水稲冷害研究チーム

1996年岩手県技術情報

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技術情報 第5号(7月25日)

 水稲の葉いもちは、県下全域で発生が確認されている。葉いもちとともに出穂期前後は穂いもちの重要な防除時期であり、ほ場を観察し、適期防除を徹底する。

◆稲作◆
 これまでの水稲生育は1〜2日遅れており、茎数はやや少なく、葉色が濃くやや軟弱である。
 全県的に見ると幼穂形成期は平年並みの7月16〜21日で、出穂期は8月8日〜11日頃と推定される。
 また、天候予報では8月は晴れの日が多く、気温・降水量は平年並みで、天気のぐずつく時期があるとのことです。
 今後の技術対策としては、低温に備えて減数分裂終期の深水管理と、その後は登熟良化に向けての根の活力向上のための水管理、さらに穂いもち、紋枯病、カメムシ類の徹底防除を図る。

1 障害不稔防止と根の健全化を図る水管理
(1) 8月第1半旬は減数分裂終期であることから油断することなく、低温時には15cm以上の深水管理を行い、障害不稔の防止に努める。
 なお、低温の心配が全くなくなった場合には、浅水管理や軽度の間断灌漑に切り替え、根の健全化を図る。
(2) 本年の生育は、茎数が少なめであるが、葉色が濃い傾向があることから、根の活力を維持し、登熟向上を図ることが大切である。
(3) 一方、8月前半は同化養分の蓄積とともに幼穂の伸長、出穂、開花受精後の養分の転流等重要な時期で、水分を最も多く必要とする時期である。
(4) このため、減数分裂期から出穂、開花期までは湛水状態を基本とし、過度の間断灌漑はしない。
(5) 開花・受精終了後から落水期までは、一度に2〜5cm灌水(圃場条件で調整)して水を止め、作土が2日間程度空気にふれる程度のローテーションで間断灌漑を行い、作土を酸化状態に保ち根の活力維持に努める。

2 病害虫防除の徹底
(いもち病)
(1) 本年の葉いもちの発生時期・発生量は平年並みであるが、圃場をよく観察し、発生が見られたら直ちに茎葉散布を行う。
(2) 特に、昨年いもち病が多発した地域や、いもち病に対する抵抗力の弱いササニシキ・あきたこまち・ひとめぼれ・かけはし・ゆめさんさの防除の徹底を図る。
(3) 穂いもちの防除は原則として出穂直前および穂揃い期の2回防除であるが、ササニシキ・あきたこまち・ひとめぼれ・かけはし・ゆめさんさでは、穂ぞろい期から1週間後に1回追加防除を実施する。

(紋枯病)
(1) 前年の発生面積は平年並であり、本年は茎葉はやや少ないが、地域によっては防除が必要である。
(2) 防除時期は出穂7日前から出穂直前で、この時期の発生株が早稲種で15%、晩生種で20%以上に達した圃場では必ず防除する。

(カメムシ類)
(1) 本年は越冬世代成虫の発生時期はやや遅かったが、各地の発生量は平年並であることから、発生量は平年並みと予想される。
(2) しかし、県南部の水田地帯では、毎年カメムシによる斑点米が発生しており、徹底防除が必要である。
(3) 水田周辺の転作牧草(イタリアンライグラス等)および畦畔雑草は遅くとも8月はじめまで刈り取る。
(4) 薬剤による防除は、出穂後1週間おき1〜3回畦畔、水田周辺の草地等を含めて防除する。
 なお、病害虫の発生は気象に左右されるので、今後の病害虫発生予察情報に注意し、適期防除に努める。

 
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