図説:東北の稲作と冷害

三陸沖の海面水温を気象衛星からみる


古くから三陸沖の海水温が夏期の異常低温に関係することが知られていた。その海面水温分布図を気象衛星NOAAのデータを用いて作成し、日々提供しているホームページを紹介する。

 気象衛星NOAAのデータから三陸沖の海面水温分布図(親潮と黒潮の様子)を主として漁業関係者に提供しているのは、岩手県水産技術センターのホームページ(http://www.suigi.pref.iwate.jp/ 下図)である。
岩手県水産技術センター
 東北地方近海の海流は極めて錯綜している。特に、三陸沖は3種の海流があって、これらの海流の消長は東北地方の気候にも影響して、夏期の凶冷的気候(異常低温)の原因となるともいわれている。(図説『東北地方における海況』参照)。
親潮の動向が特に注目される。千島海流ともいわれ、千島付近より北海道南方に流れ、東北地方の東方沖で津軽海流と黒潮に接触するが、その海表面の位置は季節的にもまた年によっても異なる。黒潮に接触した親潮は密度の関係で、黒潮の下層に潜り込んで南進を続ける。親潮の温度は表面では、3,4月に最低となり三陸沖では3℃程度、8月末に最高になり20℃程度になる。
 この東北地方に冷害をもたらすような夏期には水温は低いが、水温が低い場合には必ず気温も低いとは限らない。三陸沖水温は東北地方の夏期低温の重要な指針ではあるが、気温は水温だけでは予測できない。

 上のホームページは、地球観測衛星データの行政における利用促進を図るため、衛星データを利用した行政システムを NASDA(宇宙開発事業団) と地方自治体とが共同開発するものです。岩手県では 漁業支援 に衛星データを利用することとし、海表面温度・クロロフィルa量・河川流域の土地利用変化 などの衛星画像情報と、既存の水産情報システムから得られる定置ブイ情報・市場水揚情報等の数値情報を組み合わせて、漁業関係者に配信するシステムを構築している。なお、本システムの開発にあたっては、岩手大学リモートセンシングデータ解析室(横山研究室)の協力を得ている。
 三陸海域の海面水温を見るには、「複数日合成水温画像」をクリックすると、次のような画像が表示される。
複数日合成水温画像
 この図のように、親潮と黒潮が三陸沖で交互に混ざり合っている状況が日々概観できる。ただし、海面水温が平年より高いか低いかの情報は本ページでは得られない。

 
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