水稲冷害研究チーム

1999年山形県技術情報


 なお,詳しい内容に関する問い合わせは山形県にお願いいたします.

山形県:当面の技術対策(6月)

平成11年5月24日

山形県農林水産部

1. 保温的水管理
1) 活着後は2〜3cm程度の浅水にし生育の促進を図る。低温の日は深水にして稲体を保護するなど日中止水、夜間灌漑を励行する。
2) 畦畔除草剤の使用が多くなっており、漏水の多い圃場が多くなっている。このためアゼシートなどで漏水を防止する。
3) 中山間・山間部の「冷や水掛かり」水田では、調整水田、迂回水路の活用や温水チューブなどにより水温の上昇を図り、初期生育の促進に努める。

2. 適正な生育調節
1) 平坦部の一部では生育過剰が懸念されることから、6月10日すぎまで目標茎数が確保される圃場では、深水管理(10cm程度)で無効分げつの発生を抑制する。
2) 6月中の追肥は、窒素を持ち越し、中期生育が不安定となるので、行わない。やむを得ずむら直しを行う場合は、窒素成分で10アール当たり1kg程度とする。
3) 側条施肥田植機で移植した圃場では、施肥窒素の消長(基肥窒素の消失は田植え後35日から40日)に留意し、追肥時期が遅れないようにする。

3. 除草剤の適正、効果的な使用(除草剤使用基準参照)
1) 本年は、雑草の発生が早いことから、剤の殺草限界を確認の上、散布適期を逃さないように注意する。
2) 一発処理剤は薬剤により殺草限界や持続性が異なるので、剤の特性を熟知の上使用するよう指導する。
3) 中期除草剤は、高温下での使用は薬害がでやすいので、種類と使用条件に注意する。

4. 中耕、作溝・中干し
1) 稲わらが多量に鋤き込まれ、異常還元状態で生育が遅れる場合は、水の「かけひき」により還元状態の緩和に努める。できれば中耕除草機による生育の促進を指導する。
2) 有効茎確保後(6月下旬頃から)は、作溝・中干しを徹底して稲体の健全化に努める。

5. 病害虫防除
1) 補植用苗の取り残しは、葉いもちの発生源となりやすいので、補植作業が終わったら直ちに残り苗を処分するとともに、地域全体で取り残し苗除去の徹底を図る。
2) 最低気温が15度以下で降雨が2〜3日続くと、葉いもちの発生が予測されるので、圃場の巡回を行い、葉いもちの早期発見、早期防除に努める。また、葉いもち防除のため箱施用剤を使用した水田でも、油断せずに圃場の巡回を行う。
3) いもち病の防除を粒剤で行う場合は、6月20日頃が使用限度であるので遅れずに散布する。漏水田や掛け流しをする水田では、剤の効果が持続しないので使用しない。
4) いもち病は薬剤抵抗性菌が出現しやすいので、防除計画の中に防止策をあらかじめ講じておくよう指導する。

6. 直播栽培に対する管理
1) 今年は、茎数の過剰な圃場も見られるが、一部に苗立ち不良の圃場も見られる。このため、「栽培マニュアル」に基づき、苗立ち数に応じた適切な管理を行う。
2) 分げつ初期(5葉期まで)に、10アール当たり窒素成分で1.5kg程度の追肥を行い、初期生育の確保を図る。なお、5葉期以降の追肥は過剰分げつ発生と、有効茎の低下、さらには倒伏に結びつくので注意する。
3) 直播栽培は移植栽培に比較し、雑草の発生が多くなりやすいので、雑草の生育に合わせて、除草剤の散布を行う。
4) いもち病の粒剤による防除は、移植と同様6月20日頃までが使用限界であるので、遅れないように散布する。


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