図説:東北の稲作と冷害

品種解説:「まいひめ」


本品種の耐冷性は「むつほまれ」並みかそれ以上に強い。名前の意味は、“まるでわが子(姫)を育てるようにして作った米であり、その姫が踊っている優雅さ”を表現する。

品種解説:「まいひめ」

1.来歴の概要
 中生の多収系統「青系89号」(後の「むつほまれ」)を母とし、早生の晩で耐冷性が強く、良食味の「ふ系130号」を父として、1984年に青森県農業試験場藤坂支場で交配された。1990年に「ふ系159号」の系統名が付けられ、1992年に水稲農林319号として登録された。

2.形態的特性
・ 稈 長:「むつほまれ」並みかやや短い。
・ 穂 長:「むつほまれ」並みかやや長い。
・ 穂 数:「むつほまれ」並みかやや少ない、短稈、偏穂重型の粳種である(下図参照)。
・ 粒 大:「むつほまれ」よりやや大きい。
・ 千粒重:「むつほまれ」並みである。

「まいひめ」の特徴

3.生態的特性
・ 出穂期・成熟期:「むつほまれ」より1,2日早く、育成地では“中生の早”である。
・ 収量性:「むつほまれ」並みに高い(上図参照)。
・ 耐倒伏性:「むつほまれ」並みかそれ以上に強い。
・ 葉いもち抵抗性:「むつほまれ」並みである。
・ 穂いもち抵抗性:「むつほまれ」並みである。
・ 耐冷性:「むつほまれ」並みかそれ以上に強い。
・ 穂発芽性:「むつほまれ」より発芽し難い。

特 性まいひめむつほまれアキヒカリ
耐冷性やや弱
耐倒伏性
葉いもち抵抗性やや強やや強やや強
穂いもち抵抗性やや強やや強やや強
穂発芽性やや難

4.品質・食味特性
・ 玄米は光沢があり、腹白、心白の発現が少ない。
・ 玄米の外観品質は「むつほまれ」並みかやや良好である。
・ 食味は「むつほまれ」よりやや優り、良好である。

5.適地等
・ 寒冷地北部平坦地、その他寒冷地の平坦地から山間地および関東以西の山間冷涼地に適する。

6.栽培上の注意
・ 穂数が確保しにくいので、健苗育成や株数を確保するとともに本田の水管理にも十分注意して初期生育の確保に努める。
・ 耐冷性は強いが、低温時には深水灌漑を行って幼穂を保護する。
・ いもち病抵抗性は“やや強”であるが、基準防除を励行する。
・ 白葉枯病抵抗性は“やや弱”なので、常発地での作付けは避ける。


<参考資料>
 農林水産省農林水産技術会議事務局(平成5年7月):平成5年農林水産省育成農作物新品種(夏作物・園芸作物)。

 
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