(8)作柄
以上のことから10月15日現在の作柄は、1u当たり全もみ数が少なかったものの登熟が良好であったため、東北平均では10a当たり収量558kgが見込まれ、作況指数103の「やや良」となった。
各県別に見ると、青森県、秋田県及び山形県が作況指数(以下同じ。)102、宮城県が103の「やや良」、福島県が106の「良」、岩手県が101の「平年並み」となった。

表2 平成8年産水稲の各県主要品種別作柄
産 地 品 種 作 柄
     
青 森 むつほまれ 平年並み
  むつかおり やや良
  つがるおとめ やや良
     
岩 手 ひとめぼれ やや良
  あきたこまち 平年並み
  ササニシキ やや良
     
宮 城 ひとめぼれ やや良
  ササニシキ やや良
     
秋 田 あきたこまち やや良
  ササニシキ やや良
     
山 形 はえぬき 平年並み
  どまんなか やや良
  ササニシキ
  はなの舞 平年並み
     
福 島 コシヒカリ
  ひとめぼれ
  初 星
  ササニシキ



表3 平成8年度水稲の作柄表示地帯別作柄概況(東北農政局発表,10月15日現在)
    10月15日現在 作況指数の 9月15日現在 8月15日現在 作付面積 10a当たり収量 刈り取り
    作況指数 前回からの増減 作況指数 作況指数 ha kg 最盛期
                 
東北 計(平均)   103 5 98 99 502,900 558 10/08
                 
青森県 計(平均) 102 4 98 100 64,700 589 10/10
  青森 101 3 98 99 5,380 556 10/12
  津軽 103 4 99 101 36,500 635 10/09
  南部 99 2 97 98 21,800 529 10/12
  下北 98 4 94 98 1,030 424 10/10
                 
岩手県 計(平均) 101 4 97 99 70,500 519 10/11
  北上川上流 102 5 97 99 18,000 549 10/13
  北上川下流 102 5 97 99 43,300 519 10/10
  東南部 103 6 97 99 3,910 496 10/11
  下閉伊 98 3 95 98 1,180 419 10/07
  北部 95 1 94 98 4,090 442 10/12
                 
宮城県 計(平均) 103 5 98 98 94,200 521 10/10
  南部 101 4 97 99 10,000 501 10/05
  中部 102 3 99 99 18,600 504 10/06
  北部 103 5 98 98 53,600 531 10/10
  東部 102 6 96 96 11,900 524 10/13
                 
秋田県 計(平均) 102 5 97 95 105,500 581 10/06
  県北 103 6 97 96 24,900 566 10/09
  県中央 102 6 96 93 36,900 578 10/06
  県南 102 3 99 97 43,700 592 10/03
                 
山形県 計(平均) 102 4 98 99 80,500 596 10/03
  村山 102 4 98 100 19,500 593 10/05
  最上 104 3 101 101 12,700 573 10/02
  置賜 103 3 100 102 17,300 593 10/03
  庄内 102 6 96 97 31,000 609 10/02
                 
福島県 計(平均) 106 4 102 102 87,500 544 10/08
  中通り 108 5 103 103 44,600 535 10/10
  浜通り 105 3 102 104 19,200 506 10/07
  会津 105 5 100 100 23,700 592 10/05

 
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