図説:東北の稲作と冷害
エルニーニョ現象を監視する(気象庁)
エルニーニョ現象は世界的な気候に影響するため、気象庁も予測技術の高度化を進めている。熱帯域の海面水温の予測結果は毎月20日頃に公表される3か月予報解説に詳細が示される。
気象庁のエルニーニョ監視センターは、同現象などの見通しを、予測モデルを用いて6か月先まで予測した結果を基に、『エルニーニョ監視速報』として毎月10日頃に発表する。
この情報は、水稲冷害早期警戒システムのホームページ「早期警戒関連情報」−「仙台管区気象台」にある3か月予報(pdf版)で見ることができる。このことからも分かるように、比較的長期の予報には熱帯太平洋の海面水温情報が重要にものとなっている。
そこで、2002年1月21日発表の3か月予報解説を例にして、情報の内容を紹介する。同解説の最後に、「太平洋赤道域の状況」の項目があり、前月の太平洋の海面水温と平年偏差図が示される(図1参照)。
図1 2001年12月の海面水温図(上)及び平年偏差図(下)
この図を基に、エルニーニョ監視海域の前月の海面水温偏差値、太平洋赤道域の海面水温の様子と貿易風の強さを表す南方振動指数に関して記述されている。また、1977年以降におけるエルニーニョ監視海域の海面水温の偏差推移と、エルニーニョとラニーニャ現象の発生時期が示された図もある。
次の項目は「エルニーニョ現象等の今後の見通し」となり、エルニーニョ予測モデルによる6か月先までの予測図(図2)と予測コメントが示される。
図2 エルニーニョ予測モデルによるエルニーニョ監視海域の海面水温偏差予測
注)この図は、エルニーニョ監視海域の海面水温(基準値との差)の先月までの推移(折れ線グラフ)とエルニーニョ予測モデルから得られた今後の予測(ボックス)を示している。各月のボックスは、海面水温の基準値との差が70%の確率で入る範囲を示す。(基準値は1961〜1990年の30年平均値)
また、【解説】には、毎月10日頃に発表される監視速報とその後の経過などを加味して、予測内容が丁寧に説明されている。
エルニーニョ現象は世界的規模で生じる異常気象と関係が深いとみられているため、将来の発生動向は多方面で注目されている。気象庁の予測結果と図説「エルニーニョ現象を監視する(海面水温予測)」の予測結果は異なる予測モデルを用いたものであるので、対比してみることによって、予測結果の信頼性を推察できる。
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