水稲冷害研究チーム

1996年福島県技術情報

 詳細に関する問い合わせは福島県農業試験場にお願いいたします.

 
<中通り版>(7月26日)
<会津版>
<浜通り版>(8月8日)
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 新稲作情報第5号(7月26日)

               <中通り版>

「ふくしま新世紀農業・農村確立運動」県推進本部
              平成8年7月26日
           発行:福島県稲作情報会議
            編集:福島県農業試験場


1 東北地方1カ月予報(7月26日仙台管区気象台発表)
 ○7月27日〜8月 9日:晴れの日が多い。平均気温は、平年並の見込み。
 ○8月10日〜8月25日:晴れの日が多いが、低気圧や前線の影響で、曇りや雨の時期がある。平均気温は、平年並の見込み。

2 生育状況
 1)作況試験の稲の生育は、平年に比較して草丈が並からやや長く、茎数も多い。幼穂形成始期は、平年並みである。
 2)現地の稲の生育は、草丈が平年並みからやや長く、茎数が並である。幼穂形成始期は、平年並みからやや早い。

3 移植栽培の当面する技術ポイント
適切な追肥による籾数確保と穂いもち防除に努めよう!

 1)生育ステージ:出穂期は、各品種とも平年並みからやや早めと予想される。平坦部では、初星、ひとめぼれが8月5日頃から、コシヒカリが8月15日頃から出穂期を迎え、高冷地では、まいひめが8月4日頃から、初星が8月9日頃から出穂期を迎えるものと思われる。
 稈長、籾数:ひとめぼれ、コシヒカリとも、稈長、籾数は、ほぼ平年並みと予想される。

 2)水管理
水管理は間断灌漑〜飽水管理を基本とするが、出穂後に極端な高温が続く場合は、湛水あるいは掛け流し管理を実施して稲体温を低下させ、玄米品質の低下を防止する。

 3)穂いもち対策
今後、上位葉での葉いもち発生を防止するとともに、体系別に以下の点に注意して穂いもちを防除する。
(1)穂いもち用の水面施用剤を施用した場合でも、上位葉でいもち病の病斑が確認された場合は、穂ばらみ期に散布剤による追加防除を実施する。
(2)航空防除を実施している地域でも、適期に散布が行われなかった場合は、補完散布を徹底する。
(3)散布剤で穂いもちを防除する場合は、穂ばらみ期、出穂期、傾穂期と3回の防除を行う。

 4)カメムシ防除
カメムシの発生が多い地帯では、出穂後の防除を徹底し、玄米品質の低下を防止する。

 5)追肥
予想される稈長および籾数は平年並であることから、追肥は施用基準を守って計画通りに実施する。

A湛水直播
 1)生育の状況
場内の生育は、ほぼ順調である。ひとめぼれの5月10日播種まで幼穂形成始期が確認された。現地の生育もほぼ順調であるが、一部に穂数不足や過繁茂による倒状が懸念されるほ場がある。

 2)当面の技術対策
(1)間断灌漑を継続して、できるだけ田面の固化に努めるが、出穂後に極端な高温が継続するときには、湛水や掛け流し管理を実施して稲体温を低下させる。
(2)幼穂形成期を確認後、移植に準じて穂肥を施用する。ただし、株元が不安定な場合や苗立ちが過剰な場合、品種がコシヒカリの場合は、施用を遅らせるか、または中止する。
(3)当面、移植稲と同様に葉いもち防除を徹底する。穂いもち防除にあたっては、生育ステージが移植稲よりも6〜10日遅れるので、移植栽培とは別の防除体制をとる。苗立ちが過剰なほ場での紋枯病発生や生育の遅れによるイネツトムシの発生に十分注意する。

B乾田直播
 1)生育の状況
場内では、各作期ともまいひめの幼穂形成始期が確認された。生育ステージの遅れは、移植に比較して7〜10日程度と推定される。現地における生育は、おおむね順調であるが、一部に茎数過剰が心配されるほ場が見られる。

 2)当面の技術対策
(1)水管理は、間断灌漑を継続する。出穂後の高温時の落水管理や早期の落水は、極端に登熟を早めて品質を低下させるので絶対に行わない。
(2)幼穂形成期を確認したら10a当たり2kgの窒素追肥を実施する。
(3)病害虫防除については湛水直播に準じるが、生育ステージをふまえた防除を実行する。
 
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<会津版> (未着)  
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 新稲作情報 第5号

               <浜通り版>
              平成8年8月8日
        発行:福島県新稲作情報編集会議
        編集:福島県農業試験場相馬支場

 穂いもち防除と水管理の励行を!!
  @穂いもちの徹底防除
  A早期落水防止による穂いもち防除と品質向上
  Bカメムシ類の防除

1 当面する技術ポイント

@今後の生育予想
(1)出穂期は初星・ひとめぼれがほぼ平年並みで、コシヒカリも平年並みとなる見込みである。
(2)稈長は平年並み、籾数も平年並みを確保すると予想される。
(3)刈り取り時期は平坦部の初星・ひとめぼれで9月中旬と予想される。

Aいもち病防除
(1)葉いもちは梅雨明け後小康状態にあるが、今後の気象条件により進展する可能性もあるので注意する。現在、上位葉に病斑が認められる水田では、引き続き防除を徹底する。
(2)穂いもち用に粒剤を施用しなかった水田では、出穂直前、穂揃い期、傾穂期の薬剤散布を徹底する。

B早期落水防止による品質向上
(1)開花後の水管理は間断灌がいを基本とし、登熟向上に努める。強風時には深水とし、風害を防ぐ。
(2)早期落水は穂いもちの発生を助長し、また米質の低下を招くため適期落水(出穂後35日頃)を守る。特に、葉いもち発生田で早期落水すると、穂いもちが急増するので注意する。
(3)用水の不足気味の地帯では、減数分裂期〜出穂期に重点をおいて灌漑する。

Cカメムシ類の防除
(1)各種カメムシが混発している場合ので、有機燐とカーバメートの混合剤を使用する。防除時期は出穂後7日と16日の2回で、広域的に行うと効果が高い。

D直播栽培のポイント

「直播共通」
(1)ひとめぼれの出穂期は、移植水稲より10日〜2週間遅い8月20日頃と予想される。
(2)葉いもちや紋枯病、イネツトムシの発生に注意し、適期に防除する。
(3)穂いもち防除は稲の生育ステージ(Aいもち病防除の項参照)に合わせて行う。

「湛水直播」
(1)間断灌漑を継続して、できるだけ田面の固化に努める。

「乾田直播」
(1)収穫期まで間断灌漑を継続する。早期の落水は登熟を停止させ、品質の低下が著しくなる。
(2)葉色の低下が著しい場合には補い肥を施用する。

2 気象経過と今後の予想
(1)気象経過:気温は7月5半旬に最高気温、8月1半旬に最低気温が低かったが、それ以外は高めに推移。日照時間は7月5半旬が少なかった。
(2)今後の予想
8月10日〜8月16日:この期間の平均気温は平年より低い見込みです。
8月17日〜8月30日:この期間の平均気温は平年並みの見込みです。

ーあぜ道ー
 今年も稲が出穂する時期になり、私は浜通りで7年目の夏を迎えた。6年も昔のことは鮮明には記憶にないが、この6年間、なんの心配もなく安心して稲の生育を見守ってきた記憶がない。ほとんどがいもち病か低温で悩まされてきた。
しかし今年は、田植え後の低温や水不足等があったが、なぜか私自身、いつもの年よりも心配の度合いはない。過去6年間いろんなことを経験してきて、「なるようにしかならない」という気持ちがあるからだろうか。
たしかに今年はいもち病の発生は少ないし、低温の時期も一時的だった。水不足が深刻な地域もあるが、たまの降雨でなんとかここまで凌いでる。今年も問題は若干あるが、ここまでは比較的順調に生育してきている。
ここまでのペースで収穫を迎えたいが、そうは問屋が卸さないだろう。カメムシ、台風、秋の長雨、etc。
この先何かがありそうだ。
                        JA福島中央会 KEN

◎次号発行は9月5日予定◎

 
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