水稲冷害研究チーム
1999年岩手県技術情報
なお,詳しい内容に関する問い合わせは岩手県にお願いいたします.
岩手県技術情報(水稲)第7号
平成11年7月5日
岩手県、岩手県農作物気象災害防止対策本部
1. 中干しの実施
・ 有効分げつは確保されている。中干しにより生育を抑える場合は、幼穂形成期(県南部では7月第3半旬、県北部では7月第2半旬)より前に終了する。
・ 中干し後は徐々に入水し、その後は間断灌漑を行う。
2. 窒素追肥
・ 稲の生育が旺盛で、多くの窒素を吸収していることから、県南部では土壌中窒素濃度が低下し、葉色がさめてきている。一方、県中南部の「あきたこまち」県北の「かけはし」では、窒素吸収量は多いものの、土壌中の窒素はまだ残っており、葉色がまだ濃いところも多く見受けられる。
・ 追肥窒素量が多いほど、また追肥時期が出穂期に近いほど、タンパク質含有率が高まり、食味に対してマイナスに働く傾向がある。適切な窒素施肥によって総籾数を増加し、収量、食味とも向上しますが、多すぎると籾数過剰や登熟歩合の低下から収量が頭打ちとなり、倒伏やタンパク質含有率の増加による食味低下を招く。
・ 県南部の「ひとめぼれ」では幼穂形成期に窒素成分量2kg/10a以下で追肥を行う。
・ 県中南部、沿岸部の「あきたこまち」では、幼穂形成期以降から減数分裂期までの間に行う。追肥量は窒素成分量で2kg/10aを限度に、葉色や生育に応じて調節する。
・ 県北部、沿岸部の「かけはし」では、幼穂形成期が早まり7月第2半旬と推定されるので、直ちに追肥を行う。追肥窒素量は2kg/10aを上限にやや控えめに行う。
・ 各品種とも減数分裂期より遅い時期の窒素追肥は絶対に行わない。
・ なお、品種や土壌条件はもとより、今後の天候や水稲の生育によっては追肥対応が異なるので、農業改良普及センターの技術情報等の関連情報に注意する。
3. 葉いもち
・ 病害虫防除所の調査によると、取り置き苗の葉いもち発生は平年より少なく、7月1日現在初発は確認されていない。いもち病の発生は少ないと見込まれるが、今後7月中旬に急増期を迎えるので、圃場をよく観察し、葉いもちの発生をみたら、直ちに茎葉散布を行う。
4. 深水管理の実施
1) 幼穂形成期から減数分裂期まで
常時4〜6cmの深水とする。また、水温を高めるため、夜間・早朝入水や足し水を行うなど工夫する。低温が予想される場合は、足し水で水深10cm以上として幼穂を保護する。
ただし、灌漑水温が低い場合は効果がないので、水温を確認し、概ね25度以上になるように管理する。
2) 減数分裂期前後
・低温が予想される場合は、水深を10cm以上とし、幼穂を保護する。
・17度以下の低温が予想される場合は、15cm以上の深水にして幼穂を保護する。
・低温の恐れのない場合は、間断灌漑とし、根の健全化に努める。
3) 出穂・開花期
開花受精の時期であるので田面が乾燥しないように注意する。乾燥すると開花受精の障害が発生することもあるので、田面が露出しないように浅水で管理する。
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