水稲冷害研究チーム
1999年岩手県技術情報
なお,詳しい内容に関する問い合わせは岩手県にお願いいたします.
稲作技術情報第8号
平成11年7月19日
岩手県、岩手県農作物気象災害防止対策本部
1 生育概況
7月上旬は沿岸北部でやませの影響により最高気温が上がらず、第2半旬には最低気温が12℃を下回る日が続きました。一方、内陸部では上旬は気温・日照時間とも平年並みからわずかに上回りました。中旬は県内全域で日照時間がやや少なく気温が平年より高い日が続きました。
農業改良普及センターが7月10日現在の水稲の生育状況を調査した結果、草丈は平年並からやや短く、葉数はほぼ平年並みとなっています。茎数は最高分げつ期を過ぎて減少しているものの依然として平年より多めです。
県北部の「かけはし」では平年より2〜4日早い7月6〜9日頃に幼穂形成期を迎え ています。また、県中部の「あきたこまち」及び県南部平坦部の「ひとめぼれ」も、平 年より2〜4日早く7月11〜16日頃に幼穂形成期に達しています。
2 生育状況からみた今後の栽培管理
(1)向こう2週間の天気予報(7月17日から7月30日)
(盛岡気象台7月16日発表 東北地方1カ月予報より)
1週目(17〜23日)の中頃まで気圧の谷の影響で曇りの日が多く、雨や雷となるところがあるでしょう。1週目のの終わり頃は日本海側で曇る日が多いですが、太平洋側では高気圧に覆われ概ね晴れるでしょう。平均気温は平年並み(平年に対し-1.1〜+1.1℃)の見込みです。
2週目(24〜30日)は太平洋高気圧に覆われ平年同様晴れの日が多い(平年の晴れ日数4)ですが、大気の影響は不安定でしょう。平均気温は平年並(平年に対し−1.1〜+1.2℃) の見込みです。
(2)安定生産のための水管理
@減数分裂期(穂ばらみ期)
間断かんがいとし、地水温の上昇につとめて下さい。
なお、今後とも天気予報に注意し、低温が予想される場合は、10cm程度の深水にするとともに水温の上昇につとめて下さい。
A出穂・開花期
開花・受精の時期であるので、田面が露出しないように注意し浅水管理として下さい。
(3)良食味米生産のための追肥
@土壌中のチッソ濃度が低下し、稲の葉色が淡くなっています。
A県中南部、沿岸部の「あきたこまち」では、幼穂形成期以降から減数分裂期(出穂期のおおよそ10日前まで)の間に、追肥量はチッソ成分量で2kg/10aを限度に、葉色、茎数及び下位節間の伸長の状況に応じて時期や量を調節して追肥を行って下さい。
B県北部、沿岸北部の「かけはし」では、7月第5半旬には減数分裂期盛期を過ぎ、7月末から8月始めには出穂期を迎えるものと推定されます。葉色が極端に淡い場合を除いて減数分裂期追肥の実施を控えて下さい(腹白粒発生防止)。
A県南部の「ひとめぼれ」では7月11〜16日頃にかけて幼穂形成期を迎えています。
幼穂形成期を重点として減数分裂期までにチッソ成分量2kg/10a以内で追肥を行って下さい。
D各品種とも減数分裂期より遅い時期のチッソ追肥は絶対に行わないで下さい。
(4)葉いもち病の防除
病害虫防除所の調査によると、7月2日時点におけるいもち病の全般発生は未だ確認されていません。7月12日から15日にかけて各地で感染に好適な気象条件となっていることから、今後まもなく全般発生開始期を迎える見込みであり、平年(7月7日)より2週間程度遅いと見込まれます。
全般発生開始期から5〜7日後には急増期を迎えますので、圃場をよく観察し、葉いもちの発生を見たらただち茎葉散布を行って下さい。
また、出穂がやや早まると見込まれますので、穂いもち予防粒剤の散布は適期に行って下さい。
今後とも病害虫防除所や普及センターが発行するいもち病の情報に注意して下さい。
reigai@tnaes.affrc.go.jp