水稲冷害研究チーム
1996年青森県「発生予察情報」
なお、詳しい内容に関する問い合わせは、津軽地域病害虫防除所(電話 0172−52−6500)または南部地域病害虫防除所(電話 0176−23−4290)にお願いいたします。
病害虫発生予報(7月31日)第5号
【概要】
水稲では、穂いもちが南部地域で多いと予想され、津軽地域でやや多いと予想される。また、紋枯病、ごま葉枯病、コバネイナゴが全県的にやや多いと予想され、フタオビコヤガが南部地域で、ニカメイガが北五地域でやや多いと予想される。
1)穂いもち
〇発生地域:津軽地域・南部地域
〇発生時期:やや遅い
〇発生量 :やや多い(津軽地域)
多い(南部地域)
[予報の根拠]
@ イネの生育はやや遅れている。
A 葉いもちの発生量はやや多い見込みである。
B 7月中・下旬の巡回調査では津軽地域では発生地点率が約12%で、発生程度は低かったが、南部地域では約42%で、発生程度の高いほ場も認められた。
C 8月は気温、降水量とも平年並の見込みである。
2)紋枯病
〇発生地域:県内全域
〇発生時期:やや遅い
〇発生量 :やや多い
[予報の根拠]
@ イネの生育はやや遅れている。
A 昨年の発生量が多く、伝染源量が多いと考えられる。
B 8月の気温は平年並の見込みである。
3)ごま葉枯病
〇発生地域:県内全域
〇発生時期:ー
〇発生量 :やや多い
[予報の根拠]
@ 昨年の発生量が多かったことから、越冬菌密度が高いと考えられる。
A 8月の気温は平年並の見込みである。
4)セジロウンカ
〇発生地域:県内全域
〇発生時期:ー
〇発生量 :やや少ない
[予報の根拠]
@ 7月4半旬までのネットトラップにおける成虫誘殺数は平年並から少なめに推移している。
A すくい取り調査では、7月5半旬現在、発生がほとんど認められていない。
B 8月は気温、降水量とも平年並の見込みである。
5)ヒメトビウンカ
〇発生地域:県内全域
〇発生時期:やや遅い
〇発生量 :やや少ない
[予報の根拠]
@ すくい取り調査では、ほとんど発生が認められていない。
A 8月は気温、降水量とも平年並の見込みである。
6)コバネイナゴ
〇発生地域:県内全域
〇発生時期:ー
〇発生量 :やや多い
[予報の根拠]
@ 近年、発生地域が拡大する傾向を示し、本年の幼虫発生量も各地とも多めの傾向である。
7)フタオビコヤガ
〇発生地域:津軽地域・南部地域
〇発生時期:第3世代幼虫ふ化最盛期 やや遅い(津軽地域)
遅い(南部地域)
〇発生量 :少ない(津軽地域)
やや多い(南部地域)
[予報の根拠]
津軽地域
@ 第1世代の誘殺時期はやや遅かった。
A 予察灯による第1世代成虫の誘殺数は少なかった。
南部地域
@ 第1世代の誘殺時期は遅かった。
A 予察灯による第1世代成虫の誘殺数は多かった。
8)ニカメイガ
〇発生地域:北五地域・上記以外の地域
〇発生時期:ー
〇発生量 :やや多い(北五地域)
平年並(89ha)(上記以外の地域)
[予報の根拠]
北五地域
@ 前年の発生面積が多かったことから、越冬幼虫密度が平年より高いと考えられる。
上記以外の地域
@ 近年発生が少なく、越冬幼虫密度が低いと考えられる。
(1)防除のポイント
【穂いもち】
@ 防除は、出穂直前と穂揃期(直前散布後7日目頃)の2回必ず実施する。
A 葉いもちの発生が多いほ場や抵抗性の弱い品種を作付けしているほ場では、穂揃5〜7日後にも薬剤を散布する。
B 葉いもちの発生が少ないほ場でも出穂期前後に降雨が続くと、穂いもちが多発することがあるので、防除適期を失しないように注意する。なお、降雨が続くような場合であっても、雨の合間をみて散布する。粉剤は多少降雨があっても散布する。
C 出穂が長引いた場合、穂揃期に達しなくても出穂直前散布後7日目頃には農薬を散布する。
【紋枯病】
@ 通常、出穂直前の1回散布でよい。
A 例年、発生の多い水田では、穂揃期にも散布する。
B バリダシン剤、バシタック剤、モンカット剤、モンガード剤は疑似紋枯病(赤色菌核病、褐色菌核病)も同時防除できる。
【ごま枯病】
@ 発生の見られるほ場では、出穂直前と穂揃期に本病害にも有効な穂いもち防除剤により同時防除する。
A 航空防除実施地区で本病の発生が見られる場合は、地上防除で対応する。
【コバネイナゴ】
@ 出穂期前後の農薬散布の際に本種にも効果の高い殺虫剤を含む殺虫・殺菌混合剤を散布し、他病害虫と同時防除する。
A 本種に効果のある殺虫剤は、オフナック、トレボン、カルホス及びバッサであるが、バッサについては、本種に対する防除効果の低下している地域があるので使用に当たっては十分注意する。
B 本種は移動・分散が激しいので、広域一斉防除に努める。
【セジロウンカ】
@ 発生量はやや多い見込みであるが、全般には出穂直前または穂揃期の殺虫・殺菌混合剤の散布で他病害虫と同時防除できると思われる。しかし、例年局地的に多発生することがあるので、そのような地区では、穂揃後も防除が必要となることがあるので発生に注意する。
A 8月上〜中旬に飛来し、多発生することもあるので、今後発表する予察情報に注意し、適期防除に努める。
【ヒメトビウンカ】
@ 発生初期にセジロウンカなどと同時防除するが、スミチオン剤、マラソン剤は本種に対する効果が劣るので別な薬剤を使用する。
【ニカメイガ】
@ 全般に発生は少ないが、前年の発生が目立ったほ場では、出穂10日前に連続50株5か所程度を調査し、被害株率が4%以上の場合には、出穂10日前と出穂初め〜出穂期の2回防除する。被害株率が4%未満の場合には、出穂初め〜出穂期に1回、他病害虫と同時防除する。
【フタオビコヤガ】
@ 出穂直前または穂揃期に穂いもち、セジロウンカ、コバネイナゴなどと同時防除する。
【その他の病害虫】
@ ばか苗病の発生は全般に少ない見込みであるが、徒長あるいは枯死した罹病株がみられる場合は、罹病株を出穂前に抜取り、土中に埋めるか焼却して、出穂後の籾への感染を防止する。
A 長距離移動性害虫であるコブノメイガの飛来は、今のところ確認されておらず、発生量は少ないものと思われるが、8月上〜中旬に飛来し、多発生することがあるので、今後、発表する予察情報に注意し、適期防除に努める。
(2)防除上注意すべき事項
@ 当該ほ場の防除対象となる病害虫を見極め、同時防除により効率化をはかる。
A いもち病が多発して、散布回数が多くなり、散布間隔も5日毎位に短くする場合には次の点に注意する。
同一農薬を連用すると、耐性菌が出現する恐れがある。また、同一農薬の散布間隔は、農薬残留の点からも7日以上としなければならない。したがって、異なる農薬を組み合わせて防除する。
ホームへ
前へ
次へ
戻る
ご意見どうぞ
torigoe@tnaes.affrc.go.jp/kanda@tnaes.affrc.go.jp