水稲冷害研究チーム
青森県稲作指導情報
なお,詳しい内容に関する問い合わせは青森県にお願いいたします.
青森県稲作指導情報第10号(9月5日)
青森県農業生産対策推進本部
−作業のポイント−
○籾の黄化程度や出穂後の日数、出穂後の積算気温、青米の混入割合、籾水分等を総合的に判断して、適期に刈り取り、食味・品質の優れた米を生産する。
○「つがるロマン」は登熟が早いので、刈り遅れのないようにする。
○稲作生産組織等で収穫作業を実施する場合は、ほ場ごとの登熟状況を事前に調査し、計画的に刈り取る。
○コンバイン等機械の整備や試運転は早めに実施する。
○玄米水分は15.0〜15.5%に仕上げ、過乾燥を防止する。
○未熟粒の混入が多い場合は、米選機の玄米流量を基準より減らし、選別精度を高める。
○農作業安全に努め、事故のないようにする。
農業試験場作況田における生育及び登熟状況等
- 生育状況
- 「むつほまれ」は稈長が黒石、藤坂とも平年に比べてやや長く、穂長が黒石、藤阪とも長く、穂数が黒石は少ないが、藤坂は平年並みである。
- 「つがるおとめ」は、稈長が平年並みで、穂長がやや長く、穂数は少ない。
- 「つがるロマン」は、前年に比べて稈長、穂長がやや長く、穂数は少ない。
- 籾数と登熟状況(8月31日現在)
- 黒石の「むつほまれ」、「つがるおとめ」は平年に比べて1穂籾数が多いが、穂数が少ないため、m2当たり籾数はやや少ない。藤坂の「むつほまれ」は穂数が平年並みであるが、1穂籾数が多く、m2当たり籾数は多い。
「つがるロマン」は前年に比べて、穂数が少ないが、1穂籾数が多く、m2当たり籾数は前年並みである。
- 8月31日現在の登熟歩合は、「むつほまれ」は黒石、藤坂とも平年より高く、「つがるおとめ」は平年並み、「つがるロマン」は前年並みである。
- 籾殻の大きさ
- 籾殻の大きさは、黒石の「むつほまれ」、「つがるおとめ」ともに平年並みからやや大きく、藤坂の「むつほまれ」は平年並み、「つがるロマン」は前年より大きい。
県内の生育状況と籾数・登熟状況
- 生育状況
- 「むつほまれ」は稈長がいずれの地域とも平年より長く、穂長がやや長い〜長くなっている。中弘南黒の「つがるおとめ」は稈長、穂長とも平年よりやや長くなっている。
下北むつの「かけはし」は、稈長が平年よりやや短く、穂長は長くなっている。
「つがるロマン」は稈長が前年より長く、穂長が前年並みとなっている。
- m2当たり穂数は平年に比べて各地域、各品種とも少なくなっている。
「つがるロマン」のm2当たり穂数は前年よりやや多くなっている。
- 籾数と登熟状況(9月1日現在)
- 1穂籾数は、全県的に平年より多くなっているが、西と北五地域で平年よりやや多い程度となっている。
「つがるロマン」の1穂籾数も前年より多くなっている。
- m2当たり籾数は、「むつほまれ」では津軽地域でやや少ない〜少なく、県南地域で平年並み〜やや多くなっている。また、中弘南黒の「つがるおとめ」は平年よりやや多く、下北むつの「かけはし」はやや少なくなってきている。
「つがるロマン」のm2当たり籾数は前年より多くなっている。
- 9月1日現在の登熟歩合は、県内全地域、品種とも平年より高く、特に下北むつの「かけはし」が高くなっている。
これからの作業と管理
- 適期刈取
- 水稲の登熟の進行は、1穂・1株ごとに遅速があり、籾数の多少によっても異なることから、次のことを目安に総合的に判断して刈り取りを始める。
- ほ場全体の籾の90%が黄化したとき。
- 精玄米に占める青米混入割合が10%程度まで減少したとき
- 出穂後の日数が、早生品種で40〜45日ころ(「かけはし」では43〜49日ころ)、中生品種で45〜50日ころになったとき。
- 出穂期後の積算気温(アメダス値)が、早生品種で850℃(「かけはし」では900℃)、中生品種で960℃に達したとき。
- 枝梗の2/3程度が黄化したとき。
- 籾水分が25〜26%まで減少したとき。
- 刈取時期が遅れるほどに、腹白、乳白等の粉状質未熟粒の増加により品質が低下するばかりではなく、タンパク質含有率の増加により食味も低下するので、刈取適期内に刈取る。
特につがるロマンは登熟が早く、刈り遅れると茶米等が増加するので、刈遅れないようにする。
また、倒伏した部分は、別に刈取る。
- 登熟が進んでいることから、コンバイン等機械の整備や試運転は早めに実施しておくとともに、稲作生産組織等で収穫作業を実施する場合は、ほ場ごとの登熟状況や青米の混入割合等を事前に調査して、刈り遅れないように計画的に行う。
- 刈り取り後、水分が高い籾を長時間堆積しておくと、ヤケ米や発酵米等の着色粒が発生し、品質低下の原因にな
るので、早めに乾燥機に搬入する。
- 各地域における出穂後の積算気温960℃の到達予測日
は次のとおりである。
表 各地域における積算気温960℃(出穂期以降)の到達日予測
| 地点 | 出穂期(月日) | 960℃到達日(月日) | 地点 | 出穂期(月日) | 960℃到達日(月日) |
| 青森 | 8/5 | 9/20 | 十和田 | 8/4 | 9/23 |
| 蟹田 | 8/9 | 9/28 | 三沢 | 8/8 | 9/26 |
| 今別 | 8/8 | 9/26 | 野辺地 | 8/6 | 9/26 |
| 弘前 | 8/4 | 9/19 | 六ヶ所 | 8/7 | 9/27 |
| 黒石 | 8/6 | 9/22 | むつ | 8/7 | 9/27 |
| 五所川原 | 8/4 | 9/19 | 大間 | 8/9 | 9/27 |
| 鯵ヶ沢 | 8/4 | 9/19 | 小田野沢 | 8/8 | 9/27 |
| 深浦 | 8/3 | 9/17 | 脇ノ沢 | 8/7 | 9/26 |
| 市浦 | 8/8 | 9/26 | 八戸 | 8/5 | 9/21 |
| 碇ヶ関 | 8/3 | 9/19 | 三戸 | 8/2 | 9/16 |
注)9月1日まで本年値、それ以降は平年値使用
- 乾燥
- 乾燥中の籾水分は、乾燥機による自動測定だけでなく手持ちの水分計も併用して測定し、玄米水分15.0〜15.5%の適正な水分に仕上げる。
- 籾水分が25%以上のときは、初期の送風温度を下げて乾燥し、籾水分が20%程度になってから所定の送風温度にする。また、水分ムラや未熟粒の混入が多い場合は、二段乾燥法で行い適正な水分に仕上げる。
- 自然乾燥は、過乾燥による胴割れ米の発生が多くなる場合があるので、脱穀時期を逸しないよう注意する。
また、降雨が続き籾水分にムラがみられる場合は、乾燥機で仕上乾燥を行う。
- 調製
- 籾ずりは、穀温が高い状態で行うと肌ずれ米の発生が多くなるので、常温に下がったのを確認してから行う。
- 整粒不足により品質の低下を招かないよう、米選機の機種に応じた適正な流量を守り、屑米の混入を防ぐ。
- 回転式米選機は、1本当たり毎時1、000kg程度の流量を基準とし、目詰まりが生じないように点検を行いながら作動させる。
- 採取
- 自家採取を続けると品種の特性が失われ、品質低下につながるので、種子更新は毎年行う。
- やむを得ず自家採取する場合は、異品種の混入や病害虫の発生していないほ場を選んで行う。
- 農作業事故の防止
- コンバインなどの移動や籾の運搬作業等でほ場ヘ出入りする場合は、足場の安全を十分確かめてから行う。
- 作業中に機械を調整したり故障等で点検・修理する場合は、必ずエンジンを停止してから行う。
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