水稲冷害研究チーム
1996年岩手県技術情報
詳しい問い合わせは岩手県へお願いいたします。
技術情報 第6号(8月25日)
岩手県農作物気象災害防止対策本部
◆稲作◆
梅雨明け以降の気温の回復により、県下全般に出穂期は1〜2日遅れとなり、出穂後も気温・日照時間とも良好なことから成熟期も平年並みになる見込みである。
9月の技術対策としては、前半までは間断灌漑により登熟の良化を図り、地域毎の的確な登熟診断を行って、適期刈取・早期出荷の推進、乾燥調整の適正化等、品質向上対策を徹底して、1等米出荷90%以上を目標に「売れる米」の生産に万全を期す。
1 早期落水の防止
(1) 落水期が早すぎると根の活力の低下、茎葉老化等により千粒重の低下、未熟粒の増加等、登熟不良の原因となり収量・品質が低下する。
(2) 落水期は、湿田や排水不良田および早生種では9月8〜13日頃で、排水の良い水田や晩生種では、9月13〜18日頃を目安にする。
2 遅刈りの防止
(1) 遅刈りは、立毛中の胴割粒や穂発芽・茶米などの着色粒の発生が多くなり、玄米の品質が低下しやすい。
(2) 刈取り適期の判定は、まず、登熟積算温度(出穂後の日平均気温を積算値)によりおおよその適期を予測する。
(3) 各普及センターでは、「リアルタイムメッシュ気象情報システム」を利用して各地点の出穂期別・品種別刈取適期を推定している。
表 登熟積算からみた刈取適期の推定
| 品種名 |
登熟積算温度による刈取適期℃ |
栽培主要地帯刈取適期の目安(月日) |
| ササニシキ |
950〜1,150 |
9/24〜10/7 |
| ひとめぼれ |
900〜1,050 |
9/21〜9/30 |
| ゆめさんさ |
900〜1,050 |
9/20〜9/30 |
| あきたこまち |
950〜1,100 |
9/24〜10/3 |
| たかねみのり |
950〜1,100 |
9/26〜10/7 |
| かけはし |
950〜1,100 |
9/20〜9/30 |
(4) 圃場ごとの刈取適期の判定は、登熟積算温度を参考にしながら、穂の熟色(80〜90%の籾が黄化したとき)により判断する。
3 乾燥
(1) 乾燥は仕上がり水分15.5%を目標にし、過乾燥を防ぎ、食味の良い「いわて米」に仕上げる。
(2) 自然乾燥は地干しやニオ積み乾燥をなくし、棒がけ・ハセガケを行い、乾燥期間は20日を限度とする。乾燥が不十分な場合は、火力乾燥により仕上げる。
(3) 火力乾燥は、乾燥前後の正確な水分測定が大切で、そのポイントは
・ 検定した正確な水分計を用いる。
・ 室温と同じ穀温で測定する。
・ 未熟粒を除いて測定する。
・ 籾や玄米を素手で触らない。
・ 水分測定は数回行い正確を期す。
などである。
また、過乾燥を防ぐため、2段乾燥を励行する。
4 脱穀・調整
(1) 自脱コンバイン等の扱胴回転数を高速回転で作業すると、脱ぶ粒・胴割粒・砕粒の原因となるので、規定の回転で行う。
(2) 籾摺ロールの磨耗程度を調べ、磨耗が多い場合は交換する。
(3) ライスグレーダーのふるい目は、1.9mmを使用し、1等米比率の向上を図る。なお、ライスグレーダーは正しく使用しないと、選別能力が劣るので十分注意する。
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