○農業生産の技術指針について


○農業生産の技術指針について

 本技術指針は,平成9年3月24日付けで東北農政局長から管内6県知事あてに発出された通達のうち,水稲に関係する部分を抜粋掲載したものです.

東北の稲作は,平成7年は日本海側を中心とした日照不足の影響,平成8年は移植期の低温,分げつ中期以降の低温,日照不足の影響を受ける等気象変動による影響が大きくなっている.
本年の稲作に当たっては,これらの経緯を踏まえ,気象変動に対応した適切な栽培技術を励行すべく,地域ごとに稲作技術及び指導体制等の再点検を行うとともに,特に以下の事項に留意する.
なお,「東北地域水稲安定生産推進連絡協議会」(平成6年4月設置)による「水稲早期警戒システム」の充実強化を図ることとしているので,一層の協力をお願いする.

(1)技術指導体制
地域における水利用体制,防除体制を再確認するとともに,地域の気象情報.病害虫発生予察,生育診断予測情報等を速やかに農家へ提供する等,迅速な技術指導体制の強化に努める.

(2)品種
適地適品種の作付けに留意するとともに,特定品種への過度の作付け集中が見られる地区では,バランスのとれた品種構成となるよう,その適正化に努める.
なお,本年産から新品種を作付けする地域に対しては,栽培マニュアルの策定等により技術指導の徹底を図る.

(3)育苗
4〜5月の天候は周期的に変わると予想されており,近年,寒暖の変動が大きい天候が現れていることから,育苗期間の気象の推移に即応したきめ細かな温度.湿度管理に十分注意し,健全育苗に努める.
特に,種子消毒の前に塩水選を必ず行い,充実不良な種籾を除くとともに,種子消毒後の残液.廃液については,周囲の環境に配慮し,適正な処理を徹底する.
また,昨年葉いもちが発生した地域においては,育苗箱施用剤による防除を徹底する.

(4)移植
初期生育を確保するため,強風,低温時の移植を控え,温暖な日に移植作業を行うよう気象情報を含めた適期移植の指導徹底を図るとともに,中山間地域においては活着促進のための温水チューブ,調製水田を利用した温水田の活用等により水温上昇を図る.

(5)水管理
6〜7月にはオホーツク海高気圧が一時強まると予想されることから,気象変動に対応した昼間止水.夜間かんがいを基本とするとともに,「異常気象時における水稲の水管理の徹底について」(平成7年4月21日付け7北生第473号東北農政局長通達)に従い,前歴深水かんがい.危険期深水かんがいの平常時及び非常時の実施体制を整備する.
また,深水かんがいを実施するための畦畔の水漏れ防止,用水路等の整備を予め行うとともに,調整水田を利用した温水田の活用等による水温上昇に努める.なお,水持ちの良い水田や地力が高く施肥量の多い水田等においては,土壌還元の防止と根の健全化及び無効分けつの抑制を図るため,作溝と併せ,中干しを確実に実施する.

(6)防除
病害虫防除においては,発生予察情報に基づく適期防除に努めるとともに,防除薬剤並びに除草剤の使用に当たっては,安全使用基準を遵守し,環境への影響に配慮する.
また,6〜7月は曇りや雨の日が多いと予想されていることから,いもち病の多発が懸念されるので,余剰となった補植用苗の処分の徹底を図るとともに,常発地や昨年発生した地域においては予防粒剤の施用を指導する.

(7)施肥
品種の特性,土壌の種類により必要に応じて施肥基準の見直しを行うとともに,ほ場の乾燥状態にも留意しつつ,気象の推移に対応した施肥調整を行い得るような基肥量とし,土壌診断,生育診断,気象の推移等に基づいた適期.適量の追肥を行う.
また,緩効性肥料については,品種や土壌条件に応じた肥効タイプ.施肥量の適正化,適切な追肥の実施に努める.

(8)直播
は種,施肥,雑草防除,水管理等において,移植栽培とは異なる技術が必要となるため,行政,普及,試験研究,関係団体等も含めた支援体制を整備強化するとともに,地域の気象条件,土壌条件等に応じた直播方式,品種等を選定する.特に,寒冷地である東北地域においては,出穂晩限の制約があることから,品種はできる限り直播適性の高い早生品種を主体に選定し,塩水選の確実な実施により発芽勢の優れた種子を確保する.
低温時のは種は,出芽率の低下を招くことから極力避けるとともに,出芽.苗立ち数の確保のための適切な水管理により初期生育の促進に努める.
用水については,周辺の移植ほ場と用水の必要時期が異なることから,事前に土地改良区等との調整により必要量の確保に努める.
除草剤の選定.使用については,特に指導の徹底を図り,雑草の発生状況に留意しつつ適期.適条件で散布するよう努め,散布後は一定期間湛水状態とする. 鳥害の多い地域にあっては,営巣場所,河川等から極力離れたほ場を選定するとともに,団地化を図るよう努める.

 
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