水稲冷害研究チーム
1996年福島県技術情報
詳細に関する問い合わせは福島県農業試験場にお願いいたします.
<中通り版>(8月26日)
<会津版>
<浜通り版>(9月5日)
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新稲作情報第6号(8月26日)
<中通り版>
発行:福島県稲作情報会議
編集:福島県農業試験場
1.生育状況
1)作況試験の稲の生育:出穂期は、本場、冷害試験地とも平年より2〜4日程度早まった。本場では、稈長が平年よりやや長く、籾数もやや多い。冷害試験地では、稈長が平年並みからやや短く、籾数が少ない。登熟の進度は、ほぼ平年並みである。
2)現地の稲の生育:出穂期は、平年より1〜2日早まった。稈長は平年並みからやや短く、籾数は平年並みからやや多い。
3)今後の生育予測:成熟期は、出穂期が早まったため、平年より早まるものと予想される。積算気温から見た成熟期は、平坦部の初星、ひとめぼれが9月12日から15日頃、コシヒカリが10月3日頃、高冷地の初星が9月24日頃と予想される。
2.移植栽培の当面する技術ポイント
適期刈取りと丁寧な乾燥で品質低下を防止しよう!
1)水管理
間断灌漑を継続しながら、徐々にほ場を固化させる。落水の時期は、初星、ひとめぼれが出穂後30日、コシヒカリが出穂後35日を目安とし、品質低下を招く早期落水は行わない。
2)適期刈取り
各品種の刈取り開始期は、初星、ひとめぼれでは積算気温900〜950℃、コシヒカリでは1000〜1050℃を参考にして決定する。穂の黄化状況から見た刈取りの適期は、一穂の中で10〜20%程度帯緑籾が残っている時期である。特に、穂揃い期間の長引いたほ場等では、刈り取り適期の判定にあたって十分に注意する。
3)収穫・乾燥
刈り取った生籾は、長時間放置すると変色米等が発生して品質が低下するので、早めに乾燥機に搬入する。また、部分的に倒状が認められる場合は刈り分けを実施する。
収穫後の籾は、水分のばらつきが大きい。特に、穂揃い期間の長引いたほ場ではこの傾向が強まるので、二段乾燥(夜間休止乾燥)の徹底等、乾燥作業には細心の注意を払う。
4)調製
食味、整粒歩合の向上を図るために、選別機の網目は1.85mm以上を使用するとともに、選別機の能力に合わせた処理量を守る。
5)次年度への対策
土壌診断を活用しながら、ほ場に合った地力増強対策を実施する。
A.湛水直播
1)生育の状況
場内では、最も遅い5月24日播種のコシヒカリが8月24日の出穂となった。 現地では、8月25日頃までにほぼ出穂が完了した。生育はおおむね順調であるが、一部に苗立ちの差による生育のばらつきが大きいほ場や、ノビエの発生量の多いほ場が見られる。
2)当面の技術対策
(1)間断灌漑を実施して、登熟を進めながらほ場の固化につとめる。落水の時期は移植栽培に準じる。
(2)ほ場内の生育差が大きい場合、刈取りの時期はほ場内の平均的な成熟程度の部分で判定するが、生育の進んだ部分で穂首の黄化や葉の枯れ上がりが極端な場合には、この部分から品質が低下しやすいので十分注意する。
(3)籾水分のばらつきが移植栽培よりも大きいので、乾燥には細心の注意を払う。
3)次年度への対策
次年度播種時の障害を回避するため、ほ場内のわらは秋耕により腐熟させるか、搬出して堆肥化する。
B.乾田直播
1)生育の状況
場内では、出芽の遅れた播種期で出穂が遅延し、4月16日播種と4月24日播種の出穂期が逆転した。また、5月8日播種のひとめぼれ、コシヒカリは、出穂の遅れが大きく、8月末の出穂と予想される。
現地の生育は、おおむね順調であるが、場所によって出穂期の差が大きい。
2)当面の技術対策
(1)水管理は、間断灌漑を継続して、品質低下につながる早期の落水は行わない。
(2)刈取り時期の判定および乾燥法については、湛水直播栽培に準じる。
3)次年度への対策
播種時の砕土率を確保するため、次年度乾田直播栽培を実施するほ場は、秋耕を実施する。
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<会津版>
(未着)
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新稲作情報第6号(9月5日)
<浜通り版>
発行:福島県新稲作情報編集会議
編集:福島県農業試験場相馬支場
適期収穫・適正な乾燥調整で高品質維持を!!
1.当面する技術ポイント
@今後の生育予想
1)成熟期は初星が9月16日頃、ひとめぼれが9月19日頃と平年よりやや遅れると予想され、コシヒカリは平年並みの10月6日頃となる見込みである。
2)稈長は長く、今後倒状が懸念される。
A早期落水の防止
1)コシヒカリ・日本晴は収穫までまだ間があり、出穂後35日を目安に間断灌漑を継続し、品質の低下を防ぐ。
2)コシヒカリ等の倒状が予想される水田では、地耐力を高めるような水管理に努める。
B適期収穫
1)刈り取り適期は、初星・ひとめぼれが出穂後の積算気温900〜950℃、コシヒカリが1000〜1050℃を目安とし、籾の黄化状況を観察して黄化率80%の時期とする。
2)倒伏田(穂発芽粒)、カメムシ発生田(斑点米)等で障害粒の発生が懸念されるが、これらの障害粒は米選機での除去が不可能なので、可能な限り刈り分けし、別調製とする。
C適正な乾燥調製
1)収穫した生籾を放置すると着色粒が発生するので、短時間で乾燥機に搬入する。
2)収穫した籾は水分のばらつきが大きいので、夜間に乾燥機を停止し、籾水分の均一化を図ってから、翌朝乾燥を再会する2段乾燥(夜間休止乾燥)を行う。 乾燥機の送風温度は、籾水分の毎時乾減率0.8%以下で行い、玄米水分は15.5%を目標とする。
3)自然乾燥でも収納が遅れると胴割粒・着色粒・穂発芽粒が発生する。適正水分に達したらすみやかに収納、脱穀を行う。
4)籾摺は肌ずれ防止のため、穀温を常温まで下げて行い、調製は網目が1.85mm以上の米選機を用いる。
D直播栽培のポイント
<直播共通>
1)浜通りのひとめぼれの出穂は8月4半旬に盛期となり、5半旬に出穂がほぼ完了した。
2)刈り取り時期は、出穂後の積算気温1000℃を目安とし、8月20日出穂のひとめぼれで、10月12日頃となる見込みである。
ただし、直播水稲は、移植水稲に比べ出穂のばらつきが大きいため、圃場内の平均的な生育の部分で、籾の黄化状況を良く観察し、刈り取り時期を決定する。
3)水管理は、湛水直播では出穂後35日を目安に間断灌漑を継続して、登熟を進めながら田面の固化に努める。乾田直播では早期の落水は登熟を停止させ、品質の低下が著しくなるため、収穫期まで間断灌漑を継続する。
4)次年度、直播(特に乾田)栽培予定圃場では、できるだけ籾をこぼさないように収穫し、早めに秋耕を行う。
2.気象経過と今後の予想
1)気象経過:中旬は気温が平年並みで多照、下旬は低温少照に経過。
2)今後の予想
9月7日〜13日:天気は周期的に変わる。平均気温は平年より低い見込み。 9月14日〜27日:天気は周期的に変わるが、ぐずつく時期がある。平均気温は平年より高い見込み。
3.生育状況
@出穂期は平年並み〜やや早い。
A穂数は、平年並み〜やや少ない。
B一穂粒数は平年より多い。
C稈長は平年より長く、ほぼ前年並み。
4.次年度の対策
気象災害の軽減を図るため、堆肥や土壌改良資材等を施用し、早めに秋耕を行う。
◎次号発行は1997年4月予定◎
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