水稲冷害研究チーム
山形県技術情報
なお,詳しい内容に関する問い合わせは山形県にお願いいたします.
稲作指導情報(5月)
山形県農業試験場
<要約>
4月11日発表の1か月予報によると、育苗期間の天候は低温傾向に推移するとみられるので、苗質の悪化や活着不良が懸念されるため、育苗には十分注意する必要がある。
活着を良くし、初期生育を安定するには、健苗の育成とともに、温暖な日を選んで適期移植、栽植密度の確保と移植後の水管理が重要である。
- 健苗の育成
- 低温が長く続くと立枯病の発生が多くなるので、最低気温が5度以下にならないように保温するととみに、早めにタチガレン液剤またはタチガレエース液剤の500倍を箱当たり500ml潅注し、発生を予防する。
- この時期に過湿になると、床土の温度上昇を妨げ、根張りを悪くし、マット強度を低下させるほか、立枯病の発生の原因となるので、夕方や低温時の潅水は避ける。
- 低温、強風、晩霜などに対応できるよう、風囲いおよび被覆資材は移植まで撤去しないで、いつでも被覆できるようにしておく。
- 適正な施肥の推進
- 生育中期に過剰生育を招かぬよう、圃場の地力条件を考慮に入れ、基肥の施肥量を決める。特に、「はえぬき」「どまんなか」については、高品質・良食味米を生産して銘柄を確保するため、施肥基準に準拠した控えめな施肥量を守る。
- 初期生育がとれやすい平坦部は、活着期追肥を省略する。初期生育の取れにくい中山間・山間部は、従来通り活着期追肥を実施する。
- 復元田は、地力窒素の発現が大きくなり、過繁茂、倒伏による品質低下を招く恐れがあることから、基肥窒素を極力減らし、生育状態に応じた追肥重点の施肥体系とする。また、前作物の種類、土壌条件および品種に十分配慮して施肥量を加減する。
- ゆとりある作業計画と安全作業の推進
- 作業に入る前に無理のない作業計画を立て、ゆとりある作業を推進する。特に高齢者の事故が多発しているので、体力のあった無理のない作業分担を図る。
- 4月11日から春の農作業安全運動を展開中である。「普及所だより」や広報車、講習会等を活用した広報、啓蒙運動を徹底する。
- 適期移植と栽植密度の確保
- 播種量に応じた育苗日数と葉数に注意し、適期に移植できるよう本田作業を計画的に進め、風が弱く温暖な日を選び移植する。なお、大規模経営で、連続的に移植作業を行う場合でも平均気温が12度を下回るような日は作業を中止する。
- 栽植密度は初期生育の確保に大きく影響する。平方メートル当たり22〜24株を目標にし、植え込み本数は稚苗で株当たり4〜5本(平方メートル当たり100〜120本)、中苗で株当たり3〜4本(同90〜110本)を確保する。なお、穂重型品種や、山間部等で茎数確保のむずかしいところでは、平方メートル当たり栽植本数を稚苗で15%、中苗で10%程度増やして植え付ける。
- 除草剤の適正使用
- 除草剤は、環境への影響を最小限に抑えるよう配慮する。また、低温時は雑草の発生も遅れるが、適期を失することないよう草種や雑草の発生量等に合わせて選択し、適期適量、均一散布および水管理等に十分留意して使用する。なお、初期生育が不良で中耕を組み合わせる必要があるところでは、一発剤でなく、初期+中期の体系処理を行う。
- 1kg粒剤は、有効成分濃度が3倍となっているため、均一な散布に努めるとともに、過剰散布にならないように留意する。
- フロアブル剤は、散布後3〜4日間は3〜5cm程度の湛水深を保ち、落水、掛け流しはしない。
- 本田初期の保温的水管理
活着期には4〜5cmの深水にして稲を保護する。
分げつの発生には25度程度の水温が必要なので、畦畔からの漏水防止や日中の掛け流しを避けるとともに、中山間部や冷水かんがい水田では温水チューブ等を利用して積極的に水温の上昇を図る。
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