2011年仙台管区気象台発表予報

2月24日発表暖候期予報


 本情報は仙台管区気象台発表の暖候期予報内容をお知らせします.


○2月24日発表 東北地方暖候期予報(3月から8月までの天候見通し)
<予想される夏(6月から8月)の天候>
 夏(6月から8月)の出現の可能性が最も大きい天候と、特徴のある気温、降水量等の確率は以下のとおりです。
 6月から7月は、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。その後は、平年と同様に晴れの日が多い見込みです。
 なお、5月までの予報については、最新の3か月予報等をご覧下さい。

<夏(6月から8月)の気温、降水量の各階級の確率(%)>
【気  温】東北地方
【降 水 量】東北地方
凡例:低い(少ない)平年並高い(多い)
<梅雨の時期(6月から7月)の降水量の各階級の確率(%)>
【降 水 量】東北地方
凡例:少ない平年並多い

1.夏(6月から8月)の予報
 6 月から7 月は、平年と同様に曇りや雨の日が多いでしょう。その後は、平年と同様に晴れの日が多い見込みです。気温、降水量、梅雨の時期(6〜7 月)の降水量は、各階級の確率の偏りは小さい。
 なお、3 月24 日と4 月25 日発表の3か月予報に合わせて予報内容を再検討し、変更がある場合には修正発表します。

2.予報の根拠 2.1 数値予報による海洋と大気の流れの予想 (1)熱帯域の海洋の予想  現在ラニーニャ現象が発生しているが、春に終息に向かう見込み。夏平均海面水温はエルニーニョ監視海域の海面水温が平年より高い予想となっているが、春にラニーニャ現象が終息に向かうときの夏の同海域の海面水温の予測は特に不確定性が大きいため、同海域の海面水温は高くなる可能性があるものの平年程度となる可能性が最も大きいとみる。また、フィリピンの東の海面水温は平年をやや上回るものと予想されている。
 海面水温偏差に対応し、フィリピンの東では対流活動(積乱雲の発生・発達など)が平年よりやや活発となり、日本付近への太平洋高気圧の張り出しを平年程度に強める方向に働くものとみられる。なお、熱帯の対流活動からはチベット高気圧の日本付近への張り出しについては、明らかな特徴はみられない。

(2)大気の予想
 500hPa 高度 (左図)は、北半球全体でおおむね正偏差で、近年の温暖化等を反映しているものとみられる。海面気圧は、太平洋高気圧の日本付近への張り出しをほぼ平年程度とみる。ただし、盛夏期に太平洋高気圧の北日本への張り出しが平年より弱くなり、前線の影響を受けやすくなる可能性がある。オホーツク海高気圧は夏を通して平年程度出現し、東北太平洋側では低温となる時期がある。

2.2 熱帯の大気・海洋と日本の天候〔フィリピン付近の対流活動〕
 夏のアジアモンスーンのうち、東南アジアのモンスーンの活動度を監視するため、フィリピン付近からフィリピンの東海上にかけての領域の対流活動の強さを指数化(以下CI2 と略記)している。CI2 は正のときフィリピン付近で対流活動が活発であり、負のとき不活発であることを意味する。フィリピン付近の対流活動と日本付近の太平洋高気圧の強まりとは相関があり、対流活動が活発なときは、日本付近で太平洋高気圧が強まる傾向がある。
 CI2 は北日本から東日本にかけての夏平均気温や夏合計日照時間と有意な正の相関がある。図は、夏平均CI2 と北日本の夏平均気温の経年変化で、両者とも同じような変動をしている。CI2 は熱帯域の海面水温変動と関連して変動しており、インド洋熱帯域の海面水温が高いときにCI2 は負の値(対流活動は不活発)となる傾向がある。2010 年はCI2がゼロ程度だったが、北日本は顕著な高温になった(CI2 は夏の前半は低指数だったが、北日本は顕著な高温だった)。
 この夏のCI2 は平年程度と予想される。
夏平均CI2 と北日本の夏平均気温

2.3 最近の夏(6〜8 月)の天候
 東北地方の最近10 年の天候の特徴を下表に示す。

2001年以降の東北地方の夏(6〜8月)の天候の特徴
平均気温
平年差℃
降水量
平年比%
日照時間
平年比%
夏の特徴
20010.2(0)101(0)95(0)7 月高温8 月低温 東北北部は梅雨明け特定しない
20020.2(0)136(+)92(-)多雨寡照 7 月記録的大雨 台風第6 号・第7 号上陸
2003-1.3(--)118(+)65(--)記録的な冷夏 東北南部・東北北部とも梅雨明け特定しない
20040.9(+)96(0)115(+)高温多照 梅雨末期の豪雨(平成16 年新潟・福島豪雨など) 台風6 個上陸
20050.7(+)100(0)90(-)高温寡照 7 月低温 遅い梅雨入り・梅雨明け
20060.3(0)94(0)86(-)7 月低温8 月高温 7 月記録的な寡照 遅い梅雨明け 東北北部少雨
20070.5(+)98(0)107(0)7 月低温 6 月8 月高温 遅い梅雨入り・梅雨明け
20080.0(0)117(+)89(-)7 月高温 8 月低温 平成20 年8 月末豪雨 遅い梅雨入り・梅雨明け
2009-0.1(0)114(+)78(--)寡照 6 月高温 8 月低温 早い梅雨入り 東北南部・北部とも梅雨明け特定しない
20102.3(++)98(0)108(+)記録的な高温

++:かなり高い(多い) +:高い(多い) 0:平年並 -:低い(少ない) --:かなり低い(少ない)

2.4 夏(6〜8 月)の気温と降水量の経年変化
 東北地方の夏(6〜8 月)の平均気温は、1970 年代後半以降、年々の変動が大きい。最近は平年並か高温で経過しているが、2003 年の記録的な低温、2010 年の記録的な高温など、極端な気温も現れている。

東北地方の夏(6〜8月)の平均気温平年差の推移

 東北地方の6〜7 月の2 か月間降水量(概ね梅雨の時期の降水量に相当)は、1990 年代後半から平年並か多雨の年が多いが、2006 年と2007 年は東北北部で少雨、2008 年は東北南部で少雨となっている。

東北地方の6〜7月の2か月間降水量(概ね梅雨期間の降水量に相当)平年比の推移

3.まとめ
 ラニーニャ現象は春に終息に向かうと考えられ、大気の流れに影響を及ぼす熱帯の対流活動(積乱雲の発生・発達)は平年の状態から極端に偏る可能性は低い。太平洋高気圧の勢力に影響するフィリピン付近の対流活動も平年程度と見込まれる。
 太平洋高気圧の日本付近への張り出し、チベット高気圧の勢力、オホーツク海高気圧の動向は平年程度と見込む。東北太平洋側ではオホーツク海高気圧の影響で低温となる時期もある。
 なお、盛夏期には太平洋高気圧の北日本への張り出しが平年より弱くなり、前線の影響を受けやすくなる可能性がある。
 東北地方のこの夏(6〜8 月)の気温は、平年から大きく偏った傾向は見られない。地球温暖化などの影響による近年の高温傾向を考慮し、平年より高い確率を40%とした。盛夏期に前線の影響を受けやすい可能性があり、平年より低い確率を30%とした。
 東北地方の夏(6〜8 月)の降水量は、平年から大きく偏った傾向は見られない。盛夏期に前線の影響を受けやすい可能性があり、平年より多い確率を40%とした。
 梅雨の時期(6〜7 月)の降水量は、6〜7 月は平年と同様の天候が見込まれ、平年並の確率を40%とした。

4.平年値について
 今回の予報は1971〜2000 年のデータから計算した従来通りの平年値を使っている。1981〜2010年のデータをもとに計算した新しい平年値は、5 月中頃発表の予報から使用を開始する予定である。

 
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