<中通り版>
1.移植栽培の当面する技術ポイント
1)基肥は基準量を目安に,気候変動に対応できる量とする.
2)育苗管理は,寒暖の差が大きいと考えられるので,きめ細かな温度,灌水管理に努める.
3)適期移植と水管理で初期茎数の早期確保に努める.
・活着不良を防止するために,低温下,強風下での移植作業はしない.
・分げつ発生を促進するために,活着後は2〜3cmの浅水管理とするが,低温や強風の日は深水にして,稲体を保護する.
4)葉いもちの伝染源となるので補植苗は直ちに廃棄し,絶対に水田に放置しない.
5)イネミズゾウムシの常襲地では,箱施薬を行い防除を徹底する.散布剤で対応する場合は,侵入盛期の予測に合わせて施用する.
6)雑草防除は,発生する雑草の種類に合わせて除草剤の使用量と使用時期を決める.
・1キロ製剤の散布は,散粒機の調整をあらかじめ入念に行い,規定量を均一に散布する.
・除草剤散布後4〜5日間は湛水状態を維持し,落水,かけ流しは絶対行わない.
・代かきから移植までの期間が長く,一発剤散布時期までに雑草が大きくなる場合は,事前に初期剤を散布する.
2.直播栽培の当面する技術ポイント
1)湛水直播
(1)圃場の準備
・代かきは練りすぎないようにする.
・播種時に圃場内に水が停滞しないように,トラクターの車輪跡などを利用して排水路を形成する.
(2)播種
事前に必ず機械の吐出量,繰り出し量を確認するとともに,播種深度が深くなりすぎないように注意する.
(3)播種後の水管理
覆土を実施しない播種機を用いた場合を除き,播種後は土壌の還元を防ぐために3〜5日程度落水状態を保つが,強い雨が予想される場合は種子が洗われて露出しないように湛水にする.
(4)除草剤散布
落水期間の後,落水して除草剤を散布する.散布時期が遅れるとノビエに対する効果が低下するので,ノビエの生育を観察して遅れないように散布する.
2)乾田直播
(1)圃場の準備
・事前に圃場の均平化を図るとともに,湛水時の漏水を防止するために畦畔を整備しておく.
・80%以上の砕土率を確保するために,耕耘・整地は圃場が十分乾いた時を見計らって実施し,耕耘から播種,除草剤散布まで1日で完結できるような作業体系を組む.
・播種後の湿害を防止し,同時に乾燥時の灌水が容易なように溝掘り機などを利用して圃場内に深さ10〜15cm程度の明渠を作る.
(2)播種
事前に必ず機械の吐出量,繰り出し量を確認するとともに,播種深度を確認する.
(3)除草剤散布
茎葉処理剤はノビエの葉齢が大きくなると効果が低下するので,ノビエの葉齢を確認しながら遅れないように散布する.
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<会津版>
育苗期間は寒暖の差が大きいと予想されるので,きめ細かな育苗管理で健苗育成に努めよう.
1.本田の整備,耕起,代かき作業
・低温時の深水管理に備えた畦畔の嵩上げと,漏水防止のために畦畔塗りを実施する.
・耕耘は,耕深15cmを目標に行い,根圏域の拡大と凋落防止を図る.
・代かきは浅水で行い,濁水の河川への流出をできるだけ少なくする.
2.健苗育成
・生育時期に応じたきめ細かな温度管理(換気)と灌水により,充実度の高い健苗の育成と病害の発生防止に努める.
・育苗様式や被覆資材が多様化しているので,その特徴を把握し,育苗資材を過信せず温度計で確認しながら基本に従った温度管理を行う.
・徒長苗は初期生育が劣り減収につながる.特にコシヒカリ,こがねもちは苗が伸びすぎやすいので注意する.
・もみ枯細菌病,苗立枯病,ばか苗病に感染した苗は廃棄する.
・前年の籾殻,稲わら等はいもち病菌の密度が高いと考えられるため,育苗に関わる場所に放置しない.
3.本田施肥量と本田移植および水管理
・品種,土壌型,肥沃度を考慮した基準量を守る.
・活着を促進するために,極端な早植えはしない.また,強風吹走時,低温時は田植えを避ける.
・品種に応じた栽植密度を守り適正な茎数,穂数を確保する.初星,ひとめぼれ,ふくひびきはやや密植とする.
・水管理は活着促進と分げつ確保のため,移植後深水(4〜5cm),活着後浅水(2〜3cm)が原則.強風,低温時には深水で苗を保護する.水温の上昇を図るためかけ流しはやめ,昼間止水・夜間灌漑とする.特に,用水温が低い山間地では温水田,温水チューブ利用等の対策を講じる.
4.本田病害虫防除,雑草防除
・イエンミズゾウムシ,イネドロオイムシの防除には箱施用が効果的である.薬害に十分注意する.
・除草剤は雑草の発生状況に合わせて使用する.一発剤を予定していても代かきから田植えまで5日以上経過した場合は,初期剤との体系処理とする.
・表土剥離にはACN,ジメタメトリンを含む除草剤が有効である.
・フロアブル剤を使用する場合は特に田面の露出がないようにする.1kg剤を使用する場合は,専用アタッチメントを利用するなど,撒き込みないようにする.
・補植用の挿し苗はいもち病の感染源となるので,使用後速やかに処分し本田に残さない.
5.直播技術対策
・湛水直播の代かきは散播が播種直前,条播が播種2〜3日前に行い,田面の均平に努める.
・播種は散播が完全落水,条播が走り水程度に湛水して行う.
・播種後の水管理は,出芽始めまでは落水状態を維持し,出芽後は浅水管理を行う.
・除草剤は,サンバード粒剤がノビエ1葉期,プッシュがノビエ1.5葉期を目安に散布し,サンバード粒剤使用の場合は中期剤との体系とする.
・鳥害の恐れがあるところでは,防鳥テープ等の対策を講じる.
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<浜通り版>
1.育苗管理の徹底
・4月以降寒暖の差が大きいため,温度管理・灌水に十分注意し,健苗育成に努める.
・もみ枯細菌病や苗立枯病の発生した苗は早急に処分する.
2.移植時の基本順守
・適正な施肥(基肥窒素は基準量を守り,リン酸は基肥にa当たり1.0〜1.2kg施用する)
・適期移植 相双:5月10日頃(コシヒカリは早め,連休頃),いわき:5月15日頃,山間部:5月20日頃.
・適正な栽植密度
3.本田初期管理の徹底
・適正な水管理(活着まで4〜5cmの深水とし,その後は2〜3cmの浅水,なお強風低温時には深水とする).
・補植は移植後直ちに実施し,葉いもちの発生源となる補植用苗を水田に残さない.補植は連続3株以上の欠株がなければ必要はない.
・イネミズゾウムシ,イネドロオイムシ,イネヒメハモグリバエの防除には箱施用が効果的であるが,苗質が劣る場合には本田での防除に切り替える.
・除草剤は雑草の発生状態に合わせて使用する.特に,代かきから田植えまでの期間が長い場合は,ノビエの葉齢に注意する.
表土剥離にはACN,ジメタメトリンを含む除草剤が有効である.
・初期生育が不良な水田ではさらに表層施肥,補い肥,昼間止水・夜間灌漑などを組み合わせる.
4.直播栽培のポイント
・湛水,乾田直播とも,播種時の設定条件を守る.
・両直播とも,1回目の除草剤処理を遅れないようにする.
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