水稲冷害研究チーム

山形県技術情報

 なお,詳しい内容に関する問い合わせは山形県にお願いいたします.

稲作指導情報(6月)

山形県農業試験場

<要約>
予報によれば、6月は平年同様曇りや雨の日が多い見込みである。また、気温、降水量とも平年並み、梅雨入りも平年並みと予想されている。
今年は、雪解けが早く、また、4月中旬以降の降雨が少なかったことから、春作業は順調に推移し、平年より早い移植期を迎えた。さらに、圃場が乾燥したため、乾土効果も高いと予想され、初期生育は確保されやすい年で、一部では過剰傾向になると予想される。
このため、以下の7点に重点を置き指導の徹底を図る。

  1. 保温的水管理
    1. 活着後は2〜3cm程度の浅水にし生育の促進を図る。低温の日は深水にして稲体を保護するなど日中止水、夜間灌漑を励行する。
    2. 本年は、雪解けが早く圃場が乾燥しており漏水も多いので、アゼシートなどで漏水を防止する。
    3. 中山間・山間部の「冷や水掛かり」水田では、調整水田、迂回水路の活用や温水チューブなどにより水温の上昇を図り、初期生育の促進に努める。
  2. 適正な生育調節
    1. 今年は乾土効果が多く出ると予想される。また、移植期が早く活着も順調な圃場が多いことから、平坦部の一部では生育過剰が懸念される。このため、6月10日すぎまで目標茎数が確保される圃場では、深水管理(10cm程度)で無効分げつの発生を抑制する。
    2. この時期の追肥は窒素の持ち越しによる、中期生育の不安定に結びつくので、行わない。やむを得ず、むら直しを行う場合は、窒素成分で10アール当たり1kg程度とする。
    3. 側条施肥田植え機で移植した圃場では、施肥窒素の消長(基肥窒素の消失は田植え後35日から40日)に留意し、追肥時期が遅れないようにする。
  3. 除草剤の適正、効果的な使用
    1. 一発処理剤は薬剤により殺草限界や持続性が異なるので、剤の特性を熟知のうえ使用するよう指導する。(除草剤使用基準参照)
    2. 中期除草剤は、高温下での使用は薬害がでやすいので、種類と使用条件に注意する。(除草剤使用基準参照)
  4. 中耕、作溝、中干しの励行
    1. 稲わらが多量に鋤き込まれ、異常還元状態で生育が遅れる場合は、水の「かけひき」により還元状態の緩和に努める。できれば中耕除草機による生育の促進を指導する。
    2. 有効茎確保後(出穂前35〜40日頃)は、作溝・中干しを徹底して稲体の健全化に努める。
  5. 病害虫防除
    1. 補植用苗の取り残しは、葉いもちの発生源となりやすいので、補植作業が終わったら直ちに残り苗を処分する。
    2. 最低気温が15度以下で降雨が2〜3日続くと、葉いもちの発生が予測されるので、圃場の巡回を行い、葉いもちの早期発見、早期防除に努める。
    3. いもちの防除を粒剤で行う場合は、6月20日頃が使用限度であるので遅れずに散布する。漏水田や掛け流しをする水田では、剤の効果が持続しないので使用しない。
    4. いもち病は薬剤耐性菌が出現しやすいので、防除計画の中に防除策をあらかじめ講じておくよう指導する。
  6. 農業機械の安全使用と点検整備
    1. 今月は草刈り機の事故が発生しやすいので、農作業の安全を再度啓蒙する。
    2. 春作業を終了した農機具は、洗浄・注油・防錆・故障個所の修理などの手入れの後に格納し、使用年数の延長に努め農機具経費の節減に努める。
  7. 直播栽培に対する管理
    1. 今年は、出芽・苗立ちが良好で、茎数の過剰な圃場も見られる。反面、水管理が不十分なため、苗立ち不足の圃場も見られる。このため、今年作成した「栽培マニュアル」に基づき、苗立ち数に応じた適切な管理を行う。
    2. 分げつ初期(5葉期まで)に、10アール当たり窒素成分で1.5kg程度の追肥を行い、初期生育の確保を図る。なお、5葉期以降の追肥は過剰分げつ発生と、有効茎の低下、さらには倒伏に結びつくので注意する。
    3. 直播栽培は移植栽培に比較し、雑草の発生が多くなりやすいので、雑草の生育に合わせ、除草剤の散布を行う。
    4. いもち病の粒剤による防除は、移植と同様6月20日頃までが使用限度であるので、遅れないように散布する。

 
ホームへ 前へ 次へ 戻る ご意見どうぞ
 

torigoe@tnaes.affrc.go.jp