図説:東北の稲作と冷害

活着期の水温上昇効果


活着の良否は分げつの形成の遅速を通して穂数確保に重要な意味をもつ。水温を高く維持することが、活着とその後の生育の良否に大きく影響することを概説する。

活着期の水温上昇効果


水稲苗は、田植え後水温が高いと良好に活着する。
根が伸長する限界温度は12.5度、葉の原基が形成される限界温度は9.0度、活着の限界温度は12.0-13.0度、活着の最適温度は25.0-30.0度といわれる。
田植え後に水温を高く維持するとどのような効果があるのか、主要な要素の関連図を下図に示す。
活着期における水温上昇効果
このように、日照が豊富で気温が高い条件下では、水温と地温が高く維持される。水稲の生長点は土壌中にあるため、地温が高いと生長点で葉の基となる原基が早く形成され、それによって根や葉の生長が促進される。また、土壌中の窒素やリン酸は有効化されやすい。
根や葉の生長が促進されると、有効化した土壌中の窒素やリン酸をより吸収し、光合成速度が促進され、新たな生長に必要な炭水化物の生産が増える。それにより新たな葉の原基の形成が促進される。
また、日照が豊富で気温が高い条件下では、破線の矢印で示すように、水稲の葉で行われる光合成は直接的に促進される。
このような直接的・間接的ループを通して、水稲苗の活着とその後の生育は順調に進むことが期待できる。
なお、低温と日照不足の条件下では、このループは反対の作用を及ぼし生育を阻害する。

参照図説:
 活着期水管理のポイント

質 問:水田の水温と気温とは実際にはどの程度の違いがあるのですか?
 
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