水稲冷害研究チーム

2000年福島県稲作指導情報<中通り版>


 なお,詳しい内容に関する問い合わせは福島県農業試験場にお願いいたします.

稲作情報第1号

平成12年4月13日

福島の米稲作情報編集会議

T 1カ月予報概要(4月7日仙台管区気象台発表)
 この期間は、低気圧と高気圧が交互に通り、天気は周期的に変化するでしょう。低気圧の通過後は一時寒気が入る見込みです。また、上空に寒気を伴った低気圧の影響で天気がぐずつき気温の低い時期があるでしょう。降雹や降霜のおそれもあります。この期間の平均気温は平年並か低いでしょう。

U 移植栽培の技術ポイント
(1)基肥は、気象変動に対応できるように、品種に合わせた量を施用し、極端な多肥は行わない。
(2)玄米品質・食味向上のため堆肥の施用と耕深(15cm以上)を確保し、根張りを良くする。
(3)育苗管理は温度と潅水管理に注意を払い、徒長を防止して健苗を育成する。
(4)適期移植と適正な栽植密度および水管理で初期茎数の早期確保に努める。
@低温、強風条件下での移植は、活着不良や初期生育障害を引き起こすので避ける。
 A分げつの発生を促すため、活着後は2〜3cmの浅水管理とするが、低温や強風の日は深水にして稲体を保 護する。
(5)葉いもちの伝染源となる取り置き苗は、活着後直ちに処分する。
(6)除草剤は雑草の発生状況に応じて使用する。代かきから田植えまでの期間が長い場合は、初期剤または一発処理剤と中期剤の体系処理を行う。
@除草剤散布後4〜5日間は湛水状態を維持し、散布直後の落水やかけ流しは絶対に行わない。
A表土剥離にはACN、ジメタメトリンを含む除草剤が有効である。
B前年にアゼナ類の残草が目立ったほ場では、プレチラクロール、ビフェノックス、カフェンストロールを含む一発処理剤や初期剤と中期剤との体系が有効である(防除基準参照)。 

W 直播栽培の技術ポイント

 直播栽培実施ほ場は、鳥害を回避するためにできるだけ団地化をはかる。均一な出芽・苗立ちを確保するために、ほ場の均平化に努める。

 A湛水直播
 (1)ほ場の準備
  @ほ場は耕起前にできるだけ均平化しておき、代かきは練りすぎないようにする。播種時の表土の硬さは、播種方法によって異なるので、代かきから播種までの日数や落水の時期によって調節する。
Aほ場内の土壌硬度を均一にするために、排水路を形成して滞水部分ができないようにする。
 (2)播種
 出芽、生育促進のためにカルパー粉衣後播種前に加温処理を実施する。加温方法は、25℃2昼夜 または32℃1昼夜であるが、この間粉衣種子を乾燥させないように注意する。
(3)播種後の水管理
  @覆土をしない播種機を用いた場合や強い雨が予想される場合を除き、播種後は土壌の還元を防ぐため、出芽始めまで落水状態を保つ。
A播種前に排水路などを設置しなかった場合は、潅・排水管理を容易にするために、ほ場内に10m間隔程度に作溝を実施する。
(4)除草剤散布
除草剤散布は散布時期が遅れるとノビエに対する効果が劣るので、ノビエの生育を観察して遅れないように注意する。表層剥離が発生した場合は、イネ3葉期以降にACN粒剤を散布する。
 B乾田直播
 (1)ほ場の準備
@事前に圃場の均平化を図るとともに、湛水時の漏水を防止するために畦畔を整備しておく。
A耕起から播種・土壌処理剤散布までが1日で完結できるように作業体系を組み、耕起は砕土率70%以上を得るためにほ場が十分乾燥した時に行う。
B播種後の湿害を防止すると同時に、乾燥時の潅水を容易にするため、ほ場内に10m間隔で深さ10〜15cm程度の明きょを掘る。
(2)播種
事前に播種量に合わせて機械の繰り出し量を確認するとともに、播種深を2〜3cmに調節する。
(3)除草剤散布
茎葉処理剤は、ノビエの葉齢が大きくなると効果が劣るので、遅れないように散布する。また、ノビエの葉齢は播種後の積算気温で推定が可能である。

Y 麦・大豆栽培の技術ポイント

(1)麦類
@生育は順調で、出穂期は平年並からやや早まる見込みである。
A小麦の収量・品質向上のために、生育に応じて出穂期の追肥を行う。施肥量は、窒素で1〜2kg/10aとする。
 B梅雨期に向けて排水路の整備を行う。
 Cうどんこ病および赤かび病等の防除は計画的に行う。
(2)大豆の作付準備
@表2を参考に、播種期に応じて適正な栽植本数を確保する。
A生育初期の湿害対策のため、特に水田作では十分な排水対策をとる。





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