水稲冷害研究チーム
岩手県「発生予察情報」
情報提供は岩手県病害虫防除所.詳細に関する問い合わせは(TEL直通:0196-88-4477)にお願いいたします.
○病害虫発生予報第1号(3月17日)
<要点>
- 育苗期病害は、適切な育苗管理が重要な防除対策となるので、気象に対応したこまめな温度・潅水管理を行うとともに、低温になった場合の保温資材の確保等、万全の対策を講じる。
- いもち病は、例年持ち込みが原因と思われる早期発生が見られる。稲わら、籾殻等いもち病の伝染源となるものを育苗施設の付近から除去するとともに、育苗期の薬剤防除を実施する。
<防除のポイント>
○育苗期病害の共通対策として育苗基本技術に従う。特に、細菌病対策を重点に以下の耕種的防除に努める。
- 塩水選は必ず行う。
- 浸漬、催芽、出芽は品種ごとに行う。
- 浸種は、一般に12〜15度、12〜7日とし、積算温度100〜120日度をめどに十分水漬けする。ただし、必要以上の温度、時間をかけない。
- シャワー循環式催芽器は、細菌の増殖、2次感染を助長するので催芽のみの使用とし、浸種は別の容器で行う。
- 出芽温度は30度とする。
- 緑化期以降、育苗ハウス等の開閉をこまめに行い、4度以下の低温、25度以上の高温にしない。
- 過剰な潅水にならないりょうに注意する。
○育苗施設周辺の環境を整備し、稲わら、籾殻をハウス内や周辺に置かない。
- 苗立枯病:発生量並み
- 予報の根拠
- 効果の高い薬剤の使用により、少発傾向であったが、最近の発生は程度は軽いものの、やや多い傾向にある。
- 4月の気温は平年並みの見込み。
- 防除のポイント
- 苗立枯病は発生後の防除が困難なので、必ず予防対策をとる。
- 緑化期以降、播種層等にかびが出やすいので発生に注意する。
- トリコデルマ属菌(青かび)、リゾプス属菌(白かび)が多発した場合、ベンレートT水和剤20の1000倍液を箱当たり0.5〜1リットル潅注する。
- ばか苗病:発生量少ない
- 予報の根拠
- 種子更新率の向上およびEBI剤の普及などにより、近年少発傾向にある。
- 昨年は、本田で発生は少なかった。
- 防除のポイント
- 種子消毒は正しい処理方法で必ず実施する。
- ベノミル耐性ばか苗病菌が全県的に認められるので、種子消毒はEBI剤(ヘルシード水和剤、テクリード水和剤、スポルタック乳剤)を使用する。EBI剤は、生育初期(播種10日後頃まで)に草丈・根の伸長抑制が見られることがある。特に、低温に遭遇すると生育遅延が助長されるので、出芽後は適切な温度管理、潅水管理を行う。
- 発病苗は見つけしだい抜き取り、土中に埋めるか焼却処分する。
- 細菌病類:発生量並み
- 予報の根拠
- 近年細菌病の発生割合が高い。
- 昨年の出穂期は降雨が少なかった。
- 4月は平年と比べ曇りや雨の日が多い見込み。
- 防除のポイント
- 育苗基本技術を厳守し、耕種的防除に努める。
- 薬剤防除は前年の発生状況を考慮し、適当な防除方法を選択して行う。薬剤防除だけでは十分な対策とならないので耕種的防除を併せて徹底する。
- 前年に発生、被害があった場合、播種後覆土前にカスミン液剤の4〜8倍液を箱当たり50mlを、種籾の上からキリナシノズルを用いて均一に散布するか、カスミン粒剤を覆土1リットル当たり15g均一に混和して、覆土する。
- 広く予防的に使用する場合、スターナ水和剤の種子粉衣または浸漬を行う。なお、スターナ水和剤は苗立枯細菌病に対して防除効果が不十分な場合がある。
- いもち病:発生量やや少ない
- 予報の根拠
- 前年の穂いもちの発生が少なかったことから、種子の保菌率は低く、罹病わら・籾殻等の伝染源も少ないと考えられる。
- 防除のポイント
例年、苗いもちや育苗期に感染したと思われる苗が原因となって、早期から葉いもちが発生する圃場が見られるので、育苗期の感染防止対策として育苗期防除を実施する。
- 育苗施設内やその付近に、籾殻・稲わら等の伝染源となるようなものを放置しない。
- 育苗期のいもち病感染を予防し、本田への持ち込みを防ぐため、育苗期防除を実施する。方法は、田植え予定の5〜7日前までに、予防的効果の高い薬剤を本葉2葉期から7〜10日おきに、稚苗では1〜2回、中苗では2〜3回、茎葉散布する。なお、苗の葉は薬剤が付着しにくいので、展着剤を加えて丁寧に散布する。
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