水稲冷害研究チーム
1996年東北稲作動向(新聞記事等から)
1996年東北稲作動向(新聞記事等から)
本情報は新聞記事等から得られる東北地域の稲作概況をお知らせするものです.
稲作の動向と冷害関連記事に注目して,概況を追跡します.
なお,記事の収集については東北農業試験場情報資料課長下川さんにご協力をいただいています.
4月
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○4月3日:やや多い苗いもち
秋田県病害虫防除所は発生予報大1号を出した.
水稲は苗いもちの発生がやや多いと予測.薬剤防除と耕種的防除による発生防止を呼びかける.
イエンミズゾウムシはやや遅い発生と予想.
(秋田さきがけ)
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○4月18日:農水省病害虫予報第1号
気象の推移によっては,昨年同様にいもち病の多発が懸念される.
○4月19日:春寒波
寒い春で,農作物の生育遅れ,凍霜害,収量減がでている.山間部では農作業の遅れもでている.県などでは対策本部を設置,技術情報を出して,影響を最小限にくい止めようと懸命.今後の天候が気がかりとなっている.気象庁は寒さは来週中ごろまで続くという.
(日本農業新聞)
○4月17日:東北 7月は低温?
仙台管区気象台は3ヶ月予報(5月〜7月)で7月の気温を「平年並み」と予想したが,今年の冬から春にかけての気象が冷害だった昭和55年や7月に低温だった41年に似ているとし,今後の天候次第では「7月に低温となる可能性もある」と指摘している.
(河北)
○4月18日:低温対策に万全を!
岩手県農作物気象災害防止対策本部は技術指導情報を発表した.
水稲は播種のピークを迎えている段階.これから播種するものは,できるだけ電熱ヒーターなどを使った加温出芽とするほか,無加温の場合は保温資材を活用,夜間の保温も心がける.
また,出芽後の管理では,ストーブや保温資材の使用で温度を確保する一方,カビや病害対策のための湿度管理にも留意が必要だ.
(岩手日報・盛岡タイムス)
○4月19日:平成7年の東北経営動向
東北農政局は平成7年・東北の農業経営動向統計を発表した.
これによると,農産物価格の低下に加え,水稲の作柄が豊作だった前年を大きく下回ったことから,農業所得は9.9%の減少となった.また,農外所得も景気の停滞などから前年度並みとなり,農家総所得も4.6%減となった.
東北平均で見ると,農業収入は3,405,315円で前年度より8.1%減.農業支出の1,701,121円(同6.2%減)を差し引いた農業所得は1,704,214円となった.
農業収入面では,稲作収入が収穫量減少と,自主流通米価格の低下により減少したのが大きいとみられる.
(日本農業新聞より)
○4月19日:低温続く,水稲育苗で指導会
JA金ヶ崎町は水稲育苗現地指導会を開き,保温などの万全な管理を呼びかけている.
岩手県なども農作物技術情報で対策を呼びかけている.
「育苗ハウス温度を,夜は5度以下にしないようにストーブなどで保温すること.過湿とかびに気をつけること」
「ハウスでの無加温出芽では,発芽遅れなどの障害が心配されている.」
(日本農業新聞)
○4月19日:育苗管理を万全に
秋田県農政部と東北農政局秋田統計事務所は作況ニュース第1号を発出.
予想される稲の生育障害は「発芽,出芽の不揃い」「苗立ち枯れ病の発生」「老化苗」.
主要な対策:「気象の変化に応じた適切な育苗管理」「早まき時の保温対策」「適切な追肥による老化防止対策」.
苗いもちは前年の穂いもちがやや多かったことから,発生量はやや多いと予想.
消雪の遅れと最近の曇天から圃場の乾きが悪いので,稲わらのすき込みは耕深や排水対策,施肥法などに十分注意する必要がある.
(秋田さきがけ・日本農業新聞)
○4月20日:低温,生育遅れ懸念の水稲苗
岩手県病害虫防除所は病害虫発生予察情報・注意報を発表.
低温で水稲の苗の生育の遅れや弱体化が予想され,病原菌の感染でカビが生える苗立ち枯れ病が発生し易くなったため.農家に対して種籾の薬剤予防処理や適正な水管理,こまめなハウスの温度管理などを促している.
「カビが見えてくるのは1葉半から2葉になったとき.ゴールデンウイークに当たるので気をつけて欲しい」と防除所はいっている.
(岩手日報・盛岡タイムス)
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○4月22日:ラニーニャ現象とは
ラニーニャ現象は東大平洋赤道域のペルー・エクアドルの沖合の海面水温が,12月前後の数ヶ月間にわたって平年より数度低くなる現象.逆に,高くなる現象はエルニーニョと呼ばれる.いずれも大気の流れに影響を与えるため,大規模の場合,干ばつは洪水など世界的な異常気象の原因となるが,詳しい発生のメカニズムはわかっていない.
この冬,ラニーニャ現象がみられたことが海洋科学技術センターの観測などで確認されており,日本の冬が久しぶりに寒かったのは,この影響を受けたという見方もある.かつてはエルニーニョとラニーニャが交互に現れ,それぞれ数年間続くなど,ある程度の規則的な現象と思われていたが,最近は非常に不規則となり,世界の気象学者らを悩ませている.
(日本農業新聞)
○4月24日:異常低温の4月,冷夏の恐れも
4月1日〜20日までの平均気温は北日本-2.0度.戦後の4月平均気温偏差をみても,これまで最も低かったのは,1949年に記録した北日本-2.1度.
4月低温の類似年とその年の夏をみると,
1949年:西日本短い夏
1953年:盛夏夏型弱い,北日本冷害
1965年:盛夏短い,冷夏
1984年:8月猛暑
1993年:大冷害の年,4月低温傾向
長期予報課「比較数値が地域別に全く同じというのはありえない.あくまでも傾向が類似しているということで,4月だけで夏を予想することは難しい.」
ソメイヨシノの開花も遅れている.酒田は6日,石巻は5日遅れている.
金沢ではヒバリの初鳴きを平年より28日も遅れて観測している.松本ではウグイスの初鳴きを平年より25日遅れとなって,過去最も遅い記録となっている.
(日本農業新聞)
○4月26日:水稲苗の確保万全に
低温が続き,水稲育苗無加温出芽の不良が心配されている.岩手県水沢地域農業改良普及センターは出芽状況を確かめ苗の確保など対策を立てるよう指導している.
出芽率70%以下の場合はマットの強度が不足し,機械移植が困難となるので,この苗は補植用とし,別の苗の確保が必要.
(日本農業新聞)
○4月26日:宮城県で苗腐敗病など多発の恐れ
宮城県病害虫防除所は病害虫発生予察第1号を発表した.
詳細は本ホームページの1996年予察情報を参照.
(日本農業新聞)
○4月28日:「ひとめぼれ」の栽培地域広がる
全国米麦改良協会がまとめた「米の種用種子の需要動向」(速報)によると,八年度産用の種子購入量が多いのは,全体の3割を占める「コシヒカリ」,次いで「ひとめぼれ」「あきたこまち」「ササニシキ」「ヒノヒカリ」と続いている.
作付面積が増加している「ひとめぼれ」は東北を主体に,栃木,茨城,千葉の関東の他,鳥取,広島,大分などでも栽培.
(日本農業新聞)
○4月28日:東北の特A8銘柄に
日本穀物検定協会が発表した平成7年度産米の食味検定結果で,全国の'特A'ランク14銘柄のうち,東北のものは全部で8名銘柄と半数以上を占めた.
宮城県「ひとめぼれ」や同県北「ササニシキ」が'特A'へ評価を上げた.一方,山形庄内「はえぬき」,山形内陸「どまんなか」がともに'特A'から'A'に下がった.
同検査は全国の代表銘柄を地域別に官能で,特A, A, A', B, B'と5段階で評価するもの.今年は210銘柄に上った.
東北で2年連続'特A'となったのは,岩手県南,宮城県北「ひとめぼれ」,秋田県北「あきたこまち」,山形内陸「はえぬき」,福島中通り「コシヒカリ」.
昨年,'A'だった宮城県中「ひとめぼれ」,秋田県南「あきたこまち」と同'A''の宮城県北「ササニシキ」が'特A'に加わった.
東北管内で,今年新たに試験対象となった4銘柄の結果は,青森「まいひめ」が'B' ,岩手県中「ゆめさんさ」が'A', 同県北「かけはし」が'A'',山形庄内「どまんなか」が'A'だった.
(日本農業新聞)
○4月30日:コブシの花が咲かない!?
北国の春に異変が起こっている.岩手県胆沢では,コブシが咲く気配がない.低温による開花の遅ればかりではなく,花芽が着いていない木もあり,早春の風物詩から”コブシ咲くあの丘”が消えそうだ.
コブシは胆沢地方では「種まき桜」ともいわれて農作業の目安とされ,農家に親しまれている高木で,例年なら桜の開花より早く4月20頃には純白の花を着ける.
ところが,今年は開花はまだだ.岩手県緑化センターの調査では,同センター内の開花は例年なら4月中旬から下旬で,昨年は4月24日が満開だった.今年は拳の形に似ているともいわれるつぼみも見えない状態だ.宮城県林業試験場(大衡村)内のコブシも,花は咲いていない.
(日本農業新聞)
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