水稲冷害研究チーム
1997年秋田県「発生予察情報」
なお,詳しい内容に関する問い合わせは秋田県病害虫防除所(電話 0188-60-3420)にお願いいたします.
病害虫発生予察情報 発生予報第5号(7月28日)
秋田県病害虫防除所
<予報の要点>
水稲穂いもち病の発生がやや多くなると予想される。穂ばらみ期と穂揃期の防徐を徹底する。また、葉いもち多発ほ場や上位葉での発生が
多いほ場では傾穂期の防徐も実施する。トビイロウンカの発生がやや多いと予想されるので、今後の発生動向に注意する。アワヨトウの第2世代が8月中旬以降に発生すると予想される。ほ場をよく観察し若齢幼虫のうちに防徐する。
- 穂いもち:発生時期は平年並み、発生量はやや多い
- 予報の根拠
- 現在までの葉いもちは平年並で、地域的に多発生しているほ場が認められ、ほ場間の発病程度多の差が大きい。
- 出穂期は平年並みと見込まれる。
- 8月は気温が低く、降水量は平年並みと予想されている。
- 防徐上注意すべき事項
- 穂ばらみ期と穂揃い期の防徐を励行する。防徐薬剤には、予防効果の高いラブサイド剤かビ−ム剤を用いる。
- 葉いもち多発ほ場や上位葉(止葉、次葉)での発病が多いほ場では傾穂期の防徐も実施する。この場合の防徐にはラブサイド剤を示威し実施する。
- 紋枯病:発生時期は平年並み、発生量は少ない(前年並)
- 予報の根拠
- 8月は気温が低く、降水量は平年並と予報されている。
- 出穂期は平年並みと見込まれる。
- 現在の発病量は平年よりやや少ない。
- 防除上注意すべき事項
- 穂ばらみ期〜穂揃い期の発病株率が15%以下の場合は、防徐は必要ない。
- 茎葉散布剤による防除は、出穂7日前〜出穂直前の散布が最も効果的である。
- 多発が予想されるほ場では、出穂期から穂揃い期までにもう1回防徐する。
- 紋枯病類似症の発生が懸念される場合には、防除薬剤をバリダシン、バシタック、モンカット、モンガードの中から選択する。
- 白葉枯病:発生量はやや少(前年よりやや少)
- 予報の根拠
現在、発生は確認されていないが、6月末〜7月上旬の浸冠水で感染があったものと考えられる。
- 防除上注意すべき事項
- 前年の発生田とその周辺および浸冠水田は発病しやすいので、早期発見につとめる。
- 出穂前に発病すると被害が大きくなるので、発病がみとめられたら直ちに防徐する。
- オリゼメ−ト粉剤を使用した水田で出穂後に発病した場合は、通常、防徐の必要がない。
- 稲こうじ病:発生時期は平年並み(前年並み)、発生量はやや
少ない(前年よりやや少ない)
- 予報の根拠
- 出穂期は平年並みと見込まれる。
- 7月下旬は好天で経過した。
- 防除上注意すべき事項
前年多発した圃場では適期に薬剤を散布する。撒粉ボルド−の防徐適期は出穂前20〜10日なので、遅れないように実施する。ラブサイドベフランは出穂前10日前後が防徐適期で、適期幅が狭いので散布時期に注意する。
- ニカメイガ(ニカメイチュウ)2回発生地帯の第2世代:発生時期は平年並(前年並)、発生量はやや多(前年よりやや多)
- 予報の根拠
- 超冬世代成虫の発生時期は平年並みで、6月下旬以降の気温は平年並みで経過した。
- 第一世代幼虫の被害がやや多かった。
- 防除上注意すべき事項
- 本病の防除適期は穂ばらみ期なので、前年多発したほ場では出穂10〜20日前に薬剤を散布する。
- 窒素施肥量が多いと発生が多くなる傾向があるので、適正な施肥管理を行なう。
- フタオビコヤガ(イネアオ虫)第3世代:発生時期はやや早い(前年よりやや早い)、発生量は平年並(前年並)
- 予報の根拠
- 6
月中旬以降、気温は平年よりやや高く、降水量は平年並みで経過している。
-
第2世代の発生は平年よりやや低い。
- 防除上注意すべき事項
- 葉色の濃い、軟弱な稲で発生しやすいので、発生を見たら、若齢幼虫のうちに防徐する。
- コブノメイガ
- 予報の根拠
- 7月25日現在、成虫の飛来が認められていない。
- 防除上注意すべき事項
- 当面防徐の必要な水田はないが、葉色の濃いイネで発生しやすいので注意深く観察する。
- 今後の成虫の飛来状況に注意し、出穂期前に100株当たり5頭以上の成虫が認められたら、被害の発生初期に防徐する。
- セジロウンカ(第1世代):発生時期はやや遅い(前年より遅い)、発生量はやや少ない(前年よりやや多い)
- 予報の根拠
- 6月28日から成虫が飛来し始め、7月16日に
侵入盛期となった。
- 侵入世代成虫の株当たり頭数は、南部沿岸地帯でおよそ0.2頭以下、内陸部で0.03頭以下で、やや低い密度であった。
- 防除上注意すべき事項
- 南部沿岸地帯の一部水田では防徐が必要となるので、発生密度をよく観察する。
- 第1世代幼虫は8月2半旬に発生盛期(防徐適期)となるので、その時期に株あたり全幼虫数が35頭(中老齢幼虫数15頭相当)をこえたら防徐する。
- トビイロウンカ:発生時期はやや早い、発生量はやや多い
- 予報の根拠
- 7月5日に大曲の予察灯で雌成虫1頭が誘殺された。本件でこの時期に成虫が確認されることは珍しく、今後の動向に注意する必要がある。
- 防除上注意すべき事項
- 8月2半旬の株当たり短翅 型雌成虫が0.4頭以上の水田では次世代期(8月末〜9月上旬)に坪枯れを生じる可能性があるので、8月2半旬の生育密度をよく観察する。
- 防徐適期(8月下旬)の株当たり幼虫密度が50頭以上の場合は直ちに
防徐する。
- アワヨトウ(第2世代)
- 予報の根拠
- 8月は気温が低く、降水量は
平年雨並みと予報されている。
- 第1世代の発生経過と有効績算温度により、第2世代幼虫の発生は8月中旬と見込まれる。
- 防除上注意すべき事項
- 8月中旬から圃場をよく観察し、防徐が必要な場合(密度が高く、体色が黒い場合)は、老齢幼虫になると薬剤の効果が怠ると同時に食害も急激に増加するので若齢のうちに防徐する。
- 葉色が濃く、葉の軟弱なイネに産卵されやすい。
- 防徐薬剤にはデイプテレックス粉剤または同乳剤を用いる。
次回の発表予定は8月28日です。
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