2012年仙台管区気象台発表予報

9月25日発表寒候期予報


 本情報は仙台管区気象台発表の暖候期予報内容をお知らせします.


○9月25日発表 東北地方寒候期予報(10月から2月までの天候見通し)
<予想される冬(12月から2月)の天候>
 冬(12月から2月)の出現の可能性が最も大きい天候と、特徴のある気温、降水量等の確率は以下のとおりです。
 東北日本海側では、平年と同様に曇りや雪または雨の日が多く、東北太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。
 なお、12月までの各月の予報については、最新の3か月予報等をご覧下さい。

<冬(12月から2月)の気温、降水量、降雪量の各階級の確率(%)>
【気  温】東北地方
【降 水 量】東北地方
【降 雪 量】東北日本海側
凡例:低い(少ない)平年並高い(多い)

1.冬(12月から2月)の予報
 東北日本海側では、平年と同様に曇りや雪または雨の日が多く、東北太平洋側では、平年と同様に晴れの日が多いでしょう。
 なお、12月までの各月の予報については、最新の3か月予報等をご覧下さい。
 寒候期予報については、10月の3か月予報[毎月25日頃発表]に合わせて予報内容を再検討し、変更がある場合には修正発表します。また、11月の3か月予報発表以降、冬の予報については、最新の3か月予報等をご利用下さい。

2.予報の根拠
2.1 数値予報による海洋と大気の流れの予想
(1)熱帯域の海洋の予想
 冬平均海面水温は、太平洋中部から東部の赤道域で平年より高く、この夏に発生したエルニーニョ現象が持続する可能性が高い。

(2)大気の予想
 熱帯の対流活動は、エルニーニョ現象時の特徴を示し、太平洋中部の赤道域で平年より活発となり、インドネシア付近では不活発となる。これを反映し、亜熱帯ジェット気流はインドシナ半島の北で南に蛇行し、日本の南で北へ向かう流れとなり、東日本以西では暖気が流入しやすい。
 500hPa 高度は、極東域の中緯度帯は広く負偏差となり、中緯度帯に寒気が南下しやすいパターンが予想されているが、北極振動の指数はゼロに近い予想である。中緯度帯への寒気の影響の予想は不確定性が大きく、東北地方への寒気の影響は平年程度と見込む。
 海面気圧は、冬型の気圧配置の強弱に影響するアリューシャン低気圧は、平年より南東側の北太平洋の東部で発達しやすい。日本の東は弱い負偏差となる予想であるが、極東域の中緯度帯は広く一様に負偏差となり、冬型の気圧配置の強さは平年と同様と見込む。

2.2 北極振動〔寒気の動向〕
 冬(12〜2 月)の北半球循環場において最も卓越するパターンは極地方に大きな振幅と、中緯度のヨーロッパ、北米東部、極東域から太平洋北部に反対符号の大きな振幅を持っており、北極振動(北極圏と中緯度帯の間の気圧場の南北振動のことで、北極の寒気が蓄積と放出を交互に繰り返す変動を示す)と呼ばれるパターンに類似している。この指数が正の値の場合、日本など中緯度の高度は正偏差となり、寒気が南下しにくい。逆に負の値のときは寒気が南下しやすい。
 この指数の変動は日本の冬の気温と相関関係がある。指数が大きな正の値となった1980 年代終わりから1990 年代前半は極端な暖冬が続いた。1990 年代後半以降は変動が小さくなった。2000 年代後半から指数の変動は大きくなっているが、2010 年や2012 年は北日本への寒気の南下とは対応していなかった。
 この冬の予想はゼロ付近で、中緯度帯への寒気の南下は平年程度と見込む。
冬の北半球の大気の流れの卓越パターンの強さを示す指数の経年変化

2.3 最近の東北地方の冬(12〜2 月)の天候の特徴
 東北地方の最近10 年の天候の特徴を下表に示す。

東北地方平均気温
平年差℃
東北日本海側降雪量
平年比%
東北地方の冬(12〜2 月)の天候の特徴
2002/03-0.4( -)98( 0)寒冬 12 月低温 東北日本海側前半多雪後半少雪
04 1.1(++) 82( -)暖冬 少雪
05 0.1( 0)110( +)    多雪 12 月高温2 月低温
06 -1.1( -)111( +)寒冬 (前半低温、後半気温変動大) 平成18 年豪雪
07 1.5(++) 33(--)暖冬 少雪
08 -0.2( 0) 78( -)    少雪 寡照
09 1.0( +) 66(--)暖冬 少雪(但し、降水量は多い)
100.3( 0) 79( -)    気温変動大 少雪 東北太平洋側寡照
110.2( 0) 93( 0)    気温変動大 12 月多雨 1 月低温東北日本海側多雪
12 -1.4( 0)102( 0)寒冬 3 か月連続の低温
平年差と平年比の()内は階級で、かなり高いとかなり多いを(++)、高いと多いを( +)、平年並を( 0)、低いと
少ないを( -)、かなり低いとかなり少ないを(--)で表す。平年値は1981〜2010 年の30 年平均値。

2.4 冬(12〜2 月)の気温と降雪量の経年変化
 東北地方の冬(12〜2 月)の平均気温は、1980 年代中頃までは平年を下回ることが多かった。1980 年代終わりから1990 年代前半にかけては平年を大きく上回ったが、その後は次第に下がり、2000 年代は年々の変動が大きくなっており、昨冬は最近10 年間では最も低かった。

東北地方の冬(12〜2 月)の平均気温平年差の推移

 東北日本海側の冬(12〜2 月)の降雪量は、1970 年代から1980 年代は平年並から多い傾向だが年々の変動が大きかった。1990 年代以降は平年に近い値で推移していたが、2006/07 年は記録的な少雪となり2010/11 年までの4 年間少雪が続いた。一昨冬、昨冬と最近2 年間は平年並の降雪量となった。

東北日本海側の冬(12〜2 月)の降雪量平年比の推移

2.5 エルニーニョ現象発生時の冬(12〜2 月)の気温
 東日本以西で高い傾向があるが、東北地方を含む北日本では高い低いの傾向がない。

エルニーニョ現象発生時の冬(12〜2 月)の気温

3.まとめ
 この夏に発生したエルニーニョ現象が持続する可能性が高く、東日本以西には暖気が流入しやすいが、東北地方まで暖気が流入しやすくはならない見込み。北極振動の影響を受けやすい東北地方では、不確定性は大きいが、寒気の影響を平年程度と見込む。アリューシャン低気圧は平年より発達しやすいが、冬型の気圧配置の強さは平年と同様となる見込み。
 なお、冬の天候に少なからぬ影響を与える北極振動の動向については、今後も注意深く監視し、季節予報に反映していく。

3.1 東北地方の冬(12〜2 月)の気温
 寒気の影響を平年程度と見込み、平年並の確率を40%とした。北極振動の予想は難しく、不確定性は大きい。

3.2 東北地方の冬(12〜2 月)の降水量
 冬型の気圧配置の強さは平年と同様と見込み、平年並の確率を40%とした。エルニーニョ現象の影響で東日本以西の太平洋側では多雨傾向あるいはやや多雨傾向の予報であり、南岸低気圧の影響を受けると予想される。東北太平洋側も南岸低気圧の影響を受ける可能性はあり、不確定性は大きい。

3.3 東北日本海側の冬(12〜2 月)の降雪量
 冬型の気圧配置の強さは平年と同様と見込み、平年並の確率を40%とした。昨冬はユーラシア大陸上で偏西風の蛇行が大きく、シベリア高気圧が強まりやすい大気の流れとなり、冬型の気圧配置が強くなった。中高緯度の偏西風の蛇行の予想は難しく、降雪量が多い可能性もあり、不確定性は大きい。
 
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