NARO 農研機構 国立研究開発法人 農業・食品産業技術総合研究機構

図説:東北の稲作と冷害

平成8年産米の東北6県別作付品種


東北地域に作付されている主要品種とその動向を概説する。

平成8年産米の東北6県別作付品種

 東北地域は米の生産量が約280万トンに及び、全国の生産量の約28%を占める米の生産拠点である。また日本穀物検定協会が昭和46年産米から実施している食味ランキングによると、平成8年産米について208産地品種の食味試験を行なった結果、基準米(滋賀県湖南産日本晴)よりも特に食味の良好な“特A”は全国で15産地品種、そのうち8産地品種が東北産のものとなっている。このように東北地域は良質米の生産地としても知られている。
 全国ではいろいろな品種が作られているが、平成8年度水稲(うるち米)の上位5品種をみると、第1位「コシヒカリ」(作付面積:535千888ヘクタール、作付割合30.6%)、第2位「あきたこまち」(同:130千434ヘクタール、同:7.4%)、第3位「ひとめぼれ」(同:124千996ヘクタール、同:7.1%)、第4位「ヒノヒカリ」(同:112千908ヘクタール、同6.4%)、第5位「きらら397」(同:92千694ヘクタール、同5.3%)となっている。東北産の「あきたこまち」と「ひとめぼれ」が第2,3位を占めている。
ここでは県別品種別の平成8年度作付面積割合と動向を紹介する。
青森県の主要作付品種 青森県(図1参照):基幹品種は「むつほまれ」「つがるおとめ」「むつかおり」「あきたこまち」「まいひめ」である。「むつほまれ」が約74%を占め、平成元年から9年連続首位にある。「あきたこまち」が平成8年度に上位5品種に新たに登場した。平成9年度の作付予想によると、「つがるおとめ」「むつかおり」は、県のオリジナル新品種「つがるロマン」に作付転換が段階的に行なわ、作付面積を減らす見込み。
岩手県の主要作付品種 岩手県(図2参照):基幹品種は「ひとめぼれ」「あきたこまち」「ササニシキ」「たかねみのり」「ゆめさんさ」である。「ひとめぼれ」が約44%を占め、首位にある。平成7年は、県のオリジナル品種「かけはし」が第5位に、平成8年は「ゆめさんさ」が第5位となった。岩手県南の「ひとめぼれ」は過去3年間“特A”に評価されている。平成9年度の作付見込みによると、「たかねみのり」は「かけはし」へ作付転換が進み減少し、第5位「ゆめさんさ」、第6位「かけはし」はいずれも2.7千ヘクタールの作付見込み。
宮城県の主要作付品種 宮城県(図3参照):基幹品種は「ひとめぼれ」「ササニシキ」「ササニシキBL」「コシヒカリ」「こころまち」である。「ひとめぼれ」が約53%を占め、平成6年から首位の座にある。平成7年に第5位にあった「トヨニシキ」が平成8年に上位5位から下がり、新たに「コシヒカリ」が第4位に上がってきた。宮城県北の「ひとめぼれ」は過去3年間“特A”に、また県中の「ひとめぼれ」は平成8年に“特A”に評価されている。平成9年作付予測によると、「ササニシキ」は、収量・品質も良好であった前年の作柄等を反映して横ばい、特に「ササニシキBL」は、県の作付誘導もあり増加する見込み。
秋田県の主要作付品種 秋田県(図4参照):基幹品種は「あきたこまち」「ササニシキ」「キヨニシキ」「ひとめぼれ」である。「あきたこまち」は約81%を占め、首位にある。平成7年に第4位にあった「あきた39」は、平成8年には「ひとめぼれ」と置き換わった。県南と県北の「あきたこまち」は過去3年“特A”に評価されている。平成9年の作付予想によると、「ひとめぼれ」が第3位、「でわひかり」「キヨニシキ」が第4,5位となる見込み。
山形県(図5参照):基幹品種は「はえぬき」「どまんなか」「ササニシキ」「あきたこまち」「ひとめぼれ」である。県のオリジナル品種「はえぬき」「どまんなか」が約59%を占める。平成7年に第4位であった「はなの舞い」が平成8年には「ひとめぼれ」に置き換わった。内陸の「はえぬき」は過去3年“特A”に、また庄内の「はえぬき」も平成8年に“特A”に評価されている。平成9年の作付予想によると、「ササニシキ」が第2位に、「どまんなか」が第3位になる見込み。
福島県の主要作付品種 福島県(図6参照):基幹品種は「コシヒカリ」「ひとめぼれ」「初星」「ササニシキ」「チヨニシキ」である。「コシヒカリ」は昭和63年から首位に上り、以後徐々に作付け面積を増やし、平成8年には約46%を占めるに至った。上位5品種の順位は平成7と8年で変化ない。会津の「コシヒカリ」は過去3年“特A”に評価されている。平成9年の作付予想によると、上位5品種の順位は不変であり、「コシヒカリ」の作付がさらに増える見込み。
東北地域の主要作付品種 最後に、東北全体としてみると(図7参照)、第1位は「あきたこまち」で23.2%、第2位は「ひとめぼれ」で22.5%、第3位は「ササニシキ」で13.7%、第4位は「むつほまれ」で9.2%、第5位は「コシヒカリ」で8.7%となる。
(参考資料:食糧庁「米穀の品種別作付状況」と各県の食糧事務所発表の平成9年産米の主要品種作付見込み。)
 
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