水稲冷害研究チーム

2000年福島県稲作指導情報<中通り版>


 なお,詳しい内容に関する問い合わせは福島県農業試験場にお願いいたします.

稲作情報第2号

平成12年5月31日

福島の米稲作情報編集会議

U 生育状況
1) 作柄解析試験の苗は、草丈がやや短く、葉齢が平年並からやや進んでいた。地上部乾物重および苗の充実度は平年並からやや優っていた。
2) 活着は、5月1日植えが良好であり、15日植えが平年並である。5月1日植えの生育は、草丈がやや長く、分げつの発生が平年並である。主稈出葉から見た本田での生育は、平年並である。
3) 現地では、4月下旬の低温により苗立枯病がやや多く見られた。苗丈はやや短く、移植盛期は概ね平年並であった。活着は、5月上旬の移植を含めて良好である。

V 移植栽培の当面する技術ポイント
1) 浅水管理により水温の日較差を大きくし、分げつの早期確保に努める。
2) 灌水は夕刻に行う。また、冷水地帯では、温水チューブ等を利用して水温上昇に努める。
3) 有効分げつが確保されたほ場は、直ちに中干しを実施して無効茎の抑制と地耐力の向上を図る。
4) 土壌中の地力窒素の発現は、平年よりやや少ないが、分げつ期の追肥は行わない。
5) 一発剤等の散布遅れによりノビエ等が残草したほ場では、シハロホップブチル剤または中期剤の散布によって防除する。また、アゼナの発生が目立つほ場は、中・後期剤を使用して防除する。
6) クログワイ、オモダカ等の難防除雑草が多発するほ場では、ベンタゾンを含む除草剤で防除する。
7) 葉いもち防除では、補植用の取り置き苗を直ちに処分する。水面施用剤を使用する場合は、薬剤により使用時期が異なるので、県病害虫防除基準p.56を参照し、適期に使用する。
8)ばか苗病の発生が本田で見られた場合は、直ちに抜き取り焼却処分する。

X 直播栽培の技術ポイント
 出芽及びその後の生育は順調である。適切な水管理により、初期生育の促進を図るとともに、雑草や初期害虫の発生状況を把握して早期に防除対策を実施する。

A湛水直播
1) 生育の状況
場内作柄解析試験の出芽は、昨年より2日遅れたが出芽数はやや多かった。現地の出芽は、4月下旬から5月上旬の低温によりやや遅れたが、概ね良好である。また、加温処理を行うことにより、出芽が早まり、苗立ち数が増加したほ場が見られた。鳥害は昨年より少なかった。
2) 当面の技術対策
(1) 生育の促進を図るため、浅水管理を基本とするが、株元が安定していないほ場では、2〜3日の落水期間を設け、根張りを促進させる。
(2) ほ場内に作溝し、間断潅漑や中干し期の水管理を容易にする。
(3) ノビエの残草が認められる場合は、ノビエ3葉期までにシハロホップブチル粒剤を散布する。また、表土剥離や藻の発生が多いほ場では、ACN剤を散布する。
(4)イネミズゾウムシやイネドロオイムシの発生が認められるほ場では、早急に水面施用剤等で防除を実施する。

B乾田直播
1) 生育の状況
場内作柄解析試験の出芽は、昨年よりやや遅れたが出芽数は多かった。その後の生育も順調であることから、まもなく入水が可能である。現地では、4月中下旬の多雨により播種作業が遅れたり、湛水直播に切り替えたほ場があった。出芽は概ね良好であり、まもなく入水の予定である。           
2) 当面の技術対策
(1) ノビエの葉齢を観察して茎葉処理除草剤を散布する。広葉雑草が多い場合には、4葉期を目安にシハロホップブチル・ベンタゾン液剤を、広葉雑草が少ない場合には 4.5葉期を目安にシハロホップブチル液剤を散布する。
(2) 入水はイネの葉齢で3葉期を目安に実施する。既に入水したほ場では、畦畔、水尻を点検整備して漏水を防止するとともに、雑草の生育に合わせて既存の移植用除草剤を散布する。
(3) 湛水後は、窒素追肥(10a当たり4〜6kg)を行うとともに、発生に応じた初期害虫の防除を実施する。



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