図説:東北の稲作と冷害

塩水選


種籾は胚が充分に成熟した健全な発芽力をもつことが必要である。胚乳はよく充実して重いことが望ましい。そのために塩水選を行う。

塩水選

  1. 籾の大小と苗の生育
     苗の生長ははじめ胚乳中の貯蔵養分に依存することから、貯蔵養分の多少によって苗の生長が異なるであろうことは容易に想像できる。  それを裏付けるために、浸種籾大(100粒重 3.61g)、中(同 3.50g)、小(同 3.25g)に区分して、播種後41日目に苗の生育状況を調べた(下図参照)。
    籾の大小と苗の生長の関係

     このように、籾が大きく貯蔵養分が多いものは、草丈、葉数、根数とも大で、生長が旺盛なことが分かる。良い苗をつくるためには、貯蔵養分が多く、できるだけ稔実の良い大きな種子を選ばなければならない。

  2. 塩水選
     稔実の良い種子を選ぶために、普通比重によって選別する種子の塩水選が行われている。この理由は、稔実籾と"しいな籾"との区分は籾殻と玄米との空間の大小によるもので、稔実の悪い種子ほどこの空間が多い。したがって、稔実籾と"しいな籾"とは、塩水選で比重1.06で沈むものは稔実籾、浮くものは"しいな籾"として容易に選別される。
     一般に行われている塩水選は次表に示すように、水に所定の食塩を入れ、ボーメ比重計で測って確認をする。浮かんだ軽い種籾を取り除き、稔実の良い種籾を得る。

    表 塩水選に使う塩水の比重と濃さ
    種籾の種類比重水18リットルに加える食塩の量(g)
    粳(無芒)1.134,500
    粳(有芒)1.103,000
    1.082,250
<参考資料>
・木戸三夫(1967):「種子の診断」『最新稲作診断法』農業技術協会.107-120.
・星川清親(1980):『新編食用作物』.養賢堂.114頁.

 
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